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【ITニュース解説】5Gミリ波の今後は? 「ローバンド」「ミッドバンド」「ハイバンド」の利用状況

2025年09月24日に「TechTargetジャパン」が公開したITニュース「5Gミリ波の今後は? 「ローバンド」「ミッドバンド」「ハイバンド」の利用状況」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

モバイル通信業界団体のGSAが、各国の5G周波数帯利用実態を調査し、2025年レポートでローバンド、ミッドバンド、ハイバンドの動向を整理した。6G研究が進む中でも、5Gは今後も重要な役割を担うと指摘している。

ITニュース解説

モバイル通信の進化は目覚ましく、現在主流となっている5G通信は私たちの生活やビジネスに大きな変化をもたらしている。この5Gの性能を最大限に引き出すためには、電波が利用する「周波数帯」の特性を理解することが不可欠だ。モバイル通信業界団体であるGSA(Global mobile Suppliers Association)は、世界各国の周波数オークションの結果などを調査し、どの周波数帯がどのように利用されているかの実態を定期的に公開している。このレポートは、5Gが依然として重要な役割を担っており、6Gの研究が進む中でもその重要性が揺らがないことを明確に示している。5Gでは主に「ローバンド(低周波数帯)」「ミッドバンド(中周波数帯)」「ハイバンド(高周波数帯、ミリ波)」という3つの異なる周波数帯が使われているが、それぞれに得意なことと苦手なことがあり、用途によって使い分けられているのだ。

まず、ローバンドは文字通り低い周波数帯の電波を指す。この電波の最大の特徴は、非常に遠くまで届き、建物などの障害物があっても回り込みやすい性質を持っている点にある。例えば、ラジオの電波が建物の中や地下でも聞こえるのと似たようなイメージだ。そのため、ローバンドは都市部から地方まで広範囲をカバーするのに適している。これは5Gの基本的な通信基盤を構築する上で非常に重要であり、広いエリアで安定したサービスを提供するために欠かせない。しかし、その一方で、一度に送れるデータ量(通信速度や容量)は他の帯域に比べて限定的だ。既存の4Gで使われていた周波数帯が5Gに転用されるケースも多く、効率的に既存インフラを活用できる利点もある。システムエンジニアとしては、広域のカバレッジが必要なIoTデバイスの接続や、災害時のバックアップ回線など、信頼性と広範囲を重視するシステム設計において、ローバンドの特性を考慮したソリューションが求められる場面があるだろう。

次に、ミッドバンドはローバンドとハイバンドの中間に位置する周波数帯だ。この帯域は、ローバンドに比べて高速・大容量の通信が可能でありながら、ハイバンドほど電波の直進性が強くなく、ある程度の範囲をカバーできるというバランスの良さが最大の魅力だ。そのため、ミッドバンドは5Gの中核を担う周波数帯として、世界中で最も積極的に導入が進められている。GSAのレポートでも、特に3.3GHzから4.2GHz、4.5GHzから4.8GHzといった帯域が多くの国で利用されていると指摘している。これらの帯域は、都市部での高速インターネット接続、多数のユーザーが同時にアクセスするようなイベント会場、企業のオフィス環境など、高速かつある程度のカバレッジが求められる場所で威力を発揮する。多くの国がミッドバンドの導入に力を入れているのは、この帯域が5Gの「高速・大容量」というイメージを現実のものとし、かつ経済的に導入しやすいバランスを持っているからだ。システム開発においては、クラウド連携を多用するアプリケーションや、リアルタイム性が求められるデータ処理システムなど、高速な通信速度が求められる場面でミッドバンドの利用が前提となる。

そして、ハイバンド、いわゆる「ミリ波」と呼ばれる非常に高い周波数帯がある。このミリ波の最大の特長は、驚異的な速さと大容量の通信が可能な点、そして通信の遅延が非常に少ない点だ。これは、大量の情報を瞬時に送受信できるため、まるで光ファイバーケーブルを無線化したかのような性能を発揮する。しかし、大きな欠点も抱えている。電波が持つ性質上、直進性が非常に強く、建物や雨、人体など、わずかな障害物でも簡単に遮られてしまうのだ。そのため、ミリ波の電波が届く範囲は極めて狭く、サービスエリアを広げるには、非常に多くの小型基地局を密に設置する必要がある。これは設置コストの増大に直結するため、導入が進んでいるのは米国、日本、韓国など一部の国に限られているのが現状だ。GSAのレポートでも、ミリ波の展開はミッドバンドに比べて限定的であると報告されている。 しかし、その高性能から、特定の用途では非常に大きな価値を発揮する。例えば、工場内の自動化システム、スタジアムや駅構内といった特定の場所での超高密度な接続、VR/AR(仮想現実・拡張現実)のような大容量データを瞬時にやり取りするアプリケーション、あるいは特定企業向けに構築される「プライベート5G」などで活用されている。これらの分野では、通信の高速性や低遅延が生産性や体験品質に直結するため、ミリ波の採用が進む余地がある。システムエンジニアとしては、これらの特性を理解し、ミリ波の利点を活かせるような限定的なエリアでのソリューション開発や、エッジコンピューティングとの組み合わせなど、新しいシステムアーキテクチャを検討する際に、その可能性を探ることになるだろう。

このように、5Gはローバンド、ミッドバンド、ハイバンドという異なる特性を持つ複数の周波数帯を組み合わせることで、広範囲なカバレッジから超高速・低遅延通信まで、多岐にわたるニーズに応えている。それぞれの周波数帯が独自の役割を担い、相互に補完し合うことで、5G全体の性能を最大限に引き出しているのだ。GSAが指摘するように、6Gの議論が進む中でも、この5Gの基盤技術と周波数帯の利用戦略は、今後のモバイル通信の発展において引き続き極めて重要であり続ける。システムエンジニアを目指す上では、これらの周波数帯ごとの技術的特性とビジネス上の意味合いを理解し、用途に応じて最適な通信環境を設計・構築する知識が不可欠となる。

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