【ITニュース解説】Building a Terminal Sudoku Game in Python
2025年09月11日に「Dev.to」が公開したITニュース「Building a Terminal Sudoku Game in Python」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Pythonでターミナル版数独ゲームを開発する過程を紹介。2D配列による盤面表現、オブジェクト指向設計(Board/Gameクラス)、ユーザー入力処理、セットを使った盤面検証など、システムエンジニアの基礎となる技術を解説する。GitHub Copilotも開発に活用した。
ITニュース解説
このニュース記事は、Pythonというプログラミング言語を使って、ターミナル上で遊べる数独ゲームを開発するプロジェクトについて解説している。数独ゲームのような身近な題材をプログラミングで作ることは、システムエンジニアを目指す上で非常に役立つ学習経験となる。なぜなら、このプロジェクトを通じて、データ構造、アルゴリズム、そしてユーザーからの入力処理といった、プログラミングの基本かつ重要な概念を実践的に学ぶことができるからだ。開発の過程では、GitHub CopilotやGeminiといったAIアシスタントも活用されており、現代の開発現場におけるAIツールの利用事例としても参考になる。
この数独ゲームは、コードを効率的かつ管理しやすくするために「オブジェクト指向プログラミング」という考え方で設計されている。具体的には、ゲーム全体を「Board(盤面)」と「Game(ゲーム進行)」という二つのクラスに分けている。クラスとは、特定の役割とそれに関連するデータをまとめた設計図のようなもので、このように役割を分けることで、コードが整理され、どこで何が行われているのかが分かりやすくなる利点がある。
まず「Board」クラスは、数独の盤面そのもののデータと状態を管理する役割を担っている。数独のマス目には数字が入るが、その数字がどう配置されているか、どのマスが空いているかといった情報を保持する。初期の盤面を作成したり、現在の盤面を表示したり、数字が正しく配置されているかをチェックしたりするのもこのクラスの仕事だ。数独のグリッド、つまり9×9のマス目は、プログラミングでは「2D配列」や「リストのリスト」と呼ばれる形で表現されている。これは、リストの中にさらにリストが入っている構造で、たとえば[[1,2,3], [4,5,6], [7,8,9]]のように、それぞれの内側のリストが行を表し、数字がマス目の値を表す。記事では、__init__という初期化メソッドで盤面の準備を行い、create_boardというメソッドで有効な数独の盤面を生成し、さらにremove_numbersという関数で、プレイヤーが埋めるべき空白のマスを作るために50個の数字を盤面から取り除いている。取り除かれたマスには一時的に「0」が保持され、プレイヤーが数字を入力するまでその状態が続く。
次に「Game」クラスは、ゲーム全体の流れを管理する。これは、プレイヤーとプログラムがどのように対話するか、ゲームの進行をどうコントロールするかといった部分を担当するクラスだ。具体的には、プレイヤーに「どの行の、どの列に、どんな数字を入れたいか」を尋ねるプロンプトを表示し、その入力を受け取る。そして、入力された値が有効なものかどうか(たとえば、数字が入力されるべきところに文字が入力されていないかなど)を検証する。このようなユーザー入力の処理では、string.strip().split()といった文字列操作の関数を使って、入力された文字列から不要な空白を取り除いたり、複数の情報を区切ったりする。また、万が一ユーザーが予期しない形式の入力をした場合でもプログラムが停止しないよう、「try...exceptブロック」という仕組みを使ってエラーを適切に処理し、より使いやすいゲームにする工夫がされている。プレイヤーが「##」と入力することでゲームを終了できる機能も、このクラスで管理されている。
ゲームが終了したかどうか、あるいは途中でプレイヤーが盤面を確認したい時に、数独のルールに則って盤面が正しく埋められているかを検証する機能も「Game」クラスが担当する。この検証は、主に次の四つの条件をチェックすることで行われる。
- すべてのマスが埋まっているか?: 空白のマス(0が入っているマス)が残っていないかを確認する。
- すべての行が有効か?: 各行に1から9までの数字が重複なく一つずつ入っているかを確認する。
- すべての列が有効か?: 各列に1から9までの数字が重複なく一つずつ入っているかを確認する。
- すべての3x3サブグリッドが有効か?: 数独特有の9つの3×3のブロックそれぞれに、1から9までの数字が重複なく一つずつ入っているかを確認する。
これらの条件を効率的にチェックするために、「セット(set)」というデータ構造が活用されている。セットは、重複する要素を自動的に排除し、ユニークな(重複しない)値のみを保持する特性がある。この特性を利用して、ある行や列、あるいは3x3ブロックに含まれる数字のリストを作り、それをセットに変換する。もし変換後のセットの要素数と元のリストの要素数が異なる場合、それはその中に重複する数字が含まれていることを意味する。このシンプルな比較だけで、数独の重要なルールである「重複がないこと」を高速にチェックできる。これにより、検証ロジックは非常に簡潔で読みやすいものとなっている。
数独の初期盤面を生成する部分は、実は非常に複雑なアルゴリズムを必要とする。完全にランダムに数字を配置するだけでは、解けない盤面や複数の解を持つ盤面ができてしまうため、有効な数独の盤面を生成する専門的な手法がいくつか存在する。この記事のプロジェクトでは、既存のウェブサイトや開発者コミュニティで共有されている技術からヒントを得て、その生成ロジックを実装していることが示されている。
このプロジェクトには、さらに改善できる点がいくつか挙げられている。たとえば、「バックトラッキングアルゴリズム」という手法を使って数独を自動的に解く「ソルバー」機能を追加すること。あるいは、「curses」のようなライブラリを使って、もっと見た目が良く、キーボードの単一キー入力にも反応するような、よりインタラクティブなユーザーインターフェース(UI)を実装すること。また、初期盤面の数字の取り除き方を変えることで、難易度を調整する機能や、プログラムの各部分が正しく動作するかを確認する「ユニットテスト」の導入なども検討されている。
このように、ターミナルで動く数独ゲームを開発する経験は、一見するとシンプルなゲームのように思えるが、プログラミングにおける多くの基礎的な概念、例えばオブジェクト指向設計、データ構造の選択、ユーザー入力の堅牢な処理、アルゴリズムの適用、そしてコードのテストや改善といった、システムエンジニアとして働く上で必須となるスキルを幅広く習得できる非常に価値のあるプロジェクトと言える。