NVARCHAR(エヌバッチャー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
NVARCHAR(エヌバッチャー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
可変長Unicode文字列型 (カヘンチョウユニコード文字列ガタ)
英語表記
NVARCHAR (エヌバチャー)
用語解説
NVARCHARは、リレーショナルデータベースにおいて文字列データを格納するために用いられるデータ型の一つである。このデータ型の「N」は「National language character set」または「Unicode」を意味し、通常のVARCHAR型とは異なり、Unicode文字セットで文字列を扱うことができるという特徴を持つ。システムエンジニアを目指す上で、データベースにおける文字コードの扱いは非常に重要であり、NVARCHARの理解は多言語対応のアプリケーション開発において不可欠となる。
データベースで文字列を扱う際、通常はVARCHAR型やCHAR型が用いられるが、これらはデータベースのデフォルトの文字コード体系(例えば、日本語環境であればShift-JISやUTF-8など)に依存して文字列を格納する。そのため、異なる言語の文字が混在するデータを格納しようとすると、文字化けやデータ損失が発生するリスクがある。これに対しNVARCHARは、世界中のあらゆる文字を統一的に表現できる文字コードであるUnicodeに対応しているため、日本語、中国語、アラビア語、ヨーロッパ言語の特殊文字、さらには絵文字など、多種多様な文字を一つのフィールドに問題なく格納することが可能となる。これは、グローバルなアプリケーションを開発する際に極めて大きなメリットであり、国際化対応(i18n)を考慮したデータベース設計においては、NVARCHARの採用が推奨される。NVARCHARの定義は「NVARCHAR(n)」のように行い、括弧内の「n」は格納できる最大「文字数」を示す。これは、後述するVARCHAR型の多くが最大「バイト数」を指定するのとは異なる重要な点である。NVARCHARは可変長データ型であるため、指定した最大文字数の範囲内で、実際に格納される文字列の長さに応じて記憶領域が動的に確保されるため、記憶領域の無駄を抑えることができる。
詳細に入ると、NVARCHARがUnicodeに対応していることの具体的な意味を理解することが重要となる。Unicodeは、世界中の文字に一意の番号(コードポイント)を割り当てることで、異なる環境間での文字の互換性を保証する国際的な文字コード標準である。データベースシステムでNVARCHAR型が使われる場合、その内部的なエンコーディングは主にUTF-16が用いられることが多い(特にMicrosoft SQL Serverなど)。UTF-16では、ほとんどの文字が2バイトで表現されるが、一部の非常に稀な文字(いわゆるサロゲートペア)は4バイトを必要とする。NVARCHAR(n)の「n」は文字数を意味するため、データベースシステムは指定された文字数nを格納できる十分な領域を確保するよう動作する。例えば、NVARCHAR(100)という定義は、最大100文字を格納できることを意味し、一般的な文字であれば200バイト程度の記憶域を論理的に確保する。しかし、実際に消費される記憶域は格納された文字の数と種類に依存し、常に最大値が消費されるわけではない。
記憶域の観点では、NVARCHARは同じ文字数であればVARCHARよりも多くのバイトを消費する傾向がある。例えば、ASCII文字(半角英数字)のみを格納する場合、VARCHAR(100)でUTF-8エンコーディングを使用すれば100バイトを消費するのに対し、NVARCHAR(100)ではほとんどの場合200バイト程度の記憶域を必要とする。このため、純粋なASCII文字のみを大量に格納する場合には、NVARCHARを選択することで記憶域の使用量が増える可能性がある。しかし、日本語のようなマルチバイト文字をVARCHARで格納しようとすると、UTF-8であれば1文字あたり3バイト以上を消費することが多いため、VARCHAR(n)の「n」をバイト数で指定するシステムでは、格納したい文字数に対してより大きなバイト数を指定する必要がある。この点ではNVARCHARは「文字数」で指定できるため、直感的であり、多言語文字を扱う際にはVARCHARよりも管理が容易で、結果的にストレージ効率が良い場合も少なくない。
NVARCHARを利用する上で特に注意すべき点は、SQL文で文字列リテラルを扱う際に「N」プレフィックスを付ける必要があることである。例えば、INSERT INTO SomeTable (ColumnName) VALUES ('日本語のテキスト'); のように記述すると、データベースはデフォルトの非Unicodeエンコーディングでこの文字列を解釈しようとするため、意図しない文字化けやデータ破損が発生する可能性がある。これを防ぐためには、INSERT INTO SomeTable (ColumnName) VALUES (N'日本語のテキスト'); のように、文字列の前に大文字の「N」を付ける必要がある。この「N」プレフィックスは、その文字列リテラルがUnicodeとして扱われるべきであることをデータベースに明示する指示となる。
また、非常に長いテキストデータを格納したい場合には、NVARCHAR(MAX)というオプションが提供されるデータベースシステムもある。これは、実質的に長さの上限がないNVARCHAR型として機能し、記事本文や詳細な商品説明など、大量のテキストを柔軟に格納する必要がある場合に有用である。ただし、NVARCHAR(MAX)型は通常のNVARCHAR型とは内部的な記憶方法やインデックスの制約が異なる場合があるため、使用するデータベースシステムのドキュメントを確認することが重要である。
データ型変換も考慮すべき点である。VARCHARとNVARCHARの間でデータをやり取りする際には、暗黙的または明示的な型変換が発生する。この変換処理はパフォーマンスに影響を与える可能性があり、特にNVARCHARのUnicode文字を非UnicodeのVARCHAR型に変換する際には、VARCHAR型がサポートしない文字コードや文字が存在する場合、データが失われるリスクがある。そのため、データ型はアプリケーション全体のデータフローを考慮して一貫性を持たせることが望ましい。
システムエンジニアとしてデータベース設計に携わる際には、アプリケーションが将来的に多言語対応を必要とするかどうか、どの程度の長さの文字列を扱うか、そしてパフォーマンス要件がどうであるかを総合的に判断し、適切なデータ型としてNVARCHARを検討する必要がある。NVARCHARは多言語対応の強力な味方となる一方で、その特性を理解し適切に利用することが、安定したデータベース運用とアプリケーション開発に繋がる。