Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】Notes from 10+ years working with WordPress

2025年09月12日に「Dev.to」が公開したITニュース「Notes from 10+ years working with WordPress」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

WordPressで持続可能なサイトを作る秘訣は、10年以上の経験者が語る。プラグインは最小限に、良質なホスティングを選び、SEOの基本を押さえよ。クライアントに分かりやすい設計と、継続的なメンテナンスが長期運用の鍵となる。

出典: Notes from 10+ years working with WordPress | Dev.to公開日:

ITニュース解説

WordPressを長年利用してきた開発者の経験は、システムエンジニアを目指す初心者にとって非常に貴重な教訓となる。ウェブサイト開発の現場で実際に直面する課題と、それらを乗り越えるための実用的な知見が詰まっているからだ。

まず最も重要な教訓の一つは、「Less is more(少ないことはより良いこと)」という考え方だ。WordPressでは、プラグインを導入することで手軽に機能を追加できる。しかし、この手軽さが落とし穴になることもある。プラグインはそれぞれが追加のコードを持ち、サイトが動くたびにデータベースへの問い合わせ(クエリ)を発生させる。また、プラグインが増えれば増えるほど、それぞれのアップデート管理も複雑になり、セキュリティリスクも高まる。結果として、サイトの動作が重くなり、維持管理の手間が増大してしまうのだ。この開発者は、WordPress、Elementor Pro、JetEngine、WP Rocket、そして信頼できるフォームプラグインという厳選されたツール群で、プロジェクトの90%以上の要件に対応している。このように必要最低限のツールでシンプルに構築されたサイトは、高速で安定し、長期的に維持しやすいという利点がある。余計なものをそぎ落とし、本当に必要なものだけに集中する姿勢は、ウェブ開発における基本であり、多くのプロジェクトで通用する普遍的な原則だと言える。

次に、ウェブサイトの基盤となる「良いホスティングサービス」の重要性が強調されている。ホスティングサービスとは、ウェブサイトのデータを保存し、インターネットを通じて公開するためのサーバーを提供するサービスのことだ。安価なホスティングサービスは、サーバーの性能が低かったり、多数のユーザーとリソースを共有していたりするため、サイトの表示速度が遅くなる原因となる。また、古いPHPバージョン(WordPressが動作するプログラミング言語)を利用している場合、セキュリティ上の脆弱性が存在したり、最新の機能を利用できなかったりする問題も発生する。さらに、問題が発生した際に適切なサポートが得られないことも、開発者やクライアントにとって大きなストレスとなる。高品質なホスティングは、単なる贅沢ではなく、サイトの高速性、セキュリティ、そして安定稼働を保証する「保険」のようなものだ。初期投資として多少費用がかさんでも、結果的にトラブルを減らし、メンテナンスの手間を軽減することで、長期的に見ればコスト削減につながる。

SEO(検索エンジン最適化)に関しては、小手先のテクニックよりも「基本」が圧倒的に強力だという事実が示されている。SEOとは、Googleなどの検索エンジンの検索結果で、自分のサイトが上位に表示されるようにするための様々な施策を指す。キーワードを不自然に詰め込んだり、一時的なトレンドに飛びついたりする「SEOハック」は、短期的な効果があったとしても、長期的には通用しないことが多い。それよりも、メタタイトルやディスクリプションを適切に設定し、パーマリンク(URL)を分かりやすくする、画像に代替テキスト(alt属性)を設定する、そして見出し(H1, H2, H3など)の階層を論理的に整理するといった基本的な対策の方が、はるかに重要である。読み込みが速く、構造が明確で、コンテンツが論理的に整理されたサイトは、検索エンジンからもユーザーからも高く評価される。これは、ユーザーにとって価値のある情報を提供し、使いやすいサイトを作ることが、結果的に検索エンジンの評価につながるという、ウェブの本質的な考え方に基づいている。

クライアントとの良好な関係を築き、サイトを長期的に活用してもらうためには、「クライアントにとっての明快さ」が不可欠である。どんなにデザインが優れていても、クライアントがバックエンド(管理画面)でコンテンツを更新したり管理したりするのが難しいと感じれば、そのサイトは結局使われなくなる。ダッシュボードをシンプルに保ち、入力フィールドの名称を分かりやすくする、そして必要であれば操作マニュアルを提供するなど、クライアントが自信を持ってサイトを操作できるように工夫することが重要だ。この開発者はElementorとJetEngineというツールを組み合わせることで、柔軟なコンテンツ構築を可能にしつつも、管理画面の使いやすさを両立させている。クライアントが自分でコンテンツを更新できる環境は、サイトの鮮度を保ち、クライアント自身の事業成長にも貢献する。

そして最後に、ウェブサイトは「決して完成することのないもの」であるという認識が重要だ。ウェブの世界は常に進化しており、新しい技術が登場し、ブラウザの機能が更新され、セキュリティ上の脅威も絶えず変化している。WordPress本体はもちろん、使用しているプラグインやテーマも定期的なアップデートが必要となる。これらのアップデートには、新機能の追加だけでなく、セキュリティ修正やバグ修正が含まれているため、適用は必須だ。ウェブサイトは一度作ったら終わりではなく、継続的なメンテナンスが必要な「生き物」であるという事実を、開発の初期段階でクライアントに伝え、共通の認識を持つことが重要である。定期的なチェックやアップデートを怠ると、サイトの動作が不安定になったり、セキュリティ侵害のリスクが高まったりと、将来的に大きな問題へと発展しかねない。小さな手入れをこまめに行うことが、将来の大きな頭痛の種を防ぐことにつながるのだ。

これらの教訓は、10年以上にわたるWordPress開発の経験から導き出されたものであり、ウェブサイトをリーンに保ち、適切に構造化し、そして継続的に手入れすることが、成功するプロジェクトの鍵であることを示している。近道は存在しないが、これらの習慣を身につけることで、より効率的で持続可能な開発が可能となり、結果としてより強く、長持ちするウェブサイトを構築できるようになるだろう。システムエンジニアを目指す初心者にとって、これらの知見は、単なる技術的なスキルだけでなく、プロジェクト管理や顧客対応といった、より広範な視点を養う上で貴重な指針となるに違いない。

関連コンテンツ