Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

Windows 8(ウィンドウズエイト)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

Windows 8(ウィンドウズエイト)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ウィンドウズ エイト (ウィンドウズ エイト)

英語表記

Windows 8 (ウィンドウズ エイト)

用語解説

Windows 8は、マイクロソフトが2012年10月にリリースしたパーソナルコンピュータ向けのオペレーティングシステムである。Windows 7の後継として開発され、特にタブレットやタッチスクリーンデバイスの普及を強く意識した設計が最大の特徴であり、ユーザーインターフェース(UI)が大幅に刷新されたことが大きな注目を集めた。従来のデスクトップ中心の操作性から、タッチ操作に最適化された新しいユーザー体験を提供しようと試みられた意欲的なOSであったが、この大きな変化は、これまでのWindowsユーザーに混乱をもたらす側面も持っていたため、賛否両論を巻き起こした。

Windows 8の最も特徴的な点は、従来のスタートメニューを廃止し、「スタートスクリーン」と呼ばれる新しいUIを導入したことにある。これは、旧称「Metro UI」や「Modern UI」と呼ばれたデザイン思想に基づき、タイル状のアイコンが並ぶインターフェースで構成され、メールの新着や天気予報など、情報がリアルタイムで更新される「ライブタイル」として表示される。このスタートスクリーンは、アプリケーションの起動や情報の確認を直感的に行えるように設計されており、特にタッチパネルでの操作がしやすいよう配慮されていた。一方で、従来のデスクトップ環境も引き続き提供されたものの、画面左下にあったスタートボタンが削除されたため、長年Windowsに慣れ親しんだユーザーにとっては、操作の起点が見えなくなり、戸惑いを覚える要因となった。画面の右端からスワイプまたはマウス操作で呼び出す「チャームバー」は、検索、共有、デバイス、設定といったシステム機能を一箇所にまとめる役割を担っていたが、これもまた新たな学習を必要とする操作であった。

パフォーマンス面では、起動時間の劇的な短縮が実現された。これは、「Hybrid Boot」と呼ばれる技術により、シャットダウン時にメモリの内容の一部をファイルに保存し、次回の起動時に高速に読み込むことで達成された。また、タスクマネージャーも刷新され、アプリケーションのCPUやメモリ使用状況をより詳細かつ分かりやすく表示できるようになったほか、起動時に自動実行されるプログラムの一覧表示と管理も容易になった。USB 3.0の標準サポートにより、対応デバイスとのデータ転送速度が向上したことも重要な機能強化点である。

新しいアプリケーションプラットフォームとして「Windowsストア」が導入された。これは、iOSのApp StoreやAndroidのGoogle Playストアと同様に、Windows向けのアプリケーションを一元的に配布・管理する場所であり、主にModern UIベースのアプリケーションが提供された。これにより、ユーザーは安全かつ手軽にアプリケーションを入手できるようになった。また、ビジネスユーザー向けには、USBメモリからOSを起動できる「Windows To Go」機能がProfessionalエディション以上に搭載され、企業のモバイルワーク環境の構築を支援した。

システムのリフレッシュとリセット機能も注目すべき改善点である。「PCのリフレッシュ」は個人ファイルを保持したままOSを再インストールし、「PCのリセット」は個人ファイルを完全に消去してOSを工場出荷時の状態に戻す機能で、システムトラブル時の回復作業を大幅に簡素化した。さらに、Windows 8 Pro以上では、クライアントHyper-Vが標準で搭載され、仮想環境を手軽に構築できるようになった。これにより、開発者やシステム管理者にとっては、Windows上で複数のOS環境を同時に動作させることが容易になった。ファイル履歴機能も導入され、指定したフォルダーのファイルを定期的にバックアップし、過去のバージョンに戻すことが可能になったため、誤ってファイルを変更・削除した場合のデータ損失のリスクが軽減された。

セキュリティ機能も強化された。Windows Defenderは、従来のアンチスパイウェア機能に加えて、マルウェア対策機能も統合され、基本的なセキュリティ保護を標準で提供するようになった。また、Webサイトやアプリケーションのダウンロード時に、その安全性を評価して警告を表示する「SmartScreenフィルター」も導入され、ユーザーを悪意のあるコンテンツやソフトウェアから保護する仕組みが強化された。

Windows 8には、主に「Windows 8」と「Windows 8 Pro」の二つのエディションがあり、さらに企業向けには「Windows 8 Enterprise」が提供された。ARMプロセッサを搭載したデバイス向けには、従来のWindowsアプリケーションが動作しない「Windows RT」という別バージョンも存在した。

総じてWindows 8は、デスクトップOSとモバイルOSの融合を強く意識したマイクロソフトの意欲作であった。タッチ操作を前提としたUIは、従来のPC操作に慣れたユーザーからの強い反発を招き、短期間でスタートボタンが復活したWindows 8.1へのアップデートや、その後のWindows 10でのスタートメニューの再導入につながった。しかし、その根本的なデザイン思想や、アプリケーションストアの導入、クラウド連携の強化といった要素は、その後のWindowsの進化に大きな影響を与え、Windows 10が目指す「One Windows」戦略の礎を築いたと言えるだろう。Windows 8は、PCの操作体系に大きな一石を投じた歴史的なOSとして位置づけられる。

関連コンテンツ

関連IT用語