【ITニュース解説】What is the origin of the private network address 192.168.*.*? (2009)

2025年09月07日に「Hacker News」が公開したITニュース「What is the origin of the private network address 192.168.*.*? (2009)」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

プライベートネットワークアドレス192.168.0.0/16は、RFC 1597(後のRFC 1918)で定義された。このアドレス範囲は、グローバルIPアドレスの枯渇を防ぐ目的で予約され、インターネットに直接接続しないローカルネットワークでの利用が想定された。これにより、企業や家庭内ネットワークで自由にIPアドレスを割り当てられるようになった。

ITニュース解説

プライベートネットワークアドレス、特に「192.168.x.x」の起源に関する情報を提供する。このアドレス範囲がどのようにして生まれ、なぜこれほど広く使われるようになったのかを理解することは、ネットワークの基礎を学ぶ上で非常に重要だ。

インターネットに接続されたコンピュータは、それぞれ一意のIPアドレスを持つ。これは、インターネット上の住所のようなもので、他のコンピュータが特定のコンピュータを見つけ、通信するために使用される。しかし、すべてのコンピュータがグローバルに一意なIPアドレスを持つ必要はない。例えば、家庭内や企業内のネットワークでは、内部だけで通信するコンピュータがある。このような場合に利用されるのが、プライベートネットワークアドレスだ。

プライベートネットワークアドレスは、インターネット上で直接ルーティングされない。つまり、これらのアドレスを持つコンピュータは、直接インターネットに接続することはできない。代わりに、ルーターと呼ばれる特別なデバイスが、プライベートネットワークとインターネットの間の翻訳を行う。この翻訳の仕組みをNAT (Network Address Translation) と呼ぶ。NATは、プライベートネットワーク内の複数のコンピュータが、一つのグローバルIPアドレスを共有してインターネットに接続することを可能にする。

プライベートネットワークアドレスの範囲は、IANA (Internet Assigned Numbers Authority) という組織によって予約されている。IANAは、インターネットの資源を管理する責任を負っており、IPアドレスの割り当てもその一部だ。IANAは、RFC (Request for Comments) という文書で、技術的な仕様や標準を公開している。

RFC 1918という文書で、プライベートネットワークアドレスの範囲が定義されている。この文書は1996年に公開され、以下の3つのアドレス範囲がプライベートネットワーク用として予約された。

  1. 10.0.0.0 - 10.255.255.255 (10/8 プレフィックス)
  2. 172.16.0.0 - 172.31.255.255 (172.16/12 プレフィックス)
  3. 192.168.0.0 - 192.168.255.255 (192.168/16 プレフィックス)

これらの範囲の中から、ネットワーク管理者は自由にアドレスを選択し、内部ネットワークに割り当てることができる。最も一般的に使用されるのが、192.168.x.xの範囲だ。これは、多くの家庭用ルーターがデフォルトでこの範囲を使用するように設定されているためだ。

192.168.x.xの範囲が広く使われるようになった背景には、使いやすさ、設定の容易さ、そして他の範囲との競合の少なさなどが挙げられる。多くのルーターメーカーが、初期設定を簡単にするために、この範囲をデフォルトで使用するように設定したことが、普及を加速させた。

RFC 1918が公開される以前にも、プライベートネットワークアドレスの概念は存在していた。しかし、公式に標準化されたことで、アドレスの衝突を防ぎ、ネットワークの安定性を向上させることに貢献した。異なる組織が、同じアドレス範囲を重複して使用するリスクを減らすことができたのだ。

プライベートネットワークアドレスの利用は、IPv4アドレスの枯渇問題に対する一時的な解決策としても機能した。グローバルIPアドレスの需要が増加する中で、プライベートネットワークアドレスを使用することで、インターネットに直接接続する必要のないデバイスに対して、グローバルIPアドレスを割り当てる必要がなくなったからだ。

IPv6 (Internet Protocol version 6) は、より大きなアドレス空間を提供し、アドレス枯渇問題を根本的に解決することを目的としている。IPv6では、NATの使用が必須ではなくなり、各デバイスがグローバルに一意なIPアドレスを持つことが可能になる。しかし、IPv4からIPv6への移行は段階的に進められており、現在でもプライベートネットワークアドレスとNATは、多くのネットワークで利用されている。

システムエンジニアを目指す上で、プライベートネットワークアドレスの概念を理解することは非常に重要だ。ネットワークの設計、設定、トラブルシューティングを行う際に、これらのアドレス範囲とその役割を把握しておくことは不可欠となる。また、NATの仕組みや、IPv4とIPv6の違いについても理解を深めることで、より高度なネットワーク技術を習得することができるだろう。

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