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Google Public DNS(グーグル パブリック ディーエヌエス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

Google Public DNS(グーグル パブリック ディーエヌエス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

グーグル パブリック DNS (グーグル パブリック DNS)

英語表記

Google Public DNS (グーグル パブリック ディーエヌエス)

用語解説

Google Public DNSとは、Googleが提供する無料の公開DNS(Domain Name System)解決サービスである。インターネットを利用する際に、ウェブサイトのアドレスであるドメイン名(例: www.example.com)を、コンピュータが理解できるIPアドレス(例: 192.0.2.1)に変換する役割を持つのがDNSであり、Google Public DNSはそのDNSサーバーの一種である。一般的にユーザーはインターネットサービスプロバイダ(ISP)が提供するDNSサーバーを利用するが、Google Public DNSは誰でも自由に設定して利用でき、より高速で安全、そして信頼性の高い名前解決を提供することを目指して設計されている。

DNSの基本的な仕組みを理解することは、Google Public DNSの価値を理解する上で不可欠である。インターネット上のデバイスが互いに通信するためにはIPアドレスが必要だが、人間にとっては「www.google.com」のようなドメイン名の方が覚えやすい。ユーザーがブラウザにドメイン名を入力すると、そのリクエストはまず設定されているDNSサーバーに送られる。DNSサーバーは、そのドメイン名に対応するIPアドレスを問い合わせ、見つかったIPアドレスをユーザーのコンピュータに返す。これにより、コンピュータは目的のサーバーに接続し、ウェブサイトの情報を取得できるようになる。この一連のドメイン名とIPアドレスの変換処理を「名前解決」と呼ぶ。

Google Public DNSが提供される主な理由には、名前解決の速度向上、セキュリティの強化、そして信頼性の高いサービス提供がある。多くのISPが提供するDNSサーバーは、地理的な位置やインフラの規模によっては応答が遅かったり、障害が発生しやすい場合がある。また、DNSの仕組み自体が抱えるセキュリティ上の脆弱性を突いた攻撃、例えばDNSキャッシュポイズニングのようなリスクも存在する。Google Public DNSは、これらの課題を解決するために、世界中に分散配置された大規模なインフラと先進的な技術を活用している。

詳細として、Google Public DNSの主な特徴とそれがもたらす利点を具体的に見ていく。

まず、速度とパフォーマンス向上についてである。Google Public DNSは、Googleが保有する世界規模のネットワークインフラ上に構築されており、そのサーバーはAnycastルーティングという技術を用いて展開されている。Anycastルーティングとは、複数の物理的なサーバーが同じIPアドレスを共有し、ユーザーからのリクエストに対して最も地理的に近い、あるいはネットワーク的に最適なサーバーが応答する仕組みである。これにより、ユーザーは高速な名前解決を体験でき、ウェブサイトの表示速度の向上に貢献する。また、Googleは効率的なキャッシュ管理と、DNSレコードのプリフェッチ(先読み)など、様々な最適化技術を導入しており、これによりさらなる高速化を実現している。

次に、セキュリティ強化の側面である。Google Public DNSは、DNSSEC(DNS Security Extensions)の検証を標準でサポートしている。DNSSECは、DNSの応答が改ざんされていないこと、すなわち正規のサーバーから送信されたものであることを暗号技術を用いて検証する仕組みである。これにより、中間者攻撃(Man-in-the-Middle Attack)などによるDNSキャッシュポイズニングといった攻撃を防ぎ、ユーザーが悪意のある偽サイトに誘導されるリスクを低減する。Google Public DNSは、DNSSECレコードが設定されているドメインに対しては常に検証を行い、不正な応答が検出された場合にはそれを破棄することで、セキュリティを強化している。さらに、DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃に対する強力な防御機構も備えており、サービスの安定稼働を維持している。

信頼性と可用性も重要な特徴である。Google Public DNSは、冗長性の高い設計と、世界中の多数のデータセンターに分散配置されたサーバー群によって、非常に高い可用性を実現している。特定のサーバーや地域で障害が発生しても、他のサーバーが自動的に処理を引き継ぐため、サービスが停止するリスクは極めて低い。これにより、ユーザーは安定してインターネットアクセスを維持できる。

プライバシーへの配慮も考慮されている。Googleは、ユーザーのクエリログに関して、個人を特定できない形で匿名化し、一時的に保存するポリシーを公開している。これにより、ユーザーのDNSクエリ情報が個人に紐付けられて悪用されることを防ぎ、プライバシーを保護しようと努めている。

Google Public DNSの利用方法は非常に簡単である。ルーターやパソコン、スマートフォンのネットワーク設定画面で、DNSサーバーのアドレスを手動で変更するだけである。IPv4アドレスとしては、プライマリDNSサーバーに「8.8.8.8」、セカンダリDNSサーバーに「8.8.4.4」を設定する。IPv6アドレスを利用する場合は、プライマリDNSサーバーに「2001:4860:4860::8888」、セカンダリDNSサーバーに「2001:4860:4860::8844」を設定する。これらのアドレスは覚えやすく、広く知られている。

Google Public DNSを利用するメリットは、前述の高速化、セキュリティ強化、そして安定性に加えて、特定の地域やISPのネットワーク環境に依存せずに、一貫した高品質のDNSサービスを受けられる点にある。しかし、デメリットも存在する。Googleのインフラに依存することになるため、Googleのサービス全体に障害が発生した際には影響を受ける可能性がある。また、場合によっては特定のISPが提供するDNSサーバーの方が、地理的・ネットワーク的に近い場所にあり、より高速な応答が得られるケースもごく稀にある。そのため、Google Public DNSへの切り替えがすべてのユーザーにとって最適な選択とは限らないが、多くの環境でその恩恵を享受できる可能性は高い。システムエンジニアを目指す初心者にとって、このような公開DNSサービスを理解し、適切に利用することは、ネットワークの基本的な仕組みとセキュリティに対する理解を深める上で非常に有益である。

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