【ITニュース解説】Stop Writing Repetitive Tests: How Keploy Generates Them Automatically

2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「Stop Writing Repetitive Tests: How Keploy Generates Them Automatically」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

開発効率を上げるAPIテスト自動化ツール「Keploy」を紹介。実際のAPI通信を記録するだけで、テストケースとデータモックを自動生成。反復的なテストコード作成の手間を省き、バグの早期発見やリグレッション防止に貢献する。(118文字)

ITニュース解説

ソフトウェア開発において、作成したプログラムが意図通りに正しく動作するかを確認する「テスト」という工程は極めて重要である。テストを行うことで、バグを早期に発見したり、機能追加や修正によって既存の機能が壊れてしまう「リグレッション」と呼ばれる現象を防いだりすることができる。しかし、特にWebアプリケーションの裏側でデータのやり取りを担うAPIのテストでは、似たような確認作業を何度も繰り返す必要があり、テストコードを手で書く作業は時間と手間のかかる退屈なものになりがちであった。

こうしたテスト作成の負担を大幅に軽減するツールとして「Keploy」が注目されている。Keployは、開発者が手動でテストコードを書く代わりに、アプリケーションを実際に操作するだけで、その一連の動作を自動的に記録し、再利用可能なテストケースとして生成してくれるオープンソースのツールである。これにより、開発者は反復的なテスト作成作業から解放され、より本質的な機能開発に集中できる環境を手に入れることができる。

Keployの核となる仕組みは「記録と再生」という非常にシンプルな考え方に基づいている。まず、開発者はKeployを「記録モード」で起動した状態で、テスト対象のアプリケーションをいつも通りに操作する。例えば、Webブラウザを通じて画面上のボタンをクリックしたり、フォームにデータを入力して送信したりする。Keployはバックグラウンドで動作し、これらの操作によって発生したAPIへのリクエスト、つまりどのような要求が送られたかと、それに対するアプリケーションからのレスポンス、つまりどのように応答したかを、一対のセットとしてすべて記録する。この記録された通信のやり取りそのものが、一つの独立したテストケースとなる。

テストケースが記録された後、いつでも「テストモード」でテストを実行できる。テストモードを実行すると、Keployは記録しておいたリクエストを自動的にアプリケーションに再送信する。そして、その時にアプリケーションから返ってきた実際のレスポンスが、記録時に保存しておいたレスポンスと完全に一致するかどうかを比較検証する。もし両者が一致すればテストは成功と見なされ、その機能が正常に動作していることが保証される。逆に、レスポンスに差異があればテストは失敗となり、プログラムの修正によって意図しない変更が加わった、あるいは新たなバグが生まれた可能性を即座に検知することができる。

現代のアプリケーションは、データベースや外部のAPIなど、他のシステムと連携して動作することが一般的である。しかし、テストのたびにこれらの外部システムに接続すると、テスト環境の準備が複雑になったり、通信の不安定さによってテスト結果が左右されたり、場合によっては外部サービスの利用料金が発生したりと、様々な問題が生じる。Keployの強力な機能の一つは、こうした外部システムとの通信内容も記録時に自動で捉え、テスト実行時にはその記録を元にした「モック」、つまり本物の代わりとなる偽物の応答を生成してくれる点にある。これにより、テスト対象のアプリケーションを外部環境から完全に切り離した状態で、安定かつ高速にテストを実行することが可能になる。

具体的な利用の流れはこうだ。まず、PythonのWebフレームワークであるFlaskで簡単なToDoリストアプリケーションを開発したとする。このアプリにはタスクの追加、一覧表示、更新、削除といった一通りの機能が備わっている。開発者はKeployを記録モードで起動し、ブラウザから新しいタスク「買い物に行く」を追加し、次にその内容を「牛乳を買う」に更新し、最後にそのタスクを削除するという一連の操作を行う。Keployはこれらの操作に対応するAPI通信をすべて記録し、YAMLという形式のファイルでテストケースとして保存する。後日、開発者がアプリケーションのコードを一部変更した際に、Keployのテストモードを実行するだけで、先ほどの一連の操作が問題なく行えるかを瞬時に再確認できる。

Keployを開発プロセスに導入することで、開発者はテストコードを一行も書くことなく、実際のユーザー操作に基づいた現実的なAPIテストを効率的に構築できる。アプリケーションの仕様が変更された場合でも、再度操作を記録し直すだけで、テストケースを簡単に最新の状態に保つことができるため、テストのメンテナンスコストも大幅に削減される。また、Keployは特定のプログラミング言語やフレームワークに依存しないように設計されており、PythonのFlaskやDjango、JavaのSpring Boot、Node.jsのExpress.jsなど、様々な技術スタックで利用できる柔軟性も大きな魅力である。

ソフトウェアの品質を維持向上させるために自動テストは不可欠な存在だが、その作成と維持にかかるコストは多くの開発者にとって悩みの種であった。Keployは、実際のアプリケーション操作をそのままテストケースとして記録・再利用するという革新的なアプローチにより、この課題を解決する。開発者は「一度記録すれば、何度でもテストできる」という効率的なサイクルを実現し、アプリケーションの信頼性を確保しながら、開発のスピードを加速させることが可能になる。これにより、退屈な作業から解放され、より創造的で価値の高い仕事に集中できるようになるだろう。