【ITニュース解説】From DevOps to Cloud Engineering: Why Careers Are Shifting in 2025

2025年09月04日に「Dev.to」が公開したITニュース「From DevOps to Cloud Engineering: Why Careers Are Shifting in 2025」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

「DevOpsエンジニア」という職名は減少し、その役割はより専門的な職種へ細分化している。今後はプラットフォーム、SRE、セキュリティ、特に需要が急増するクラウドエンジニアが中心となる。AWS等のクラウド技術やIaCの習得が重要だ。

ITニュース解説

近年、IT業界において「DevOpsエンジニア」という職種の求人が減少傾向にあるというデータが報告されている。しかし、これは開発(Development)と運用(Operations)が連携してソフトウェアの価値を迅速にユーザーへ届けるというDevOpsの考え方そのものが時代遅れになったことを意味するわけではない。むしろ、その逆である。DevOpsが担ってきた役割はより専門性の高い複数の職種へと進化し、細分化しているのが現状だ。この変化は、かつてWebサイト制作の全般を担っていた「Webマスター」という職種が、フロントエンド開発、バックエンド開発、UXデザインといった専門職へと分かれていった歴史と似ている。DevOpsの市場規模自体は今後も大幅な成長が見込まれており、その思想は形を変えてITインフラの現場に深く浸透し続けている。

DevOpsが担っていた責任範囲は、主に4つの専門的な役割に分かれつつある。一つ目は「プラットフォームエンジニア」だ。彼らは、ソフトウェア開発者が開発作業に集中できるよう、社内向けの共通開発基盤(プラットフォーム)を構築・提供する。例えば、コーディングからテスト、本番環境へのリリースまでの一連の流れを自動化し、標準化されたツールセットを用意することで、開発チーム全体の生産性を向上させる役割を担う。求人数も増加傾向にあり、今後ますます重要性が高まる職種である。二つ目は「サイト信頼性エンジニア(SRE)」だ。SREは、Googleが提唱した役割で、システムの安定稼働に責任を持つ。サービスの稼働状況を常に監視し、障害が発生した際には迅速な復旧対応を行う。さらに、同じ問題が再発しないよう根本原因を追求し、システムの信頼性を継続的に高めていくことが求められる。三つ目は「セキュリティエンジニア」である。システムの脆弱性を狙ったサイバー攻撃が巧妙化・増加する現代において、セキュリティの専門家は不可欠な存在だ。彼らは開発の初期段階からセキュリティを組み込み、データ保護やコンプライアンス要件を満たすための設計や実装を行う。AIによる自動化が難しい領域でもあり、需要は高まり続けている。そして四つ目が、この変化の中心にいる「クラウドエンジニア」である。

こうした役割の細分化が進む背景には、AIと自動化技術の急速な発展、そしてクラウドコンピューティングの全面的な普及がある。AIを活用した開発支援ツール、例えばGitHub Copilotなどが登場したことで、開発者自身がコードのデプロイまで行えるようになった。また、ソフトウェアを開発してからユーザーに届けるまでの一連の流れを自動化する仕組み(CI/CDパイプライン)の構築や、システムの監視といった定型的な作業は、高度な自動化ツールによって効率化されつつある。これにより、従来DevOpsエンジニアが担っていた開発と運用の「橋渡し」的な業務は減少し、エンジニアはより高度で専門的な課題、例えば大規模システムの設計や、コストの最適化、高度なセキュリティ対策といった領域に集中するようになった。特に、現代のITシステムのほとんどがAWS、Microsoft Azure、Google Cloudといったパブリッククラウド上で構築されている事実は、この変化を加速させている。クラウド市場は驚異的なスピードで成長しており、それに伴い、クラウド環境を専門的に扱える技術者の需要が爆発的に増加しているのだ。

この状況において、将来のキャリアを考える上で最も有望視されているのが「クラウドエンジニア」である。クラウドエンジニアは、単にクラウドサービスを使うだけでなく、システムのアーキテクチャ設計、Infrastructure as Code(IaC)と呼ばれる手法を用いたインフラのコードによる自動構築、セキュリティ対策、そして膨大なクラウド利用料を最適化するコスト管理まで、非常に幅広いスキルが求められる。まさに、現代のITインフラを支える多機能な専門家と言える。クラウドエンジニアとしてのスキルを身につければ、そこからSREやプラットフォームエンジニア、あるいはAI基盤を扱うエンジニアなど、他の専門分野へキャリアを転換することも比較的容易であり、キャリアの柔軟性が高い点も大きな魅力だ。クラウドの活用は今後もあらゆるビジネスで拡大していくため、クラウドエンジニアの需要が減少することは考えにくい。

システムエンジニアを目指す初心者は、この大きな変化の波にどう対応すべきだろうか。重要なのは、「DevOps」という特定の職種名に固執するのではなく、市場で本当に求められている普遍的なスキルを身につけることである。まず最優先で学ぶべきは、AWS、Azure、GCPといった主要なクラウドサービスの知識だ。これらのサービスが提供する認定資格は、自身のスキルを客観的に証明する上で今も非常に有効である。次に、サーバーやネットワークなどのITインフラを、プログラムのコードのようにテキストファイルで定義し、管理する「Infrastructure as Code(IaC)」という考え方と、それを実現するTerraformのようなツールを習得することが不可欠だ。手作業によるミスをなくし、迅速で再現性の高いインフラ構築を可能にするこの技術は、現代のクラウド関連職における必須スキルとなっている。さらに、開発の早い段階からセキュリティを考慮に入れる「シフトレフト」という考え方が主流になる中、基本的なセキュリティ知識も身につけておく必要がある。そして、これらの知識をただ学ぶだけでなく、実際に自分で小規模なシステムを設計・構築してみるなど、手を動かしてプロジェクト経験を積むことが、自身の価値を証明する上で最も重要となる。

結論として、「DevOpsエンジニア」という肩書きは過去のものになるかもしれないが、開発と運用が協力し合うというDevOpsの思想は、クラウドエンジニアやプラットフォームエンジニアといった新しい専門職の中に脈々と受け継がれている。これからのIT業界で長期的に活躍するためには、変化に適応し、常に新しい技術を学び続ける姿勢が求められる。その中でも、クラウド技術をキャリアの軸に据えることが、最も確実で将来性のある選択肢と言えるだろう。

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