【ITニュース解説】🚀 Day 10 of My DevOps Journey: Docker Compose — Multi-Container Apps Made Easy

2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「🚀 Day 10 of My DevOps Journey: Docker Compose — Multi-Container Apps Made Easy」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Docker Composeは、複数のコンテナ(例: フロント、DB)で構成されるアプリケーションを、一つの設定ファイルで簡単に管理・実行できるツールだ。複雑な構成のアプリもコマンド一つで動かせ、開発・テスト環境を統一できるため、システム開発の効率化に貢献する。

ITニュース解説

現代のソフトウェア開発では、アプリケーションを小さく独立した部品(コンテナ)に分割して動かす「コンテナ化」が主流となっている。Dockerはその中心となる技術であり、アプリケーションとその実行環境をまとめて、どんな環境でも同じように動作させられるようにする。しかし、実際のアプリケーションは単一のコンテナで完結することは稀である。例えば、ウェブサイトを表示するフロントエンド、データの処理を行うバックエンドAPI、そしてデータを保存するデータベースなど、複数の異なるサービスが連携して一つのアプリケーションを構成することが一般的だ。これら各サービスがそれぞれ独立したコンテナとして動作する場合、それらを一つずつ手動で起動したり、相互の依存関係や起動順序を管理したりするのは非常に複雑で手間がかかる作業となる。

このような複数のコンテナで構成されるアプリケーション(マルチコンテナアプリケーション)の管理を容易にするために、「Docker Compose」が用いられる。Docker Composeは、複雑な多層アプリケーションであっても、あたかも単一のアプリケーションのように、簡単な定義とコマンド一つで全体の起動、停止、管理を可能にするツールである。これにより、開発者は個々のコンテナの管理に煩わされることなく、アプリケーション全体の開発に集中できるようになる。

Docker Composeの中心となるのは「docker-compose.yml」という設定ファイルである。このYAML形式のファイルに、アプリケーションを構成する各コンテナ(Docker Composeではこれらを「サービス」と呼ぶ)の詳細情報や、それらがどのように連携するかを記述する。主な記述要素は以下の通りである。 まず、「services:」セクションでは、アプリケーションを構成する個々のコンテナを定義する。例えば、ウェブアプリケーションのコンテナに「web」、データベースのコンテナに「mongo」といった名前を付けて、それぞれを独立したサービスとして管理する。 次に、「build:」は、そのサービスを動かすためのコンテナイメージを、手元にあるソースコードとDockerfileから作成(ビルド)する場合に指定する。Dockerfileが置かれているディレクトリパスを指定することが多い。もし既に公開されている既存のコンテナイメージ(例えば公式のMongoDBイメージなど)を使用する場合は、「image:」を指定する。 「ports:」は、コンテナ内部で使用されているポート番号(通信の出入り口)と、自分のPC(ホストマシン)のポート番号を関連付ける設定である。「ホストのポート:コンテナのポート」という形式で記述し、自分のPCからコンテナ内のアプリケーションにアクセスできるようにする。 「volumes:」は、コンテナ内のデータを永続的に保存するための設定である。コンテナは一時的なものであり、停止したり削除したりすると、通常その内部のデータは消えてしまう。特にデータベースのように重要なデータを扱うコンテナでは、この設定が不可欠である。volumesを設定することで、コンテナが削除されてもデータは失われず、新しいコンテナを起動した際に以前のデータを再利用できるようになる。 「depends_on:」は、特定のコンテナが、他のコンテナが起動してからでないと正しく動作しない場合に、それらの起動順序を定義する。例えば、ウェブアプリケーションがデータベースに接続する前に、データベースコンテナが先に起動している必要があるといった状況で利用される。

具体的な例として、Node.jsで書かれたウェブアプリケーションとMongoDBデータベースを連携させるケースを考えてみよう。docker-compose.ymlファイルには、「web」と「mongo」という二つのサービスが定義される。「web」サービスは、カレントディレクトリにあるソースコードからイメージをビルドし、コンテナ内のポート3000番をホストの3000番に公開する。また、「mongo」サービスが起動してから「web」サービスを起動するように指定する。「mongo」サービスは、mongo:6というバージョンの公開イメージを使用し、「mongo-data」という名前のボリュームを使ってデータを永続化する。このmongo-dataボリュームは、docker-compose.ymlファイルの最後に別途定義され、データベースのデータが確実に保存されるようにしている。

この設定ファイルを作成したら、アプリケーション全体の操作は非常に簡単である。 docker-compose up -dというコマンドを実行すると、docker-compose.ymlに定義されたすべてのコンテナがバックグラウンドで起動する。-dオプション(デタッチドモード)は、コマンド実行後もターミナルを占有せず、コンテナが裏で動き続けることを意味する。 アプリケーションを停止し、関連するネットワークなどをクリーンアップするには、docker-compose downというコマンドを使用する。

Docker Composeは、開発・運用プロセスを効率化するDevOpsにおいて、様々な場面で活用される。開発者は、ローカル環境にアプリケーションのすべての依存関係(データベース、キャッシュ、他のマイクロサービスなど)を簡単に構築し、本番環境に近い状態で開発やテストを進められる。これにより、開発環境と本番環境の差異に起因する問題を防ぎ、デバッグ作業を効率化できる。また、テスト環境を必要に応じて迅速に立ち上げたり、CI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)パイプラインの中で、自動テストのために一時的な環境を構築・破棄したりすることも可能になる。これにより、開発チーム全体で一貫性のある環境で作業でき、再現性の高い開発・テストプロセスを実現できる。

Docker Composeをより効果的に使うための実践的なアドバイスもいくつかある。 まず、データベース接続情報やAPIキーなど、機密性の高い環境変数は、直接docker-compose.ymlファイルに記述するのではなく、.envファイルという別のファイルで管理すると良い。これにより、セキュリティリスクを低減し、設定変更も容易になる。 次に、データベースなどデータの永続性が非常に重要なサービスには、必ずvolumes設定を行い、コンテナが予期せず停止したり削除されたりしてもデータが失われないようにするべきである。 また、開発環境、ステージング環境、本番環境など、異なる環境でそれぞれ異なる設定が必要な場合は、複数のdocker-compose.ymlファイルを作成し、docker-compose -f <ファイル名> upのように、-fオプションで指定して使い分けることができる。 Docker Composeは、単一のPCやサーバー上で複数のコンテナを管理するのに非常に強力なツールだが、さらに大規模な本番環境や、複数のサーバーにまたがる分散アプリケーションを管理するには、「Docker Swarm」や「Kubernetes(クーバネティス)」といった、より高度なコンテナオーケストレーションツールへの移行が検討される。Docker Composeは、これらのより大規模で複雑な仕組みへと進むための、重要な第一歩として位置づけられる。

簡単な実践として、Python FlaskアプリケーションとRedisというインメモリデータベースを組み合わせたシステムを想像し、対応するdocker-compose.ymlを作成して起動してみることは、理解を深める上で非常に役立つだろう。さらに、docker-compose up --scale web=3というコマンドを使えば、ウェブアプリケーションのコンテナを複数に増やして(スケールアウトして)動かすような負荷分散の基礎も簡単に試せる。

このように、Docker Composeは、複数のコンテナから構成される複雑なアプリケーションの定義、起動、管理を劇的にシンプルにする強力なツールである。システムエンジニアを目指す者にとって、このツールを使いこなすことは、現代のクラウドネイティブなアプリケーション開発において不可欠なスキルとなる。これからコンテナオーケストレーションのより高度な世界へ進むための強固な土台として、Docker Composeの理解と習得は非常に価値がある。

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