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OpenStack(オープンスタック)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

OpenStack(オープンスタック)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

オープンスタック (オープンスタック)

英語表記

OpenStack (オープンスタック)

用語解説

OpenStackは、企業が自社のデータセンター内に、パブリッククラウドサービスのような柔軟でスケーラブルなIT環境を構築するための、オープンソースのクラウドOSである。これは、仮想マシンやストレージ、ネットワークといったインフラリソースをソフトウェアで統合的に管理し、利用者がセルフサービスでオンデマンドに利用できるプライベートクラウド環境を実現する目的で開発された。Amazon Web Services (AWS) やMicrosoft Azureといった商用パブリッククラウドが提供する機能の一部を、自社所有のハードウェア上で実現するもので、ITリソースのプロビジョニングを迅速化し、運用コストを削減し、リソースの利用効率を向上させる。特定のベンダーに依存しないオープンなプラットフォームである点が最大の特徴であり、これにより企業のIT戦略に高い柔軟性と拡張性をもたらす。

OpenStackは、複数の独立したコンポーネント群から構成されており、これらが連携して包括的なクラウドインフラサービスを提供する。その主要なコンポーネントは以下の通りである。

まず、仮想サーバーを管理する「Nova (コンピュート)」は、OpenStackの中核をなすサービスであり、CPU、メモリ、ストレージといったコンピューティングリソースを抽象化し、仮想マシンの作成、起動、停止、削除といったライフサイクル管理を行う。利用者はNovaを通じて、必要なスペックの仮想マシンを迅速にデプロイできる。

次に、ディスクイメージを管理する「Glance (イメージサービス)」がある。これは仮想マシンを構築する際に使用するOSのテンプレートイメージ(LinuxディストリビューションやWindows Serverなど)を保管し、カタログ化する役割を担う。Glanceに登録されたイメージをNovaが利用し、仮想マシンを展開する仕組みだ。

ストレージサービスとしては、仮想マシンに永続的なブロックストレージを提供する「Cinder (ブロックストレージ)」と、大量の非構造化データを保存する「Swift (オブジェクトストレージ)」が存在する。Cinderは仮想ディスクのような形で仮想マシンに接続され、OSやアプリケーションのデータ保存に使用される。Swiftは、ウェブアプリケーションの静的コンテンツ、バックアップデータ、アーカイブデータなど、ファイル単位ではなくオブジェクトとしてデータを管理し、高い信頼性とスケーラビリティを提供する。

ネットワーク機能を提供する「Neutron (ネットワーク)」は、仮想ネットワークの構築と管理を担う。IPアドレスの割り当て、サブネットの作成、仮想ルーターの設定、ファイアウォールといったネットワーク関連のサービスを提供し、仮想マシン間の通信や外部ネットワークとの接続を制御する。これにより、複数の仮想マシンが独立した仮想ネットワーク上で動作できるようになる。

ユーザー認証とサービス認証を一元的に管理するのが「Keystone (アイデンティティサービス)」である。OpenStackのすべてのサービスはKeystoneを通じて認証され、ユーザーごとにアクセス権限を管理することで、セキュリティを確保する。

これらのサービスをウェブブラウザ上でグラフィカルに操作できる管理画面が「Horizon (ダッシュボード)」である。Horizonを通じて、ユーザーは仮想マシンの作成、ストレージの割り当て、ネットワークの設定など、OpenStackの多様なリソースを直感的に操作できる。

さらに、複数のリソースを連携させて自動的にデプロイする「Heat (オーケストレーション)」も重要なコンポーネントである。Heatはテンプレート定義ファイルに基づいて、仮想マシン、ネットワーク、ストレージといった複数のOpenStackリソースをまとめてプロビジョニングし、複雑なアプリケーション環境の構築を自動化する。

リソースの使用状況を監視・収集する「Ceilometer (メータリング/監視)」は、仮想マシンやストレージ、ネットワークなどの利用状況に関するデータを収集し、課金やリソースの最適化のための情報を提供する。

OpenStackを利用する主なメリットは、まずベンダーロックインを回避できる点にある。特定のハードウェアやソフトウェアベンダーに縛られず、様々なベンダーの製品を組み合わせてシステムを構築できるため、柔軟な選択肢とコスト削減が可能となる。また、オープンソースであるため、ライセンス費用がかからず、運用コストを抑えやすい。さらに、活発な開発コミュニティが存在し、継続的な機能改善とセキュリティ強化が行われている点も大きい。これにより、常に最新の技術動向に対応し、企業のニーズに合わせたカスタマイズも容易である。

一方で、OpenStackの導入と運用には専門的な知識とスキルが求められる。複数のコンポーネントが複雑に連携するため、設計、構築、トラブルシューティングには高度な技術力が必要となる。また、システムの規模が大きくなるほど、運用管理の負荷も増大する傾向がある。しかし、これらの課題に対しては、クラウドインテグレーションサービスの活用や、OpenStackに特化した運用ツール、ディストリビューションを利用することで対処可能である。システムエンジニアを目指す者にとって、OpenStackは現代のクラウドインフラを理解し、構築・運用するための基盤となる重要な技術であり、その仕組みと主要コンポーネントを学ぶことは、将来のキャリアにおいて大きな強みとなるだろう。

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