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RU/DU/CU(アールユー/ディーユー/シーユー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

RU/DU/CU(アールユー/ディーユー/シーユー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

無線ユニット/分散ユニット/中央ユニット (ムセンユニット/ブンサンユニット/チュウオウユニット)

英語表記

RU/DU/CU (アールユー/ディーユー/シーユー)

用語解説

RU/DU/CUは、第5世代移動通信システム(5G)において、基地局(gNB)の機能を物理的に分離し、柔軟性、拡張性、効率性を向上させるためのアーキテクチャである。従来の基地局はアンテナから基盤となるネットワーク(コアネットワーク)への接続まで、全ての機能を一体で担うことが一般的だったが、5Gが要求する超高速、超低遅延、多数同時接続といった多様なサービス要件に対応するため、基地局機能を無線処理、分散処理、中央処理の三つのコンポーネントに分割し、それぞれの役割を明確に定義している。この機能分離は、ネットワークの仮想化技術と組み合わせることで、通信事業者にとって運用効率の向上と新しいサービス展開の迅速化をもたらす重要な技術基盤となる。

この機能分離の背景には、従来の基地局が抱えていた課題がある。一体型の基地局は、電波の送受信を行うアンテナから、通信プロトコル処理、コアネットワークとの接続まで全ての機能を一つの装置内に持つため、設置場所の制約、消費電力の高さ、機能追加やアップグレードの難しさ、そして運用の複雑さといった問題があった。5Gは、さまざまな産業分野での活用が期待されており、それに伴い多様なサービス要件、例えば自動運転に求められる超低遅延や、IoTデバイスに求められる多数同時接続など、異なる特性を持つ通信が必要となる。これに柔軟に対応するためには、ネットワーク全体がよりプログラマブルで、仮想化された柔軟なインフラストラクチャへと進化する必要があった。そこで、基地局機能を分解し、それぞれのコンポーネントを独立して管理・配置できるようにするアーキテクチャとして、RU、DU、CUが考案されたのである。

RUはRadio Unitの略で、無線信号の送受信を担う最も物理的な部分である。これは基地局のアンテナと直結しており、電波を受信したり送信したりする役割を持つ。具体的には、受信したアナログ無線信号をデジタル信号に変換したり、送信するデジタル信号をアナログ無線信号に変換したりする、いわゆるアナログ・デジタル変換(ADC/DAC)や、高周波への周波数変換(アップコンバージョン/ダウンコンバージョン)を行う。また、通信における物理層(L1)の一部処理も担当する。RUは、基地局の最前線に位置し、電波の送受信を直接行うため、通常は鉄塔やビルの屋上など、通信エリアをカバーしやすい場所に設置される。DUとは光ファイバーなどの高速回線で接続される。

DUはDistributed Unitの略で、RUとCUの中間に位置するコンポーネントである。リアルタイム性が強く要求される無線処理の大部分を担当し、特に物理層(L1)の残りの部分とデータリンク層(L2)のメディアアクセス制御(MAC)層の処理を行う。具体的には、無線リソースのスケジューリング、誤り訂正符号化・復号化、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)といった機能がDUで実行される。これらの機能は、ユーザーへの効率的かつ信頼性の高いデータ伝送を実現するために不可欠である。DUは複数のRUを束ねて制御することが可能であり、ユーザーに近い場所に設置される「エッジ」環境や通信事業者の局舎内に配置されることが多い。これにより、リアルタイム処理の遅延を最小限に抑え、ユーザー体験の向上に貢献する。

CUはCentralized Unitの略で、ネットワーク全体の中央制御を担う最も上位のユニットである。データリンク層(L2)の残りの部分(RLC層、PDCP層)とネットワーク層(L3)の一部を処理する。CUの主な機能には、無線リソース管理(RRM)、モビリティ管理(ユーザーが移動しても通信が途切れないようにするハンドオーバー制御など)、接続管理、QoS(Quality of Service)制御、およびセキュリティ機能などが含まれる。CUはDUを束ねて制御し、さらに上位のコアネットワーク(5G Core)とのインターフェースを提供する役割も持つ。一般的には、汎用的なサーバー上でソフトウェアとして実装され、データセンターや広域の通信拠点に集約して配置されることが多い。仮想化技術(NFV/SDN)を活用することで、必要に応じて処理能力を柔軟に拡張・縮小できる点が大きな特徴である。

このRU/DU/CUアーキテクチャがもたらすメリットは多岐にわたる。まず、機能ごとに分離されているため、特定のコンポーネントだけをアップグレードしたり、異なるベンダーの機器を組み合わせたりすることが容易になり、ネットワーク構築の柔軟性が向上する。これはOpen RANといった、オープンな無線アクセスネットワークの推進にも寄与する。次に、トラフィックの増加に応じて、必要なDUやCUの処理能力を容易に増強できるため、拡張性が高い。特にCUは仮想化されているため、サーバーリソースの追加だけでスケールアウトが可能である。また、処理能力を集中させることで、リソースの利用効率が向上し、物理的な設置スペースや消費電力の最適化にも繋がる。DUをユーザーに近いエッジ側に配置することで、リアルタイム処理が必要な機能をエッジ側で実行し、データ転送の遅延を削減できる点も大きな利点である。これにより、自動運転や遠隔医療といった超低遅延が求められるサービスへの対応が可能となる。ネットワークの管理・運用も効率化され、新しいサービスの導入が迅速に行えるようになることも、通信事業者にとって重要なメリットとなる。

このように、RU/DU/CUは5Gネットワークの基盤を形成する重要な技術であり、今後の無線通信システムの進化において不可欠な要素である。システムエンジニアを目指す者にとって、これらの概念を深く理解することは、次世代ネットワークの設計、構築、運用といった多岐にわたる業務に携わる上で極めて重要となるだろう。

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