【ITニュース解説】Mayson
2025年09月10日に「Product Hunt」が公開したITニュース「Mayson」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Maysonは、コードを書かずにアプリの裏側の仕組み(バックエンド)を構築できるサービスだ。データベースやAPIといった機能を、専門知識がない人でも簡単に作れるため、システムエンジニアを目指す初心者でも手軽にアプリ開発を始められるだろう。
ITニュース解説
Maysonは、プログラミングコードを書かずにバックエンドを構築できる「No code backend for everyone」というサービスである。これは、Webサイトやアプリケーション開発において不可欠なバックエンド機能を、誰でも簡単に作れるようにすることを目指している。システムエンジニアを目指す人にとって、このようなNo codeツールがどのような意味を持つのか、その背景にある技術や考え方を順を追って解説する。
まず「No code」という言葉について説明する。これはその名の通り、プログラミングコードを一切書かずにソフトウェアやシステムを開発する手法を指す。従来のソフトウェア開発では、特定の機能を実現するためにプログラミング言語を使ってコードを記述する必要があった。例えば、ユーザーが入力した情報を保存する、あるいは特定の条件に基づいて情報を表示するといった処理には、多くのコードが必要だった。しかしNo codeツールを使えば、マウス操作で部品を配置したり、設定項目をチェックしたりするだけで、これらの機能を実装できる。これにより、プログラミングの専門知識がない人でも、アイデアを形にしたり、ビジネスに必要なシステムを迅速に構築したりすることが可能になる。開発にかかる時間やコストを大幅に削減できる点が大きなメリットだが、一方で、複雑な要件や細かなカスタマイズには限界があるという側面も理解しておく必要がある。
次に「バックエンド」という言葉の意味を詳しく見ていこう。Webサイトやスマートフォンアプリを利用する際、私たちは画面に表示される情報を見たり、ボタンをタップしたりして操作する。この目に見える部分を「フロントエンド」と呼ぶ。一方、バックエンドは、そのフロントエンドの裏側で、目に見えないところで様々な処理を行っている部分を指す。例えば、Webサイトで会員登録を行うと、入力した氏名やメールアドレスなどの情報がどこかに保存される。その情報を安全に、かつ効率的に保存・管理するのが「データベース」であり、これはバックエンドの主要な要素の一つだ。また、保存された情報を取り出してフロントエンドに渡したり、ユーザーのログイン認証を行ったり、あるいは商品の在庫数を管理したりといった、複雑なロジックを処理する部分もバックエンドの役割である。これらの処理を行うためのプログラムが動作しているのが「サーバー」と呼ばれるコンピュータで、サーバーもバックエンドを構成する重要な要素となる。さらに、フロントエンドとバックエンドの間でデータをやり取りするための「API(Application Programming Interface)」も、バックエンドが提供する機能の一つである。簡単に言えば、バックエンドは、データ管理、ロジック処理、セキュリティ、他のシステムとの連携など、アプリケーションの「心臓部」とも言える役割を担っているのだ。
Maysonが提供する「No code backend」は、これらのバックエンド開発における複雑な作業を、コードを書かずに実現できるようにするツールである。通常、バックエンドを構築するには、プログラミング言語の習得はもちろんのこと、データベースの設計・構築、サーバーの選定・設定、セキュリティ対策、APIの設計・実装といった多岐にわたる専門知識と技術が求められる。これらはシステム開発の中でも特に専門性が高く、多くの時間と労力がかかる部分だ。しかしMaysonのようなNo code backendツールを使えば、視覚的なインターフェースを通じて、必要なデータベース構造を定義したり、データの保存や取得といったAPIを自動で生成したり、ユーザー認証機能を設定したりすることが可能になる。これにより、本来であればプログラマーが数日、あるいは数週間かけて開発するようなバックエンドの基盤を、非エンジニアでも数時間で立ち上げられるようになるのだ。これは、アイデアを素早く検証したいスタートアップ企業や、社内システムを低コストで構築したい中小企業にとって、非常に魅力的な選択肢となるだろう。
システムエンジニアを目指す初心者にとって、このようなNo codeツールの台頭は、将来のキャリアパスを考える上で重要な示唆を与えている。一つは、プログラミングコードを書くことだけがエンジニアの仕事ではなくなる、ということだ。No codeツールが普及することで、単純な機能の実装や定型的な処理はツールに任せられるようになるかもしれない。しかし、だからといってエンジニアの仕事がなくなるわけではない。むしろ、より高度な問題解決能力や、システム全体のアーキテクチャ設計、複数のツールやサービスを連携させるインテグレーション、パフォーマンス最適化、セキュリティ強化、そしてNo codeツールでは対応できないような複雑なカスタマイズといった、より付加価値の高い業務にエンジニアの役割がシフトしていくと考えられる。
したがって、初心者エンジニアは、コードを書くスキルを磨きつつも、MaysonのようなNo codeツールやLow codeツール(コード記述を最小限に抑えるツール)の仕組みや活用方法についても理解を深めることが重要になる。これらのツールを使いこなすことで、プロトタイプを迅速に作成したり、開発の初期段階でビジネス要件を素早く検証したりする能力が身につく。また、ツールの限界を理解し、いつコードを書き、いつツールを活用するかという判断ができるようになることも重要だ。No codeツールは強力な武器となるが、あくまでツールであり、その裏側で何が起こっているのか、どのような技術が使われているのかといった基礎知識がなければ、効果的に使いこなすことはできない。
MaysonのようなNo code backendサービスは、ソフトウェア開発の敷居を下げ、より多くの人々が自分のアイデアを形にできる「開発の民主化」を加速させる可能性を秘めている。しかし、これはプログラミングの学習が無意味になることを意味しない。むしろ、エンジニアはツールの力を借りながら、より複雑で創造的な課題に取り組むための時間とリソースを得られるようになる。システムエンジニアを目指す人にとって、No codeツールは学ぶべき新たな選択肢であり、自身のスキルセットを広げ、変化する開発現場に対応するための重要な要素となるだろう。これらのツールを理解し、適切に活用する能力は、これからのエンジニアにとって不可欠なスキルの一つとなるに違いない。