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【ITニュース解説】Bedrock Polly: Building a Conversational Voice Chatbot

2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「Bedrock Polly: Building a Conversational Voice Chatbot」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Amazon BedrockとPollyを組み合わせ、対話型音声チャットボットを構築する方法を解説する。Bedrockで会話スクリプトを生成し、Pollyで男女の自然な声に変換。SSMLで話速や間を調整し、リアルな会話体験を実現する。費用も手頃で、アーキテクチャや実装コード、運用ヒントも提供する。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す初心者の皆さんに、Amazonの最新技術を組み合わせて、まるで人間と話しているかのような自然な会話ができる音声チャットボットを作る方法を解説する。長文を読むことに疲れたり、通勤中など画面を見ることが難しい状況で情報を取り入れたいと感じる人は多い。しかし、既存のAIによる音声読み上げ機能は、単調な声で飽きやすいという課題があった。そこで注目されるのが、複数の声を使って対話形式で情報を伝える「会話型音声チャットボット」である。男性と女性の声が交互に話すことで、ラジオ番組を聞いているようなリズムが生まれ、飽きずに最後まで聞き続けられる。これは、声が複数あることで注意力がリセットされたり、対話形式が情報への理解度や記憶力を高めたりする効果があるためだ。

このチャットボットの核となる技術の一つが、Amazon Pollyというクラウドサービスである。Pollyは、入力されたテキストを非常にリアルな音声に変換する「テキスト音声合成(TTS)」サービスである。特に「ニューラルボイス」と呼ばれる高性能な音声を使うと、まるでニュースキャスターが話しているかのような自然で滑らかな音声を生成できる。さらに、SSML(Speech Synthesis Markup Language)という特別なマークアップ言語を使うことで、話す速さや間の取り方、声の抑揚といった細かな表現を調整し、より人間らしい会話を再現できる。 Amazon Pollyは、29の言語に対応し、60種類以上の音声を提供している。日本語の音声も豊富で、例えば「Mizuki」や「Kazuha」といった女性の声、「Takumi」という男性の声がある。特に、ニューラルボイスに対応した「Takumi(男性)」と「Kazuha(女性)」の組み合わせは、自然な会話を実現する上で非常に効果的である。 Pollyの利用料金は、合成する文字数に応じて計算されるため、非常にコスト効率が良い。例えば、ニューラルボイスを100万文字合成しても約2,400円程度であり、一般的なチャットボットの利用頻度であれば、月額数百円程度で運用できる。本番環境で使う際のヒントとしては、句読点の後にSSMLの<break>タグを使って自然な間を入れたり、専門用語をゆっくり話すように速度を調整したりすることが挙げられる。また、万が一ニューラルボイスの合成に失敗した場合に備えて、標準ボイスに切り替えるフォールバック(代替)の仕組みを用意しておくと安心である。

この会話型音声チャットボットのシステムは、複数のAmazon Web Services(AWS)の技術を組み合わせて構築される。全体の流れは以下の通りである。まず、ユーザーからのアクセスは、世界中に分散配置されたコンテンツ配信ネットワーク(CDN)であるCloudFrontを通じて受け付けられる。CloudFrontは、高速なアクセスを実現し、セキュリティも強化する役割を果たす。次に、このリクエストはAPI Gatewayに送られ、そこからプログラムを実行するサーバーレスサービスであるLambdaが起動する。 Lambdaは、はじめにAmazon Bedrockという生成AIサービスを呼び出し、ユーザーの入力に応じた会話のスクリプトを作成するよう依頼する。Bedrockは、まるで人間が考えたかのような自然な文章を生成する能力を持つ。生成された会話スクリプトを、Lambdaは男性と女性のセリフに分け、それぞれにSSMLという特別な指示を加えてテキストを整形する。この整形されたテキストが、Amazon Pollyに送られることで、TakumiとKazuhaといったニューラルボイスによるリアルな音声ファイルが生成される。最終的に、生成された音声データは再びAPI GatewayとCloudFrontを経由して、ユーザーの元へ届けられる。 このシステムでは、セキュリティも重要である。例えば、CloudFrontを使ってファイルなどを保存するS3バケットへの直接アクセスを防ぎ、API Gatewayへの不必要な直接アクセスをブロックするために、CloudFrontとAPI Gatewayの間にカスタムヘッダーチェックを設けるといった対策が取られる。

実際の構築では、AWS CDKというツールを使って、CloudFront、API Gateway、Lambda、S3といった必要なAWSのインフラをコードで定義し、自動的にデプロイできる。Lambdaの処理はPython言語で実装され、Bedrockによるスクリプト生成とPollyによる音声合成、そしてSSMLによる音声調整の全てを担う。ユーザーインターフェースはシンプルなHTMLファイルで構成され、CloudFrontのエンドポイントを通じてアクセスできる。ユーザーが質問を入力すると、男女交互の音声で応答が再生され、通勤中や別の作業をしながらでも情報を得ることが可能になる。

この会話型音声チャットボットは、Amazon Bedrockが会話スクリプトを生成し、Amazon Pollyがそれを自然な音声に変換する。SSMLは、その音声に人間らしいペースや明瞭さを与えるために不可欠である。インフラはCloudFront、API Gateway、Lambdaの組み合わせで構築され、S3やAPIのセキュリティ対策も講じられている。そして、このシステムは、月額数百円という非常に手頃なコストで運用できる点が大きな魅力である。 運用上のポイントとしては、各サービスの環境変数を正しく設定すること、BedrockとPollyを同じAWSリージョン(例えば東京リージョン)で利用すること、S3やAPIへの不正アクセスを防ぐためのセキュリティ設定を行うこと、そして、クロスオリジンリソース共有(CORS)を適切に許可することが挙げられる。また、Polly(文字数ベース)、Bedrock(トークンベース)、CloudFront(データ転送量ベース)といった各サービスのコストを定期的に監視することも重要である。 将来の拡張としては、RAG(Retrieval Augmented Generation)という技術を統合して、特定の分野の知識に基づいた、より専門的な対話ができるようにすることや、一度生成した音声をS3にキャッシュして、繰り返し同じ問い合わせがあった場合のコスト削減と応答速度の向上を図ることも考えられる。さらに、特定の専門用語に対してSSMLの辞書ルールを追加することで、発音を最適化したり、WAF(Web Application Firewall)を導入して、ボットによる不正なアクセスなどからシステムを保護したりすることも有効な手段となる。このように、Amazon BedrockとAmazon Pollyを組み合わせることで、単なる情報提供に留まらない、より魅力的で人間味のあるユーザー体験を提供するチャットボットを構築できる。

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