【ITニュース解説】“バックアップ熱”が豪・NZで再燃 現地で人気のVeeam製品・サービスとは?
2025年09月12日に「TechTargetジャパン」が公開したITニュース「“バックアップ熱”が豪・NZで再燃 現地で人気のVeeam製品・サービスとは?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
オーストラリアとニュージーランドで、企業や組織のデータ保護意識が高まり、バックアップへの投資が再び活発になっている。特に現地では、Veeam Softwareが提供するバックアップ製品やサービスが人気を集め、多くの企業に導入されている状況だ。
ITニュース解説
オーストラリアとニュージーランド市場で、企業のデータ保護に対する意識が急速に高まり、「バックアップ熱」と呼ばれる現象が再燃している。これは、企業がデータのバックアップとリカバリ(復旧)にこれまで以上に投資し、その重要性を再認識している状況を指す。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、データのバックアップはITシステムを設計、構築、運用する上で避けて通れない、極めて重要な要素だ。
現代の企業活動において、データは石油に例えられるほど価値ある資産であり、その喪失はビジネスに壊滅的な影響をもたらす可能性がある。データが失われる原因は多岐にわたる。例えば、機器の故障、人為的なミス、自然災害、そして近年最も深刻な脅威となっているのがサイバー攻撃、特にランサムウェア攻撃だ。ランサムウェアは企業のデータを暗号化し、身代金を要求する悪質なマルウェアで、一度感染するとデータのアクセスが不可能になり、ビジネスが停止してしまう恐れがある。このランサムウェア攻撃の増加が、世界中で企業のデータ保護戦略の見直しを促し、バックアップへの投資を加速させる大きな要因となっている。
こうした状況の中で、データ保護ソリューションを提供するVeeam Software(ヴィーム・ソフトウェア)が提供する製品やサービスが、特にオーストラリアとニュージーランド市場で高い人気を集めていると報じられている。Veeamは、企業が直面する複雑なデータ管理の課題に対応するため、包括的なデータ保護ソリューションを提供しているベンダーだ。
Veeamが提供する主要な製品群の一つが「Veeam Data Platform」である。これは、企業のあらゆるデータを安全に保護し、迅速に復旧させるための中心的なプラットフォームとなっている。具体的にどのような機能があるのか、初心者にも分かりやすく見ていこう。
まず基本的な機能として、「バックアップとリカバリ」がある。これは、サーバーや仮想マシン、データベースなど、企業内の様々なシステムのデータを定期的にコピー(バックアップ)し、万が一の事態が発生した際に、そのコピーを使って元の状態に復元(リカバリ)する機能だ。Veeamは、物理サーバーだけでなく、VMwareやHyper-Vといった仮想化環境、さらにはクラウド環境にあるデータのバックアップにも対応しており、高速かつ信頼性の高い復旧を可能にする。
次に、近年の脅威であるランサムウェア対策に特化した機能も提供している。Veeamは、バックアップデータを改ざんされないように「不変性ストレージ(イミュータブルストレージ)」に保存する機能を持っている。不変性ストレージに保存されたデータは、たとえランサムウェアに感染しても、悪意のあるソフトウェアによって削除したり変更したりすることができないため、安全な状態に保たれる。これにより、企業はクリーンなバックアップデータからシステムを復旧させることが可能となり、身代金を支払う必要がなくなる。また、隔離された環境でバックアップデータからシステムを復旧させ、セキュリティスキャンを行うことで、マルウェアが混入していないかを確認してから本番環境に戻す「隔離復旧」機能も重要だ。
Veeamのソリューションは、現代の多様なITインフラストラクチャに対応している点も強みだ。例えば、企業が自社のデータセンター(オンプレミス)だけでなく、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudといったパブリッククラウドを組み合わせて利用する「ハイブリッドクラウド」環境や、複数のパブリッククラウドを使い分ける「マルチクラウド」環境においても、一貫したデータ保護を提供できる。クラウド上に存在する仮想マシンやストレージのバックアップ、リカバリはもちろん、クラウド間のデータ移行もサポートし、データの「モビリティ(可動性)」を確保する。
さらに、近年利用が拡大しているSaaS(Software as a Service)アプリケーションのデータ保護もVeeamの重要な機能の一つだ。例えば、多くの企業が利用するMicrosoft 365(旧Office 365)のExchange Online、SharePoint Online、OneDrive for Business、Teamsなどのデータは、Microsoft側で一定の保護はされているものの、ユーザーの誤削除や悪意のある攻撃によって失われる可能性もある。Veeamは、これらのSaaSアプリケーションのデータを個別にバックアップし、必要に応じて細かく復元できる機能を提供している。
また、最新のIT技術であるコンテナ環境、特に「Kubernetes(クーバネティス)」で稼働するアプリケーションのデータ保護にも対応している。Kubernetesは、アプリケーションを効率的に開発・運用するためのプラットフォームであり、その上で動くアプリケーションのデータを保護することは、現代のシステム運用において不可欠となっている。Veeamは、コンテナ化されたアプリケーションのデータも包括的にバックアップし、リカバリできるソリューションを提供している。
システムの健全性を維持するためには、「監視と可視化」も欠かせない。Veeamは、バックアップジョブの状況、ストレージの使用状況、復旧ポイントの品質などをリアルタイムで監視し、ダッシュボードで分かりやすく表示する機能も備えている。これにより、システム管理者はデータ保護の状態を常に把握し、問題が発生する前に対応できる。
Veeamがオーストラリアとニュージーランド市場で高い人気を集めている理由は、これらの包括的な機能に加え、その信頼性と使いやすさにあると言えるだろう。企業の多様なニーズに応え、シンプルで直感的な操作性を提供することで、システムエンジニアやIT管理者は効率的にデータ保護を行うことができる。
システムエンジニアを目指す皆さんにとって、データ保護とバックアップの知識は、セキュリティ、可用性、ビジネス継続性の確保といったITシステムの基本的な要件を理解し、実践するために不可欠なスキルとなる。Veeamのような先進的なデータ保護ソリューションの動向を知ることは、現代のITインフラストラクチャを支える上で非常に役立つだろう。