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【ITニュース解説】Why I Ignored C and C++… And What I Learned From It

2025年09月08日に「Medium」が公開したITニュース「Why I Ignored C and C++… And What I Learned From It」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

プログラミング学習を直感的なPythonから始めた筆者。しかしC/C++を避けた結果、メモリ管理などコンピュータの根本的な仕組みへの理解が不足したと気づく。低レイヤー言語の学習は、より良いエンジニアになるための基礎固めに重要だと論じている。

ITニュース解説

プログラミングの世界に足を踏み入れた多くの初学者は、PythonやJavaScriptといった言語から学習を始める。これらの言語は、文法が直感的で理解しやすく、比較的短いコードで動くものを作れるため、学習の成果を実感しやすいという大きな利点がある。このような言語は「高水準言語」と呼ばれ、現代のWebサービス開発やデータサイエンスの分野で広く活用されている。その一方で、C言語やC++といった言語は、習得が難しく、コードが複雑になりがちというイメージから、特に初学者には敬遠される傾向がある。これらは「低水準言語」に分類され、一見すると時代遅れの技術に感じられるかもしれない。しかし、ソフトウェアがどのように動作するのかという本質を理解し、優れたシステムエンジニアを目指す上で、これらの言語の知識は極めて重要である。

高水準言語の最大の特徴は、人間が理解しやすいように設計されている点にある。例えば、メモリの管理といったコンピュータの内部的な複雑な処理は、言語の実行環境が自動的に行ってくれる。プログラマは、どのデータをどこに記憶させるかといった細かなことを気にすることなく、実現したい機能のロジックを記述することに集中できる。これにより、開発効率は飛躍的に向上する。多くのエンジニアがキャリアの初期にC/C++を学ぶ必要はないと考えるのは、こうした高水準言語の利便性と、現代の開発現場における需要の高さが理由である。Webアプリケーションやスマートフォンのアプリ開発において、C/C++を直接記述する機会は確かに限られている。

しかし、キャリアを重ね、より複雑で大規模なシステムや、パフォーマンスが厳しく要求される分野に携わるようになると、高水準言語の抽象化された層の裏側で何が起きているのかを知る必要性が出てくる。例えば、アプリケーションの動作がなぜか遅い、あるいは大量のメモリを消費してしまうといった問題に直面したとき、その原因を根本から突き止めるには、コンピュータのハードウェアに近いレベルでの知識が不可欠となる。ここで、C/C++を学ぶことの真価が発揮される。C/C++では、プログラマが自らの手でメモリの確保や解放を管理する必要がある。「ポインタ」という、メモリ上の特定の位置(アドレス)を直接指し示す仕組みを使いこなさなければならない。これは初学者にとって大きな壁となるが、このプロセスを通じて、プログラムが使用するデータがコンピュータのメモリ上でどのように配置され、管理されているのかを具体的に理解できるようになる。

この低レベルの知識は、Pythonのような高水準言語を扱う際のコーディングの質を格段に向上させる。例えば、Pythonのリストは非常に便利で柔軟なデータ構造だが、その内部では、C言語の配列よりも複雑な仕組みで要素が管理されている。C/C++の知識があれば、リストに要素を追加する処理が、状況によってはメモリの再確保というコストの高い操作を伴う可能性があることを予測できる。その結果、よりパフォーマンスを意識したデータ構造の選択やアルゴリズムの設計が可能になる。つまり、高水準言語が提供する便利な機能の「なぜそう動くのか」「どのようなコストがかかるのか」を理解した上で、最適な使い方を選択できる深い洞察力が身につくのである。これは、単にライブラリの使い方を知っているだけのプログラマと、ソフトウェアの性能を極限まで引き出せるエンジニアとを分ける決定的な差となる。

結論として、プログラミング学習の第一歩としてPythonのような高水準言語を選ぶことは、挫折しにくく、実践的なスキルを効率的に習得できる点で優れた戦略である。しかし、そこで歩みを止めてしまうと、ソフトウェアエンジニアリングの奥深い世界の一端にしか触れられない可能性がある。システムエンジニアとして、表層的な問題解決だけでなく、パフォーマンスの最適化やリソースの効率的な利用といった、より本質的な課題に取り組むことを目指すならば、キャリアのどこかの段階でC言語やC++に挑戦することが強く推奨される。それは、単に古い言語を学ぶということではなく、あらゆるソフトウェア技術の根底に流れるコンピュータサイエンスの普遍的な原理を学ぶことに他ならない。この経験を通じて得られる知識と視点は、使用する言語の種類にかかわらず、エンジニアとしての技術的な土台を強固にし、より高度な問題解決能力を養うための貴重な資産となるだろう。

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