【ITニュース解説】Build a Fullstack Modern System with Amazon Kiro
2025年09月11日に「Dev.to」が公開したITニュース「Build a Fullstack Modern System with Amazon Kiro」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Amazon Kiroを使い、フルスタックの資産管理システムを構築した。Kiroは、要件定義から詳細設計、開発タスクの生成までAIが支援する。開発者はタスクを実行し、発生した問題のトラブルシューティングもAIが助けた。これにより、Kiroの「アイデアを現実に変える」能力が実証された。
ITニュース解説
このニュースは、Amazon Kiroという新しいツールを活用して、企業向けの資産管理システムをゼロから構築したプロジェクトについて報告している。このプロジェクトは、アイデアを現実のシステムへと変換するAmazon Kiroの能力を具体的に示しており、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、現代のシステム開発の全体像と、AIを活用した開発の可能性を理解する良い機会となるだろう。
まず、構築されたシステムは「フルスタック」と呼ばれている。これは、ユーザーが直接触れる部分から、データの処理、そしてデータを保存する部分まで、システム全体を一貫して開発することを意味する。具体的には、システムの「顔」となるフロントエンド、裏側で処理を行うバックエンド、そして重要な情報を保管するデータベースの三つの主要な部分から構成されている。
フロントエンドには、React 18、TypeScript、Tailwind CSS、React Router、React Queryといった技術が採用された。Reactは、ウェブサイトやアプリケーションのユーザーインターフェース(UI)を効率的に構築するためのJavaScriptライブラリである。TypeScriptは、JavaScriptに型の概念を導入することで、開発中のエラーを減らし、コードの品質を向上させる。Tailwind CSSは、デザインを効率的に適用するためのユーティリティファーストのCSSフレームワークで、柔軟なUIデザインを可能にする。React Routerは、ウェブアプリケーション内のページ間の移動を管理し、React Queryは、サーバーからデータを取得・管理する際の複雑さを軽減する。これらの技術は、ユーザーが直感的で快適に操作できる画面を実現するために不可欠な要素だ。
次に、システムの「頭脳」となるバックエンドには、Node.js、Express、TypeScript、そしてJWT認証が用いられた。Node.jsは、サーバーサイドでJavaScriptを実行するための環境であり、Webアプリケーションのバックエンド開発で広く使われている。Expressは、Node.js上で動作するWebアプリケーションフレームワークで、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)の構築を効率化する。ここでもTypeScriptが使用されており、バックエンドの堅牢性と保守性を高める。JWT(JSON Web Token)認証は、ユーザーがシステムに安全にログインし、保護されたリソースにアクセスできるようにするための認証方式である。これは、現代のWebアプリケーションにおいてセキュリティを確保するために非常に重要な技術だ。
そして、システムの「記憶」であるデータベースには、PostgreSQLとPrisma ORMが採用された。PostgreSQLは、信頼性が高く、機能豊富なオープンソースのリレーショナルデータベース管理システムだ。大量のデータを安全に保存し、高速にアクセスできる能力を持つ。Prisma ORM(Object-Relational Mapping)は、データベース操作をJavaScript/TypeScriptのコードで行えるようにするツールで、SQL文を直接書かずにデータベースとやり取りできるため、開発の生産性を向上させる。
開発環境の面では、Docker Composeが使用された。Dockerは、アプリケーションとその依存関係をまとめて「コンテナ」と呼ばれる独立した環境で実行するための技術だ。Docker Composeは、複数のコンテナを連携させてアプリケーションを開発・実行するためのツールで、開発者間で環境の差異による問題を解消し、チーム開発をスムーズにする。
このプロジェクトにおいて最も注目すべきは、Amazon Kiroというツールがいかに開発プロセスをサポートしたかである。開発者はまず、Amazon Kiroに資産管理システムのビジネス要件を説明した。するとKiroは、その要件をより詳細な側面へと具体的に書き直し、開発者と理解をすり合わせた。開発者がKiroの理解内容に同意すると、Kiroはシステムのハイレベル(大まかな全体像)およびローレベル(詳細な各部分)の設計を自動で開始した。この設計には、フロントエンドの構成、バックエンドのロジック、データベースのデータモデル、スキーマ、エラー処理のメカニズム、テストの方法論、認証の方式、そしてパフォーマンスに関する考慮事項など、システム開発に必要なあらゆる側面が含まれていた。
設計内容に合意した後、Kiroは、その設計に基づいてタスクリストを生成した。このタスクリストは、各タスクの依存関係を考慮して並べられており、開発者はそのタスクを順番に実行していくだけでシステムを構築できた。
もちろん、タスクの実行中には多くの問題や課題が発生した。しかし、ここでもAmazon Kiroの背後にあるAIモデルのトラブルシューティング能力が驚くべき効果を発揮したという。AIは、発生した問題に対して迅速に解決策を提示し、開発者が課題をクリアするのを強力に支援した。この過程で、KiroのAIは「プランのリクエスト」を多く消費したとのことだが、その分だけ開発者は迅速かつ効率的に問題解決を進めることができた。
このプロジェクトを通じて、開発者はAmazon Kiroの「アイデアを現実にする」というスローガンが単なる空虚な言葉ではなく、実際に目の前でその能力を100%発揮することを目撃した。AIが、要件定義から詳細設計、タスク生成、そして開発中のトラブルシューティングに至るまで、システム開発のあらゆる段階で強力なサポートを提供することで、開発者の負担を大幅に軽減し、より迅速かつ確実にアイデアを具体的なシステムへと変えることができることを示している。これは、将来のシステムエンジニアにとって、AIをパートナーとして活用する新しい開発スタイルが主流になる可能性を示唆するものである。