【ITニュース解説】Managing Multiple Xcode Versions with Xcodes.app

2025年09月07日に「Dev.to」が公開したITニュース「Managing Multiple Xcode Versions with Xcodes.app」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

macOSアプリ「Xcodes.app」は、複数のXcodeバージョンを管理するツールだ。アプリ開発で必要な安定版やベータ版など、様々なバージョンを簡単にインストールし、切り替えられる。コマンドラインで使うデフォルトバージョンの設定もボタン一つで完了する。

ITニュース解説

Apple製品向けのアプリケーション開発に不可欠な統合開発環境(IDE)がXcodeである。iPhoneアプリやMacアプリを開発する上で、このXcodeは全ての基本となるツールだ。Appleは、iOSやmacOSといったOSのアップデートに合わせて、Xcodeの新しいバージョンを頻繁にリリースする。最新のOSが提供する新機能を利用したり、最新のプログラミング言語仕様に対応したりするためには、開発者も常に新しいXcodeへ追従していく必要がある。しかし、開発の現場では、常に最新バージョンだけを使っていれば良いというわけではない。例えば、古いバージョンのOSをサポートする必要があるアプリケーションのメンテナンスを行う場合や、特定のXcodeバージョンでしか動作しないライブラリを使用しているプロジェクトを扱う場合など、過去のXcodeバージョンが必要になる場面は少なくない。また、正式リリース前のベータ版を試して新機能を先行して学習したり、自社のアプリが次期OSで問題なく動作するかを事前にテストしたりすることもあるだろう。このように、一人の開発者が自身のMacに安定版、ベータ版、そして複数の旧バージョンといった、異なるバージョンのXcodeを複数インストールして管理することは、ごく一般的な状況である。しかし、これらのバージョンを手動で管理するのは非常に手間がかかる作業だ。Appleのデベロッパーサイトから巨大なファイルを個別にダウンロードし、手動で展開・配置し、さらに必要に応じて使用するバージョンを切り替えるという一連のプロセスは、時間もかかり、ミスも起こりやすい。

こうしたXcodeのバージョン管理にまつわる煩雑さを解決するために開発されたのが、「Xcodes.app」というmacOS向けのアプリケーションである。このツールは、複数のXcodeバージョンを驚くほど簡単にインストールし、管理・切り替えができるように設計されている。まず、利用を開始するには、公式サイトである「xcodes.app」にアクセスし、アプリケーション本体をダウンロードする。ダウンロードしたzipファイルを展開し、中にある「Xcodes.app」をアプリケーションフォルダに移動させればインストールは完了だ。開発元がAppleではないサードパーティ製アプリであるため、初回起動時にはmacOSのセキュリティ機能によって警告が表示されることがあるが、ここで「開く」を選択すれば問題なく起動できる。アプリを起動したら、次に推奨されるのがApple Developerアカウントでのサインインである。これは必須ではないが、特にベータ版のXcodeなど、一部のバージョンはダウンロードにApple IDでの認証を必要とするため、あらかじめアプリの設定画面からサインインを済ませておくと、後々のインストールがスムーズに進む。

Xcodes.appの真価は、その簡単なインストールプロセスにある。アプリのメイン画面には、インストール可能なXcodeのバージョンが、安定版、ベータ版、過去のバージョンといったカテゴリに分けられて一覧表示される。開発者はこのリストの中から必要なバージョンを見つけ、その横にある「Install」ボタンをクリックするだけだ。あとはXcodes.appが、巨大なファイルのダウンロードから展開、適切な場所への配置まで、全ての処理を自動的に行ってくれる。従来のように、ブラウザでデベロッパーサイトを開き、目的のバージョンを探し出し、数ギガバイトにもなるファイルをダウンロードし、ダウンロード完了後に手動で展開してリネームするといった一連の面倒な手順から解放される。これにより、開発者は本来集中すべきプログラミング作業に多くの時間を割くことができるようになる。

複数のXcodeをインストールした後、さらに重要になるのが、それらをどう使い分けるかという点だ。特に、ターミナルのようなコマンドライン環境で開発ツールを使用する場合、「現在、どのバージョンのXcodeを標準として使うか」をシステムに明示的に設定する必要がある。macOSにはこの設定を管理するための「xcode-select」というコマンドラインツールが用意されている。例えば、ターミナルで swift コマンドを実行してプログラムをコンパイルしたり、xcodebuild コマンドでアプリのビルドを自動化したりする際には、この xcode-select によって指定されたバージョンのXcodeに含まれるツール群が呼び出される。通常、この設定を変更するには、sudo xcode-select --switch /Applications/Xcode_15.3.app のように、管理者権限でコマンドを実行し、切り替えたいXcodeアプリケーションの正確なパスを指定する必要がある。この方法は、コマンドの記述を誤るリスクがあるほか、初心者にとってはややハードルが高い。ここでXcodes.appの「Make Active」機能が大きな力を発揮する。インストール済みのXcodeバージョンの一覧から、デフォルトとして使用したいバージョンの横にある「Make Active」ボタンをクリックする。たったこれだけの操作で、Xcodes.appが裏側で複雑な xcode-select コマンドを正確に実行してくれるのだ。これにより、開発者はコマンドを覚える必要も、ターミナルでエラーと格闘する必要もなく、直感的なGUI操作だけで、コマンドライン環境が参照するXcodeのバージョンを安全かつ迅速に切り替えることが可能になる。この機能は、個人の開発環境だけでなく、Fastlaneなどのビルド自動化ツールや、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインなど、スクリプトベースで動作する様々な開発プロセスにおいても、正しいXcodeバージョンが使われることを保証する上で極めて重要である。

結論として、Xcodes.appは、複数のXcodeバージョンを扱う必要がある全てのAppleプラットフォーム開発者にとって、開発環境の構築と管理の手間を劇的に削減する、非常に価値のあるツールだ。煩雑な手作業を自動化し、バージョン切り替えをワンクリックで実現することで、開発者はより創造的な作業に集中できるようになる。特に、これからシステムエンジニアやアプリケーション開発者を目指す初心者にとっては、環境構築の複雑さという最初の壁を取り払い、スムーズに学習を始めるための強力な味方となるだろう。

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