HTTPリクエストヘッダ(エイチティーティーピー リクエスト ヘッダ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
HTTPリクエストヘッダ(エイチティーティーピー リクエスト ヘッダ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
HTTPリクエストヘッダ (エッチティーティーピー リクエストヘッダー)
英語表記
HTTP request header (エイチティーティーピー リクエスト ヘッダー)
用語解説
HTTPリクエストヘッダは、WebブラウザなどのクライアントがWebサーバーに情報を要求する際に送信する、HTTPリクエストメッセージの一部である。これは、リクエストに関する付加的な情報、すなわちメタデータを格納するための領域であり、クライアントとサーバー間の円滑な通信を実現するために不可欠な役割を担っている。HTTPリクエストは、リクエストのメソッドや対象リソースのパスを示す「リクエストライン」、このリクエストヘッダを含む「ヘッダ」、そして必要に応じて送信されるデータ本体である「ボディ」の3つの部分から構成される。HTTPリクエストヘッダは、この2番目の部分に位置し、クライアント自身の情報や、サーバーにどのような形式の応答を期待しているかといった、さまざまな情報を伝える。サーバーはヘッダに記載された情報を読み取ることで、リクエストの意図を正確に理解し、クライアントの状況や要求に応じた最適なレスポンスを生成することが可能となる。
HTTPリクエストヘッダは、「ヘッダフィールド名: 値」という形式のテキストデータが複数行にわたって記述される形で構成されている。各行が一つのヘッダフィールドを表し、コロンでフィールド名と値を区切る。以下に、主要なヘッダフィールドとその役割について詳述する。
まず「Host」ヘッダは、リクエストの送信先であるサーバーのホスト名とポート番号を指定する。HTTP/1.1以降では必須のヘッダであり、現代のWebにおいて極めて重要である。これは、一つのIPアドレスで複数のドメイン名のWebサイトを運用する「仮想ホスティング」という技術が広く使われているためだ。サーバーは受信したリクエストのHostヘッダを見ることで、どのWebサイトへのアクセスなのかを正確に判断する。
次に「User-Agent」ヘッダは、リクエストを送信しているクライアントのソフトウェア情報をサーバーに伝える。具体的には、使用しているブラウザの種類やバージョン、OSの情報などが含まれる。サーバーはこの情報を利用して、特定のブラウザでのみ発生する問題への対処を行ったり、PC向けとスマートフォン向けで表示するWebページのデザインを切り替えたりする。
「Accept」ヘッダは、クライアントが受信して処理できるコンテンツの種類(メディアタイプ)を指定するために使用される。例えば、「text/html」はHTML文書、「image/jpeg」はJPEG画像、「application/json」はJSON形式のデータを示し、複数の種類を優先度順に指定することもできる。サーバーはAcceptヘッダを確認し、クライアントが解釈できる形式でレスポンスを返す。
言語に関する指定を行うのが「Accept-Language」ヘッダである。クライアントが理解できる自然言語を優先度順に指定する。例えば、「ja-JP, en-US」と指定されていれば、日本語を優先し、それが利用できなければアメリカ英語のコンテンツを要求するという意味になる。多言語対応のWebサイトでは、このヘッダを見て表示言語を自動的に切り替える。
データの転送効率を高めるためには「Accept-Encoding」ヘッダが用いられる。これは、クライアントが解読できるコンテンツの圧縮形式を指定するもので、「gzip」や「br」といった形式が一般的である。サーバーがこのヘッダで指定された形式でコンテンツを圧縮して送信することで、データ転送量を削減し、Webページの表示速度を向上させることができる。
認証が要求されるリソースにアクセスする際には「Authorization」ヘッダが使用される。ここには、クライアントの認証情報が含まれる。例えば、Basic認証ではユーザー名とパスワードをエンコードした文字列が、OAuth 2.0などではアクセストークンがこのヘッダを通じてサーバーに送信され、アクセス権の確認が行われる。
状態管理に欠かせないのが「Cookie」ヘッダである。以前にサーバーから発行され、クライアント側に保存されていたCookie情報をサーバーに送り返すために使われる。これにより、サーバーはクライアントを識別し、ログイン状態の維持やショッピングカートの内容の保持といった、セッション管理を実現している。
POSTやPUTメソッドのように、リクエストにボディ部分が含まれる場合、「Content-Type」ヘッダと「Content-Length」ヘッダが重要になる。Content-Typeは、リクエストボディに含まれるデータのメディアタイプを指定する。Webフォームの送信では「application/x-www-form-urlencoded」、API通信では「application/json」などがよく利用される。Content-Lengthは、リクエストボディのデータサイズをバイト単位で示す。サーバーはこれらの情報をもとに、リクエストボディを正しく解釈する。
これらのヘッダフィールドは、Webアプリケーションの動作やAPIの仕様を定義する上で中心的な役割を果たしている。システムエンジニアやWeb開発者は、ブラウザの開発者ツールなどを利用して実際に送受信されているヘッダの内容を確認し、システムのデバッグやパフォーマンスチューニング、セキュリティ対策に役立てる。HTTPリクエストヘッダの仕組みを理解することは、Webシステムの内部動作を深く把握するための基礎知識となる。