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Terraform(テラフォーム)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

Terraform(テラフォーム)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

テラフォーム (テラフォーム)

英語表記

Terraform (テラフォーム)

用語解説

Terraform(テラフォーム)は、インフラストラクチャ・アズ・コード(Infrastructure as Code、略称IaC)を実現するためのオープンソースツールである。ITインフラの構築、変更、バージョン管理を、手作業ではなくコードによって自動化・管理することを可能にする。具体的には、クラウドサービス(AWS、Azure、GCPなど)やオンプレミス環境の仮想化プラットフォームなど、さまざまなインフラを、テキストファイルとして定義し、その定義に基づいてインフラの作成や更新を行う。これにより、インフラ構築の効率化、再現性の向上、ヒューマンエラーの削減、そしてインフラ構成のバージョン管理を実現する。

IaCとは、サーバー、ネットワーク、データベースといったインフラリソースを、コードとして記述し、それを管理・運用する手法である。従来のインフラ構築では、管理者が手動でGUIを操作したり、コマンドを実行したりすることが一般的だったが、この方法では設定ミスや環境間の差異が発生しやすく、構築に時間もかかるという課題があった。IaCツールであるTerraformは、こうした課題を解決するために開発された。インフラの「あるべき姿」をコードとして記述し、そのコードを実行することで、定義通りのインフラを自動的に展開する。

Terraformの基本的な動作は、主に「構成ファイルの記述」「実行計画の生成」「変更の適用」の3ステップからなる。まず、ユーザーはHCL(HashiCorp Configuration Language)というTerraform独自の宣言型言語を用いて、作成したいインフラリソース(例:EC2インスタンス、S3バケット、VPCなど)とその設定を.tf形式の構成ファイルに記述する。この構成ファイルは、どのようなリソースを、どのような状態で存在させたいかという「最終的な状態」を宣言する。

次に、Terraformはplanコマンドを実行することで、現在のインフラの状態と、構成ファイルで定義された「あるべき状態」を比較し、その差分を解消するためにどのような変更が必要かを事前に提示する。この実行計画(plan)は、実際にリソースが作成、変更、削除される前にその内容を確認できるため、予期せぬ変更や誤操作を防ぐ上で非常に重要な機能である。

最後に、applyコマンドを実行することで、提示された実行計画に基づいて、実際のクラウドプロバイダやインフラ環境にインフラの変更を適用する。Terraformは、各クラウドプロバイダやサービスに対応する「プロバイダ」を通じて、それぞれのAPIを呼び出し、インフラの操作を行う。また、Terraformは「ステートファイル(state file)」と呼ばれるファイルを生成し、管理する。このステートファイルには、Terraformが管理しているインフラリソースの現在の状態や属性が記録されており、これによりTerraformは次回以降の実行時に、構成ファイルと実際のインフラの状態を正確に比較し、必要な変更のみを適用できる。この仕組みによって、Terraformは何度実行しても同じ結果が得られる「冪等性」を保証し、手動での変更があった場合にもそれを検知し、適切な状態に戻すことができる。

Terraformの大きな利点は、そのマルチクラウド対応能力にある。AWS、Azure、GCPといった主要なパブリッククラウドサービスはもちろんのこと、VMware vSphereのようなオンプレミスの仮想化基盤、Kubernetesのようなコンテナオーケストレーションシステム、さらにはGitHubやDatadogのようなSaaSサービスまで、多種多様なプロバイダが提供されており、これらすべてをTerraformという単一のツールとHCL言語で一元的に管理できる。これにより、異なる環境間で一貫したインフラ構築プロセスを確立し、運用コストを削減することが可能になる。

さらに、Terraformは「モジュール」と呼ばれる機能を提供し、インフラ構成を再利用可能な単位に分割できる。これにより、共通のインフラパターンを簡単に複数プロジェクトで利用したり、複雑なインフラ構成を整理し、管理しやすくしたりできる。例えば、特定のネットワーク構成やサーバー群をモジュールとして定義し、それを開発環境、ステージング環境、本番環境で共通して呼び出すことで、環境間の一貫性を保ちつつ、効率的なインフラ展開が可能となる。

これらの特徴により、Terraformはインフラ構築における多くのメリットをもたらす。手動作業を排除することで、インフラ構築のスピードと信頼性が大幅に向上し、ヒューマンエラーによるシステム障害のリスクを低減する。インフラの構成がコードとして明確に定義されるため、チーム内での知識共有が容易になり、新しくプロジェクトに参加するメンバーも迅速に環境を理解し、構築・変更作業に参加できる。また、コードとして管理されるため、Gitのようなバージョン管理システムと組み合わせることで、インフラの変更履歴を追跡し、いつでも過去の安定した状態にロールバックすることが可能になる。これは、システムの変更管理と監査の観点からも非常に重要である。

注意点としては、HCLの学習コストや、ステートファイルの適切な管理が挙げられる。ステートファイルは機密情報を含む可能性があり、またチームで共同開発する際には競合を避けるためにS3などの共有ストレージで安全に管理する必要がある。しかし、これらの課題を理解し適切に対処することで、Terraformは現代のクラウドネイティブな環境におけるインフラ管理の強力なツールとして、システムエンジニアにとって不可欠なスキルの一つとなっている。

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