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【ITニュース解説】Start ROS2 Today: What Are Recommended Steps?

2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「Start ROS2 Today: What Are Recommended Steps?」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

ロボット開発基盤ROS2を学ぶには、段階的な学習が推奨される。本体に入る前に、まずプログラミング言語C++、ビルドシステムCMake、コマンドラインの基礎を固める。この土台作りが、その後のROS2の基本機能やシミュレーションでの学習をスムーズに進める鍵となる。

出典: Start ROS2 Today: What Are Recommended Steps? | Dev.to公開日:

ITニュース解説

ROS2(Robot Operating System 2)は、ロボット開発のための強力なオープンソースフレームワークであり、システムエンジニアを目指す上で重要な技術の一つである。しかし、C++、Linuxコマンド、そして独自の通信アーキテクチャなど、多くの専門知識が求められるため、学習を始めたばかりの初心者にはその複雑さに圧倒されることがあるだろう。手当たり次第にチュートリアルをこなすのではなく、一つ一つのスキルを段階的に習得していく構造化された学習計画を持つことが、効果的な学習には不可欠となる。これにより、発生したエラーがROS2システム自体の問題なのか、それとも自身の書いたコードに起因するものなのかを明確に区別できるようになる。

まず、ROS2を始めるにあたり、C++言語に慣れることが最初のステップだ。ROS2の大部分はC++で記述されているため、この言語の基本を理解していなければ、ROS2ノードのデバッグは非常に困難な作業となる。最初は「hello.cpp」のようなシンプルな単一ファイルプログラムを書き、g++コンパイラを使ってコンパイルする練習から始めると良い。その後、main.cppMotorController.cppMotorController.hppといった複数のファイルで構成されるプロジェクトへと進むことで、モジュール化されたコードがどのように連携し、コンパイルされるかを学ぶ。この学習は、ROS2のパッケージ構造を理解するための基礎となり、ROS2の複雑な環境から離れてC++の基本を固めることで、着実に自信を築くことができる。

次に、ROS2パッケージのビルドシステムであるament_cmakeの基盤となっているCMakeについて学ぶ必要がある。CMakeは、大規模なソフトウェアプロジェクトのビルドプロセスを効率的に管理するためのツールだ。ROS2の学習に入る前に、CMakeLists.txtファイルを使用して小さなプロジェクトをビルドする練習をすると良い。例えば、add_libraryでライブラリを定義し、add_executableで実行ファイルを作成し、target_link_librariesでそれらをリンクするといった実践を通して、ライブラリや単体テストを含むプロジェクトのビルド方法を習得する。この実践は、実際のROS2パッケージがどのように構築されているかを理解するための重要な準備となる。

そして、コマンドライン操作に習熟することもROS2開発では不可欠である。ROS2を用いた作業の大部分はターミナルを通じて行われるため、cd(ディレクトリ移動)、source(環境設定の読み込み)、mkdir(ディレクトリ作成)、export(環境変数の設定)といった基本的なコマンドは、ワークスペースの作成、ノードの起動、環境管理において日常的に使用される。これらのコマンドライン操作に慣れていないと、ROS2の簡単なタスクでさえも時間がかかり、フラストレーションの原因となるだろう。

これらの基礎スキルが身についたら、いよいよROS2の核心的な概念であるトピック、ノード、メッセージの学習に進む。ROS2では、ノードと呼ばれる独立したプログラムが、トピックという名前の情報チャネルを通じてメッセージをパブリッシュ(発行)したり、サブスクライブ(購読)したりすることで相互に通信を行う。具体的な演習として、文字列を/chatterトピックにパブリッシュする「talkerノード」と、そのメッセージをサブスクライブする「listenerノード」を作成してみる。また、ros2 topic echo /chatterコマンドを使用してトピック上のメッセージの流れをリアルタイムで確認したり、rqt_graphツールを使ってノード間の通信関係を視覚的に表示させたりすることで、ROS2のメッセージングシステムがどのように機能するかを具体的に理解できる。このシンプルな演習は、あらゆるロボットシステムの中核をなす通信の仕組みを解き明かす第一歩となる。

実機にセンサーやモーターを接続する前に、シミュレーション環境を活用することが推奨される。シミュレーションは、実際のハードウェアを損傷させるリスクなしに、ロボットの挙動をテストし、開発者の直感を養うための非常に効果的な手段だ。初心者には、TurtleBot3 Gazeboワールドのようなシミュレーション環境が適している。ここで、例えばros2 topic pub /cmd_vel geometry_msgs/Twist "{linear: {x: 0.1}, angular: {z: 0.1}}"のようなコマンドを使ってロボットに速度コマンドを送信したり、ライダー(Lidar)スキャンデータを閲覧したり、ナビゲーションスタックをテストしたりできる。シミュレーションは、時間とコストを節約しながら、安全かつ効率的にロボットの挙動を学習し、検証するために極めて有効である。

最後に、これまでに作成した自身のC++ライブラリをROS2パッケージに統合するステップに進む。例えば、以前に開発したSensorFusionクラスがある場合、それをROS2ノードの内部でラップし、ament_cmakeビルドシステムと連携させて、シミュレートされたセンサーデータに対してテストを行う。このアプローチは、基盤となるコアロジックをROS2の特定の機能から独立させて維持しつつ、それをロボットシステム内で利用可能にするための方法である。これにより、将来的に他のプロジェクトやフレームワークでも再利用可能な、汎用性の高いコードを作成する能力が身につく。

このような段階的な学習ロードマップに従うことで、C++の基礎を理解し、CMakeでモジュール化されたプロジェクトを構築し、CLIスキルでROS2環境を効率的に操作し、ROS2のコア機能であるトピック、ノード、メッセージを習得し、シミュレーションで安全に検証し、そして最終的に自身のライブラリをROS2に統合するという、論理的で体系的な学習を進めることができる。ソフトウェアエンジニアリングの基本とROS2特有の機能を明確に区別して学ぶことで、問題が発生した際にどこに原因があるかを正確に特定できるようになり、「動くまで闇雲にコピペする」のではなく、ロボティクスソフトウェアがどのように構築されているかを真に理解することにつながる。ROS2の学習は、適切なステップを踏むことで、最初の混乱状態から自信を持って開発を進められる状態へと着実に移行するだろう。まずは小さなことから始め、強固な基礎を築くことが、ロボットに生命を吹き込むための重要な出発点となる。

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