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HAProxy(エイチエープロキシ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

HAProxy(エイチエープロキシ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

エイチエープロキシ (エイチエープロキシ)

英語表記

HAProxy (エイチエープロキシ)

用語解説

HAProxyは、オープンソースで開発されている非常に高性能なソフトウェアであり、主にリバースプロキシおよびロードバランサーとしての機能を提供する。現代のWebシステムにおいて、高い可用性、信頼性、そしてパフォーマンスを確保するために広く利用されている。その名前は High Availability Proxy の略称に由来しており、システムの安定稼働を支える重要な役割を担う。主な目的は、サーバーへのアクセス、すなわちトラフィックを複数のサーバーに効率的に分散させることにある。これにより、特定のサーバーに負荷が集中して性能が低下したり、サービスが停止したりする事態を防ぎ、システム全体として安定した応答性能を維持することが可能になる。また、プロキシとしてクライアントとサーバーの間に介在することで、セキュリティの向上や通信の効率化にも貢献する。その動作は非常に高速かつ軽量であり、少ないリソースで大量のトラフィックを処理できるため、小規模なサイトから世界的な大規模サービスまで、様々な環境で採用されている実績がある。

HAProxyの最も中心的な機能はロードバランシングである。これは負荷分散とも呼ばれ、クライアントから送られてくる多数のリクエストを、あらかじめ設定された複数のバックエンドサーバーに振り分ける仕組みである。例えば、あるWebサイトが3台のサーバーで運用されている場合、HAProxyは受け取ったリクエストをこれら3台のサーバーに均等、あるいは設定されたルールに基づいて割り振る。この振り分け方にはいくつかのアルゴリズムがあり、単純に順番に割り振る「ラウンドロビン」、現在接続数が最も少ないサーバーに割り振る「リーストコネクション」、送信元のIPアドレスに基づいて常に同じサーバーに割り振る「ソースハッシング」など、システムの要件に応じて最適な方式を選択できる。この機能により、サーバー1台あたりの負荷が軽減され、システム全体の処理能力が向上する。

システムの可用性を高める上で不可欠なのがヘルスチェック機能である。HAProxyは、負荷分散の対象となっているバックエンドサーバーが正常に稼働しているかを定期的に監視する。具体的には、サーバーに対して特定のポートへの接続試行や、特定のURLへのリクエスト送信を行い、正常な応答が返ってくるかを確認する。もし、いずれかのサーバーが故障やメンテナンスなどで応答しなくなった場合、HAProxyはそのサーバーを異常と判断し、自動的に振り分け対象から除外する。そして、そのサーバーが復旧して再び正常な応答を返すようになると、自動で振り分け対象に復帰させる。これにより、ユーザーは一部のサーバーに障害が発生していることに気づくことなく、サービスを継続して利用できる。

また、HAProxyはリバースプロキシとしても機能する。クライアントからのリクエストを直接バックエンドサーバーに送るのではなく、一旦HAProxyが代理で受け取り、内部の適切なサーバーへ転送する。この構成により、バックエンドサーバーのIPアドレスといった内部情報を外部から隠蔽できるため、セキュリティが向上する。さらに、SSL/TLS終端と呼ばれる機能も重要である。これは、クライアントとHAProxy間の通信を暗号化(HTTPS)し、HAProxyとバックエンドサーバー間の通信は暗号化しない(HTTP)で行う方式である。暗号化と復号の処理はサーバーにとって負荷が高いため、この処理を専門のHAProxyに集約させることで、バックエンドサーバーの負荷を軽減し、アプリケーション本来の処理に専念させることができる。

HAProxyは、通信プロトコルの階層において、TCPレベル(レイヤー4)とHTTPレベル(レイヤー7)の両方で動作することができる点も大きな特徴である。レイヤー4のロードバランサーとして動作する場合、IPアドレスとポート番号のみを見て通信を転送するため、非常に高速に動作する。これはWebサーバーだけでなく、データベースなど様々なTCP通信の負荷分散に応用できる。一方、レイヤー7のロードバランサーとして動作する場合は、HTTPヘッダやURLパス、クッキーといった、よりアプリケーションに近い情報の内容を解析し、それに基づいた高度な振り分け制御が可能になる。例えば、URLが「/images/」で始まるリクエストは画像配信用サーバーへ、「/api/」で始まるリクエストはAPIサーバーへ、といった柔軟なルーティングを実現できる。これらの動作は、haproxy.cfg という単一のテキスト設定ファイルによって定義され、直感的でありながら非常に強力な制御を記述できる。この高い性能、信頼性、そして柔軟性が、HAProxyをシステムエンジニアにとって不可欠なツールの一つにしている。

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