【ITニュース解説】Google’s Play Games update will show people what you’re playing
ITニュース概要
Googleの「Playゲーム」アプリがアップデートされる。新しいプロフィール機能が追加され、プレイしたゲームや時間、実績を他のプレイヤーと共有可能になる。これはSteam等と同様の機能で、プロフィールの公開・非公開は自分で設定できる。(114文字)
ITニュース解説
Google Play Gamesは、Androidスマートフォンなどでゲームを楽しむ多くのユーザーにとって親しまれているサービスだが、今回、そのアプリが大幅なアップデートを迎えることになった。この更新により、あなたのゲーム体験はより個人的なものとなり、同時に他のプレイヤーとの交流も深まる可能性がある。 具体的には、あなたのゲーム活動をまとめた新しい「プロフィール」機能が導入される点が最大の変更点だ。このプロフィールには、あなたがこれまでにどんなゲームをプレイしてきたか、それぞれのゲームにどれくらいの時間を費やしたか、そしてゲーム内で特定の目標達成によって得られる「実績」(アチーブメント)をいくつ解除したかといった、様々な統計情報やマイルストーンが記録され、表示されるようになる。この機能は、9月23日から(EUと英国では10月1日から)順次適用される予定だ。 このプロフィールの大きな特徴は、他のプレイヤーもあなたのゲーム活動を見られるようになることだ。もちろん、すべての情報が強制的に公開されるわけではなく、あなたが公開を許可した場合に限られる。しかし、プロフィールを公開設定にすることで、友人や他のプレイヤーがあなたのゲームプレイの傾向や達成度を知ることができ、ゲームを通じた新たなコミュニケーションが生まれる可能性を秘めている。例えば、友人が新しいゲームを始めたときに、あなたがそのゲームでどれくらい進んでいるかを見て参考にしたり、あなたの実績を見て、一緒に協力して挑戦するきっかけになったりすることもあるだろう。Googleは、これ以外にも「ソーシャル機能」を追加すると発表しているが、具体的な内容は今後の発表を待つ必要がある。 このようなゲームプロフィールの機能は、実は他のゲームプラットフォームではすでに先行して導入されている。例えば、PCゲームで広く使われている「Steam」や、PlayStation、Xboxといった家庭用ゲーム機には、プレイヤーのプロフィールやゲームのプレイ状況、実績などが表示される機能が以前から存在し、多くのユーザーに利用されてきた。Google Play Gamesの今回のアップデートは、モバイルゲームの世界でも同様のソーシャルな要素を取り入れ、ユーザー体験を豊かにしようとする動きの一環と捉えることができる。 この新機能の実現には、裏側で様々なデータが活用されている。Googleは、あなたがスマートフォンにインストールしているゲームや、これまでにプレイしたゲームの「使用状況データ」を収集すると述べている。これは、どのゲームをどれくらいの頻度で、どのくらいの時間プレイしているかといった情報だ。さらに、ゲーム内でのあなたの活動に関する情報(例えば、特定のアイテムを使った、特定のレベルに到達したなど)を、そのゲームの開発元に提供する可能性もあるとのことだ。これは、開発者がゲームを改善したり、ユーザーに合わせた新しいコンテンツを開発したりするための貴重な情報源となる。 しかし、データの収集と利用に関して、Googleはユーザーが自身の情報をコントロールできる仕組みも用意している。例えば、過去にプレイしたゲームのアクティビティ履歴を、新しく作成されるPlay Gamesプロフィールに一度だけインポートするオプションが提供される。これにより、最初から充実したプロフィールを作成することが可能だ。また、ゲームに関するデータの収集自体を止めたい場合は、Googleアカウントの設定にある「アクティビティ管理」を通じて、いつでも設定を変更できる。これは、システムを設計する上で非常に重要となる、ユーザーのプライバシー保護と情報コントロールの原則に基づいていると言える。 最も重要なプライバシー設定は、あなたのプロフィールの公開範囲だ。あなたは、自分のプロフィールを他の人に見せるかどうかを自由に選択できる。もし公開設定にした場合、他のユーザーはあなたを「フォロー」できるようになり、あなたのゲーム活動を閲覧することが可能になる。しかし、もし特定のゲームにどれだけの時間を費やしたかを知られたくない場合は、プロフィールを非公開に設定することもできる。さらに、もし完全にPlay Gamesのプロフィール機能を利用したくない場合や、関連するすべてのデータを削除したい場合は、プロフィール自体を完全に削除することも可能だ。これは、ユーザーが自分のデジタル情報を管理するための強力な手段であり、システム設計においてユーザーに選択肢を与えることの重要性を示している。 GoogleがPlay Gamesの大規模なアップデートを進める一方で、競合するAppleも同時期にゲーム関連の大きな動きを見せている。Appleは、Mac、iPhone、iPadなどの自社デバイス向けに毎年恒例のソフトウェアアップデートを提供するが、その中で「Games」という新しい専用ゲームアプリを導入する予定だ。このアプリは、これまであった「Game Center」に代わるもので、より現代的なゲームの「ハブ」として機能することを目指している。 Appleの新しい「Games」アプリは、Google Play Gamesと同様に、リーダーボード(ゲームのスコアランキング)やマッチメイキングサービス(一緒にプレイする相手を見つける機能)、おすすめのゲーム情報、新作タイトルに関するニュースなど、様々な機能を提供する。そして、Googleと同様に、友人が何をプレイしているかを見られる機能も搭載される予定だ。これは、ゲーム体験を単なる一人遊びではなく、友人との共有や競争、情報交換の場へと広げようとする、業界全体の共通したトレンドを示している。 このように、GoogleとAppleという二大プラットフォームが、ほぼ同時期にゲームのソーシャル機能やプロフィール機能の強化に乗り出していることは、現代のゲーム体験において、プレイヤー間の繋がりや情報共有がどれほど重要視されているかを物語っている。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このような動きは、単に新しい機能が追加されたというだけでなく、膨大なユーザーデータをどのように収集し、分析し、活用しながら、同時にユーザーのプライバシーを保護し、制御権を与えるか、という高度なシステム設計の課題を含んでいることを理解する良い機会となるだろう。ユーザー体験を向上させるための機能開発と、その裏側にあるデータ管理やセキュリティ対策、プライバシー設定の重要性は、これからのITサービスを支えるシステムエンジニアにとって避けて通れないテーマだ。今回のGoogle Play Gamesのアップデートは、その一端を垣間見せてくれる興味深い事例と言える。