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【ITニュース解説】Alibaba cloud と Qwen LLM で LINE Chatbot を作成する

2025年09月15日に「Zenn」が公開したITニュース「Alibaba cloud と Qwen LLM で LINE Chatbot を作成する」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

筆者は、業務で利用が少ないAlibaba Cloudに触れるため、Qwen LLMを用いてLINEチャットボットを開発した。地政学的な課題もあるAlibaba Cloudの機能と魅力を、プライベート利用を通じて紹介する。

ITニュース解説

今回の解説では、Zennに投稿された「Alibaba Cloud と Qwen LLM で LINE Chatbot を作成する」という記事の内容を、システムエンジニアを目指す初心者にも分かりやすく掘り下げていく。この記事は、主要なクラウドサービスの一つであるAlibaba Cloudと、大規模言語モデル(LLM)の一種であるQwenを利用して、LINE上で動作するチャットボットを構築する具体的な方法について触れている。

まず、クラウドサービスとは何かから始めよう。クラウドサービスとは、インターネットを通じてサーバーやストレージ、データベースといったITインフラを必要な時に必要なだけ利用できるサービスのことである。自分たちで高価なサーバーを購入・管理する手間がなくなり、コストを抑えつつ、柔軟にシステムを構築・運用できるメリットがある。現在、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP) が三大クラウドプロバイダーとして広く知られている。

Alibaba Cloudは、これらの三大プロバイダーに次ぐ存在として世界的に事業を展開している。データセンターを配置している地域(リージョン)が25以上あり、その内部で障害発生時に影響範囲を限定するための区画(アベイラビリティゾーン、AZ)も90以上展開している。これは、世界中でサービスを展開し、システムを安定稼働させるための基盤が整っていることを意味する。

しかし、記事にあるように、Alibaba Cloudは日本の企業では業務利用されることが比較的少ないという現状がある。その背景には、いわゆる「地政学的な問題」や「コンプライアンス(法令遵守や企業倫理)の要請」がある。これは、Alibaba Cloudが中国企業であることから、データセキュリティや国家によるデータアクセスに関する懸念が企業活動に影響を及ぼす可能性がある、という考え方に起因する。特に、個人情報や機密性の高いデータを扱う企業では、このようなリスクを避ける傾向が強い。今回の記事では、この課題を認識しつつも、あくまで「プライベートな趣味のプロジェクト」としてAlibaba Cloudを活用している点が重要である。会社業務とは完全に切り離すことで、これらの懸念を回避し、純粋に新しい技術を試す目的で利用している。

次に、記事のもう一つの主役である「Qwen LLM」について解説する。LLMとは「大規模言語モデル」の略で、膨大なテキストデータを学習することで、人間が話すような自然な言葉を理解し、生成できる人工知能モデルのことである。皆さんがよく知るChatGPTもLLMの一つだ。Qwenは、Alibabaが開発したLLMであり、この記事ではこのQwenをチャットボットの「脳みそ」として利用している。チャットボットは、ユーザーからの質問や発言を受け取ると、その内容をQwenに送り、Qwenがその質問に対して適切な回答や情報を生成する。生成された回答はチャットボットを通じてユーザーに返される、という仕組みだ。これにより、単純な定型文の応答だけでなく、より複雑な質問にも自然な言葉で対応できる高度なチャットボットが実現できる。

LINEチャットボットは、私たちが普段使っているLINEアプリ上で動作するプログラムである。ユーザーがチャットボットの公式アカウントを友だち追加し、メッセージを送ると、そのメッセージはLINEのサーバーを経由して、チャットボットを動かしているサーバー(今回の場合はAlibaba Cloud上に構築されたシステム)に届けられる。チャットボットのサーバーでは、受け取ったメッセージを処理し、Qwen LLMを使って応答文を生成する。そして、生成された応答文を再びLINEのサーバー経由でユーザーのLINEアプリに返すことで、対話が成立する。このような連携には、LINEが提供するAPI(Application Programming Interface)という仕組みが使われる。APIは、異なるソフトウェア同士が互いに情報をやり取りするための「窓口」のようなもので、これを利用することで、LINEアプリというユーザーインターフェースと、裏側の複雑な処理を行うシステムをスムーズに連携させることができる。

今回の記事は、普段あまり触れる機会がないAlibaba Cloudを「遊び感覚」で使い、最新のLLM技術であるQwenを組み合わせて、身近なLINE上で動くチャットボットを構築するという、実践的かつ先進的な取り組みを示している。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このプロジェクトから学べることは多い。まず、クラウドサービスが単なる「サーバーを借りる場所」ではなく、様々なサービス(コンピューティング資源、データベース、AIなど)を組み合わせて新しいシステムを構築するためのプラットフォームである、という理解が深まる。次に、特定のクラウドサービスに依存せず、新しい技術やサービスを積極的に試す姿勢が重要であるとわかる。そして、LLMのような最新のAI技術が、どのように実際のアプリケーション(チャットボット)に応用されるのか、その具体的な連携イメージをつかむことができる。地政学的な問題やコンプライアンスの考慮は、実際のビジネス開発において非常に重要な要素だが、個人的な学習や実験においては、それを理解した上で「あえて」異なる選択肢を試すことも、知見を広げる上で有効なアプローチとなる。このように、様々な技術要素を組み合わせて一つのサービスを作り上げる経験は、システム開発の全体像を理解し、問題解決能力を養う上で貴重な一歩となるだろう。

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