gzip(ジジップ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

gzip(ジジップ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

gzip (グジップ)

英語表記

gzip (グジップ)

用語解説

gzipは、ファイル圧縮形式の一つであり、同時にその圧縮・解凍を行うソフトウェア(コマンド)の名称でもある。主にLinuxやmacOSなどのUNIX系OSで標準的に利用されており、Webサーバからファイルを配信する際など、様々な場面で活躍する。

gzipの概要を説明する。gzipは、DEFLATEという圧縮アルゴリズムを基にしている。DEFLATEは、LZ77とハフマン符号化という二つの技術を組み合わせたもので、データ内の重複パターンを見つけて圧縮効率を高める。gzipは、このDEFLATEアルゴリズムを用いることで、テキストファイルやソースコードなど、冗長性の高いデータを効率的に圧縮できる。圧縮率はファイルの種類によって異なるが、一般的には50%から90%程度の圧縮効果が期待できる。

gzipは、単一のファイルを圧縮することを目的としている。複数のファイルをまとめて圧縮する場合は、まずtarコマンドなどを用いて一つのアーカイブファイルにまとめ、そのアーカイブファイルをgzipで圧縮するのが一般的だ。このように、tarとgzipを組み合わせることで、ディレクトリ構造を保持したまま効率的にファイルを圧縮・アーカイブすることが可能になる。拡張子は「.gz」が用いられることが多い。

gzipの具体的な使用方法について説明する。LinuxやmacOSなどの環境では、ターミナルからgzipコマンドを直接実行できる。例えば、「gzip ファイル名」と入力すると、指定したファイルが圧縮され、「ファイル名.gz」という圧縮ファイルが生成される。元のファイルはデフォルトで削除されるが、オプションを指定することで元のファイルを残すことも可能だ。

圧縮されたファイルを解凍するには、「gzip -d ファイル名.gz」または「gunzip ファイル名.gz」というコマンドを使用する。これにより、「ファイル名」という解凍されたファイルが生成される。gzipコマンドには様々なオプションがあり、圧縮レベルの調整や、既存のファイルを上書きするかどうかの設定などが可能である。圧縮レベルは1から9までの数字で指定でき、1が最も高速で圧縮率が低く、9が最も低速で圧縮率が高い。通常はデフォルトのレベル(6)が用いられることが多い。

Webサーバにおけるgzipの利用について説明する。Webサーバは、Webブラウザからのリクエストに応じてHTMLファイル、CSSファイル、JavaScriptファイルなどの様々なリソースを送信する。これらのファイルをgzipで圧縮してから送信することで、ネットワーク帯域幅を節約し、Webページの表示速度を向上させることができる。Webサーバの設定でgzip圧縮を有効にすると、クライアント(Webブラウザ)がgzipに対応している場合、自動的に圧縮されたファイルが送信される。クライアントがgzipに対応していない場合は、圧縮されていないファイルが送信されるため、互換性の問題は発生しない。

gzipは、HTTPヘッダのContent-Encodingフィールドを用いて、圧縮されたデータの種類をクライアントに通知する。これにより、クライアントは受信したデータがgzipで圧縮されていることを認識し、適切に解凍して表示することができる。gzip圧縮は、Webサイトのパフォーマンス改善に非常に有効な手段であり、多くのWebサイトで採用されている。

gzipは、データのバックアップやアーカイブにも利用される。大きなファイルを圧縮することで、ストレージ容量を節約し、データの転送時間を短縮することができる。特に、ログファイルやデータベースのバックアップなど、大量のデータを扱う場合にgzipは非常に有効である。

gzipは、オープンソースのソフトウェアであり、誰でも無料で利用できる。また、様々なプログラミング言語でgzipを扱うためのライブラリが提供されており、プログラムからgzip圧縮・解凍を行うことも容易である。例えば、Pythonではgzipモジュール、Javaではjava.util.zipパッケージなどが利用できる。これらのライブラリを用いることで、アプリケーションにgzip圧縮・解凍機能を組み込むことができる。

gzipは、シンプルでありながら強力な圧縮ツールであり、システムエンジニアにとって必須の知識と言える。ファイルの圧縮・解凍だけでなく、Webサーバのパフォーマンス改善やデータのバックアップなど、様々な場面で活用できるため、その基本的な使い方を理解しておくことは非常に重要である。

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