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【ITニュース解説】DNS: How It Works with Practical Examples

2025年09月15日に「Dev.to」が公開したITニュース「DNS: How It Works with Practical Examples」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

DNSは、Webサイト名(ドメイン名)をIPアドレスに変換し、インターネット接続を支える。階層構造で管理され、AレコードやMXレコードなどで情報が定義される。クエリはキャッシュを使って効率的に解決され、`dig`コマンドで仕組みを試せる。DNSSECはセキュリティを高める。

出典: DNS: How It Works with Practical Examples | Dev.to公開日:

ITニュース解説

インターネットの仕組みを支える重要な技術の一つに、ドメインネームシステム(DNS)がある。これは、人間にとって読みやすい「ドメイン名」(例:google.com)を、コンピューターが通信に使う「IPアドレス」(例:192.0.2.1)に変換する役割を担っている。例えるなら、膨大な情報を持つインターネットの「電話帳」のような存在だ。もしDNSが存在しなければ、ウェブサイトにアクセスするたびに、数字の羅列であるIPアドレスを直接入力しなければならず、利便性は著しく低下するだろう。

このDNSは、階層的なツリー構造でドメイン名を管理している。一番上には「ルートドメイン」(.)があり、その下に「トップレベルドメイン(TLD)」(.com、.org、.jpなど)が続く。さらにその下には「セカンドレベルドメイン」(example.com)があり、必要に応じて「サブドメイン」(www.example.com、blog.example.comなど)が作られる。この階層構造によって、ドメイン名の管理が分担されている。一番上のルートドメインはICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)という組織が管理し、TLDは各レジストリが、そしてセカンドレベルドメイン以下は、ユーザーがドメイン登録事業者(レジストラ)を通じて取得し、管理する形になる。このように分担されているため、世界中の膨大なドメイン名が効率的に管理されている。

DNSには、ドメイン名に関するさまざまな情報を格納するための「レコードタイプ」が存在する。代表的なものには、以下のような種類がある。まず、「Aレコード」は、ドメイン名をIPv4アドレス(例:192.0.2.1)に紐付ける最も基本的なレコードである。「AAAAレコード」は、IPv6アドレス(例:2001:db8::1)に紐付けるために使われる。次に「CNAMEレコード」は、あるドメイン名を別のドメイン名に対する「エイリアス(別名)」として設定する。これにより、複数のドメイン名で同じウェブサーバーを参照できる。例えば、www.example.comをexample.comに転送する場合などに利用される。IPアドレスを直接指定するAレコードとは異なり、CNAMEレコードはIPアドレスを隠蔽し、柔軟な運用を可能にする。「MXレコード」は、そのドメイン宛のメールがどのメールサーバーに送られるべきかを指定する。「TXTレコード」は、任意のテキスト情報を格納するもので、ドメインの所有権確認やメール送信元の認証(SPFレコードなど)によく利用される。「NSレコード」は、そのドメインの情報を管理するネームサーバー(権威ネームサーバー)を指し示す役割を持つ。

ウェブサイトにアクセスする際のDNSクエリは、いくつかの段階を経て行われる。まず、ユーザーのデバイスやアプリケーション(ウェブブラウザなど)は、目的のドメイン名に対応するIPアドレスを解決しようとする。最初に、自身のローカルキャッシュ(ブラウザやOSの内部に一時的に保存された情報)を確認する。もし情報が見つからなければ、次に「リカーシブリゾルバ」と呼ばれるサーバー(通常はインターネットサービスプロバイダーのDNSサーバーなど)に問い合わせを行う。このリカーシブリゾルバは、最終的なIPアドレスを見つけるまで、以下のような一連の問い合わせを自動的に行ってくれる。

  1. リカーシブリゾルバはまず、「ルートネームサーバー」に、「.comドメインの情報を知っているサーバーはどこか」と尋ねる。
  2. ルートネームサーバーは、「.comの情報を管理するTLDネームサーバー」のアドレスを教える。
  3. リカーシブリゾルバは、次にそのTLDネームサーバーに、「github.comの情報を管理するサーバーはどこか」と尋ねる。
  4. TLDネームサーバーは、「github.comの情報を管理する権威ネームサーバー」のアドレスを教える。
  5. 最後に、リカーシブリゾルバは、その権威ネームサーバーに、「github.comのIPアドレスは何か」と尋ねる。
  6. 権威ネームサーバーは、github.comのAレコードに記録されているIPアドレス(例:140.82.114.3)を応答する。

この最終的なIPアドレスがリカーシブリゾルバからユーザーのデバイスに返され、通信が開始される。この一連のやり取りをリカーシブリゾルバがすべて代行してくれるため、ユーザーは複雑な手順を意識する必要がない。

DNSクエリが高速に行われるために重要なのが「DNSキャッシュ」の仕組みである。一度解決したドメイン名とIPアドレスの対応関係は、一時的に各所で保存される。これには、ブラウザやOS内のキャッシュ、そしてリカーシブリゾルバ内のキャッシュなどがある。これにより、同じドメイン名への再度のアクセス時には、わざわざ上記の一連の問い合わせを繰り返すことなく、キャッシュから素早くIPアドレスを取得できる。キャッシュが保持される期間は、DNSレコードに設定されている「TTL(Time To Live)」という値によって決まる。TTLが短いほどキャッシュは早く期限切れとなり、常に最新の情報に更新されるが、問い合わせの頻度は増える。逆にTTLが長いほどキャッシュは長く保持され、問い合わせの頻度は減るが、情報の更新が反映されるまでに時間がかかる可能性がある。

システムエンジニアとしてDNSの問題に直面した場合、そのデバッグ方法は重要だ。よくある問題としては、DNSレコードの設定ミス、DNS情報の伝播遅延、またはキャッシュによる古い情報の参照などがある。「dig」や「nslookup」といったコマンドラインツールを使えば、特定のドメインの特定のレコード情報を問い合わせたり、特定のDNSサーバーに直接問い合わせたりできる。例えば、ドメインが正しく解決できない場合、これらのツールを使ってGoogle Public DNSのような信頼できる外部のDNSサーバーに問い合わせることで、問題の切り分けが可能となる。また、レコードの変更がインターネット全体に反映されるまでには、TTLの設定にもよるが、最大48時間程度の「伝播遅延」が発生することがあるため、注意が必要だ。

さらに、DNSのセキュリティも重要な考慮事項である。「DNSSEC(DNS Security Extensions)」は、DNSレコードにデジタル署名を追加することで、DNS応答の改ざんや偽装を防ぎ、セキュリティを強化する技術である。これにより、悪意のある攻撃者が偽のIPアドレスを応答する「DNSスプーフィング」や「マン・イン・ザ・ミドル攻撃」からユーザーを保護できる。DNSSECは、ルートゾーンから始まり、TLD、セカンドレベルドメインへと信頼の連鎖を構築し、DNS情報の正当性を検証する。

このように、DNSはインターネットの基盤を支える複雑ながらも不可欠なシステムである。その基本的な仕組み、階層構造、レコードタイプ、クエリの流れ、そしてキャッシュやセキュリティの側面を理解することは、信頼性の高いアプリケーション開発やネットワークトラブルシューティング、そして安全なサービス運用を行う上で非常に重要となる。Pythonのライブラリ「dnspython」などを使えば、自分自身で簡単なDNSリゾルバを構築することも可能であり、DNSの動作原理をより深く学ぶことができる。

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