【ITニュース解説】【AWS】Terraform で別のアカウントにサブドメインのパブリックホストゾーンを作成する
2025年09月12日に「Qiita」が公開したITニュース「【AWS】Terraform で別のアカウントにサブドメインのパブリックホストゾーンを作成する」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AWSの別アカウントにあるドメインに対し、Terraformを用いてサブドメインのパブリックホストゾーンを自動で作成する方法を紹介。これにより、Webサイトの証明書発行やレコード設定の自由度が高まり、効率的な運用が可能になる。
ITニュース解説
このニュース記事は、AWS (Amazon Web Services) というクラウドサービスを利用する際に、ドメイン名の管理を効率的かつ安全に行うための具体的な方法について解説している。特に、複数のAWSアカウントを使い分ける組織において、サブドメインの管理を独立させることで得られるメリットと、それを自動化するTerraformというツールの活用法が示されている。システムエンジニアを目指す上で、クラウドインフラの構築と運用は必須の知識となるため、本記事の内容は基礎的ながらも実践的な知見を提供する。
まず、AWSとは、インターネットを通じてサーバーやデータベース、ネットワークなど様々なITインフラを必要な時に必要なだけ利用できるサービス群のことだ。物理的な機器を購入・設置する手間やコストなしに、高い可用性とスケーラビリティを持つシステムを構築できる。
インターネット上のサービスにアクセスする際、私たちは「example.com」のようなドメイン名を使う。しかし、コンピュータは「192.0.2.1」のようなIPアドレスで通信を行うため、このドメイン名とIPアドレスを結びつける仕組みが必要となる。それがDNS (Domain Name System) であり、AWSでは「Amazon Route 53」というサービスがその役割を担う。Route 53では、特定のドメイン名に関するDNSレコード(ドメイン名とIPアドレスの対応情報など)を管理する場所を「パブリックホストゾーン」と呼ぶ。このパブリックホストゾーンに正しいレコードが設定されていることで、インターネットユーザーはドメイン名を通じてサービスにアクセスできるようになる。
企業や組織がAWSを利用する際、セキュリティやコスト管理、責任の分離といった観点から、複数のAWSアカウントを使い分ける「マルチアカウント戦略」を採用することが一般的だ。例えば、開発環境用、本番環境用、共通基盤用といった形でアカウントを分けることで、誤操作による影響範囲を限定したり、部署ごとの利用状況を明確にしたりする。本記事のテーマは、このマルチアカウント環境下でのドメイン管理に関わる。
通常、あるドメイン(例: example.com)のパブリックホストゾーンは、そのドメインを管理する親となるAWSアカウントに存在する。しかし、この親ドメインの配下に「blog.example.com」や「app.example.com」のような「サブドメイン」を多数運用する場合、全てのサブドメインのDNSレコードを親アカウントのパブリックホストゾーンで一括管理すると、運用上の制約やリスクが生じることがある。例えば、特定プロジェクトの担当者が自分のサブドメイン(例: app.example.com)のDNS設定を変更したい場合でも、親アカウントの管理者を経由する必要があり、作業が遅れたり、親アカウント側の設定ミスにつながるリスクも考えられる。
そこで本記事が提案するのは、「親ドメインとは異なるAWSアカウントで、サブドメイン専用のパブリックホストゾーンを作成し、管理を独立させる」という手法だ。これにより、各サブドメインの管理者が、親アカウントの管理者から独立して、自身のサブドメインに関するDNSレコード(Aレコード、CNAMEレコードなど)を自由に設定・変更できるようになる。これは、運用上の「自由度」を大幅に向上させる。
この独立した管理の大きなメリットの一つが、ACM (AWS Certificate Manager) との連携だ。ACMはウェブサイトのセキュリティを強化するためのSSL/TLS証明書を無料で発行・管理するAWSサービスだ。ウェブサイトをHTTPSで安全に運用するには、この証明書が必須となる。サブドメインが独立したパブリックホストゾーンを持つことで、そのサブドメインの管理者自身がACMを通じて証明書を発行・更新しやすくなる。もし全てのサブドメインが親アカウントのホストゾーンで管理されていると、証明書発行のたびに親アカウントの承認や操作が必要になる可能性があり、運用が煩雑になる。
このような複雑なインフラの構築や設定を手作業で行うと、時間がかかり、ヒューマンエラーのリスクも高まる。そこで活用されるのが「Terraform」というツールだ。Terraformは「Infrastructure as Code (IaC)」と呼ばれる手法を実現するもので、サーバーやネットワーク、DNS設定といったインフラをプログラミングコードとして記述し、そのコードを実行することで自動的にインフラを構築・変更できる。本記事では、Terraformを使って、別アカウントにサブドメインのパブリックホストゾーンを自動的に作成し、必要なDNSレコードを設定するサンプルコードが提供されている。これにより、手作業によるミスを防ぎ、同じ環境を何度も素早く再現できるようになる。
さらに、別アカウントにサブドメインのパブリックホストゾーンを作成する際、親ドメインのアカウントへのアクセスが必要となる場面がある。例えば、サブドメインの存在を親ドメインのDNSに登録する作業などだ。この時、セキュリティを確保しつつ別アカウントのリソースにアクセスするために「Assume Role」というAWSのIAM (Identity and Access Management) 機能が使われる。Assume Roleは、あるAWSアカウントのユーザーが、別のAWSアカウントに設定された特定の権限を一時的に借りる仕組みだ。これにより、永続的なアクセスキーを共有することなく、必要な時だけ限定的な権限でクロスアカウント間の操作を安全に行うことが可能となる。
このニュース記事が示す方法論は、AWSのマルチアカウント環境において、ドメイン管理の柔軟性、セキュリティ、運用効率を同時に高めるための実践的なアプローチだ。TerraformによるIaCの導入は、インフラ管理の自動化と再現性を実現し、Assume Roleはクロスアカウント連携のセキュリティを担保する。システムエンジニアとして、このようなクラウド基盤の設計・構築能力は非常に重要であり、本記事の内容は、安全で効率的なクラウドインフラ運用を学ぶ上での貴重な一歩となるだろう。
上記は1907文字である。