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【ITニュース解説】How I Protect 6 Apps for $0/Month with SafeLine WAF

2025年09月12日に「Dev.to」が公開したITニュース「How I Protect 6 Apps for $0/Month with SafeLine WAF」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

高額なクラウドWAFに対し、SafeLine WAFは自分でサーバーに導入すれば、複数のアプリを無料で保護できる。既存のサーバー資源を活用し、初期設定の手間だけで、費用をかけずに企業レベルのセキュリティを実現する。個人プロジェクトや小規模サービスに最適で、高額なクラウドWAFは不要と提案している。

ITニュース解説

WebサイトやWebアプリケーションをインターネットの脅威から守るための重要なセキュリティ対策に、WAF(ワフ:Web Application Firewall)というものがある。これは、Webサイトとユーザーの間に入り、不正な通信や攻撃を検知・遮断する役割を担っている。たとえば、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングといった、Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃からシステムを保護する。システムエンジニアにとって、Webサービスを安全に提供するためにはWAFの導入が不可欠と言えるだろう。

今回紹介する記事の筆者は、自宅で利用するサーバー(ホームラボ)にブログ、メディアサーバー、パスワード管理ツールなど、6つ以上のWebアプリケーションを運用しており、これらを安全に保護したいと考えていた。当初は一般的なクラウド型のWAFサービスを検討していたが、月額200ドル近くかかる可能性があることに気づき、より安価で効果的な代替策を探し始めた経緯が語られている。複数のアプリケーションを運用する際に、セキュリティ対策のコストが予想以上に膨らむという問題は、多くの開発者やシステム管理者にとって共通の悩みと言える。

「WAF」や「アプリのセキュリティ」で検索すると、一般的にはCloudflareの無料プラン、マネージドModSecurity、そしてその他の商用クラウドWAFサービスといった選択肢がよく挙がる。これらのサービスは一見すると安価、あるいは無料に見えることが多い。しかし、実際に複数のアプリケーションやAPI、個人プロジェクトを運用し始めると、そのコストは予想以上に早く積み上がってしまう問題がある。

Cloudflareの無料プランは確かに魅力的だが、WAFのルール適用範囲が非常に限定的で、本格的なセキュリティ対策には物足りない点が指摘されている。Proプランではサイトごとに月額20ドル、Businessプランに至っては月額200ドルが必要となる。もし筆者のように5~6つのアプリケーションを保護しようとすると、Proプランでも月額100~120ドル、Businessプランでは月額1,000ドル以上にもなり、個人や小規模プロジェクトには現実的ではないコストとなる。

ModSecurityはオープンソースのWAFエンジンで、基本的なルールセットは無料で利用できる。しかし、実際にWebアプリケーションの特性に合わせてOWASP CRS(Core Rule Set)を適切にチューニングするには、膨大な時間と専門知識が必要となる。このチューニング作業を代行してくれるマネージドサービスを利用すると、アプリケーションごとに月額10~50ドル程度の費用が発生する。さらに、誤検知(正常な通信を不正と判断してしまうこと)が多く発生しやすく、その対応に多くのメンテナンス時間がかかるという課題もある。

その他の商用クラウドWAFサービスでは、アプリケーションごとに月額50~100ドルが相場であり、料金体系はドメイン数やトラフィック量に基づくことが多い。これらのサービスは便利な反面、一度導入すると別のサービスへの移行が難しくなる「ベンダーロックイン」という問題も発生しやすい。

こうした中で筆者が見つけたのが「SafeLine WAF」である。SafeLineは、自前でサーバーにインストールして運用する(セルフホスト型)WAFであり、最大10のアプリケーションまでなら完全に無料で利用できる。これは、多くのホームラボや小規模プロジェクトにとって十分すぎるほどの保護範囲である。

SafeLineをセルフホストする際にかかる費用は、基本的にごくわずかだ。初期設定にかかる自身の時間と、仮想マシンやコンテナ環境(約1GBのRAMと5GBのストレージ)の準備のみである。これらは通常、既存のサーバーリソースを活用できるため、月々の追加費用は実質的にゼロとなる。筆者の場合、6つ以上のサービスをSafeLineで保護する際の追加コストは月額0ドルであったと述べている。

SafeLineの大きなメリットは以下の通りである。まず、コストがほぼかからない点だ。既存のサーバー上で動作するため、新しいサーバー費用が発生せず、ソフトウェア自体も無料で提供されている。次にプライバシーの面で優れている。ログやWebトラフィックデータがすべて自身のホームラボ内で管理されるため、外部のサービスにデータが流出する心配がない。これは個人情報や機密性の高いデータを扱うアプリケーションにとって非常に重要だ。さらに、スケーラビリティも高い。一度SafeLineをデプロイすれば、それ一つで複数のWebサービスを一元的に保護できる。そして最も重要なのが、セキュリティレベルである。SafeLineはエンタープライズ(企業向け)レベルの高度な脅威検知能力を持っているにもかかわらず、高額な費用を支払う必要がないと筆者は強調している。

記事では、6つのアプリケーションを保護する場合の具体的なコスト比較が示されている。SafeLine(セルフホスト)は月額0ドルで、完全な制御が可能であり、トラフィック量の上限もなく、プライバシーも保護されるというメリットがある。デメリットとしては、自身のサーバーが必要である点が挙げられる。Cloudflare Proは月額120ドル。設定が簡単で、世界中に分散されたCDN(コンテンツ配信ネットワーク)の恩恵も受けられるが、サイトごとの課金体系であり、WAFルールも限定的である。Cloudflare Businessになると月額1,200ドルにもなり、非常に強力な保護とSLA(サービス品質保証)が提供されるものの、ホームラボにはあまりにも高価すぎる。Managed ModSecurityは月額60~300ドル。柔軟性が高く業界標準だが、誤検知率が高く、チューニングに手間がかかる問題がある。

これらの比較から、筆者はホームラボを運用する個人開発者やインディー開発者にとって、SafeLineは非常に合理的な選択肢だと結論づけている。月額費用はゼロで、最大10のアプリケーションを保護でき、高額な請求なしに企業レベルの検出能力が得られるためだ。

一方、グローバルな顧客を持つSaaS(Software as a Service)のような大規模なサービスでは、CloudflareのようなクラウドWAFが提供する統合されたCDN機能やSLAがコストに見合う価値を持つ場合もある。しかし、個人的なプロジェクト、ホームラボ、あるいは小規模なビジネスアプリケーションであれば、SafeLineは同レベルの保護を文字通り「わずかなコスト」で提供できると述べている。

「無料」を謳うクラウドWAFのマーケティングに惑わされるべきではないというのが筆者の最終的なメッセージである。多くの場合、これらのサービスはアプリケーション数やトラフィック量に応じた課金体系であり、スケールするにつれて費用が急速に増加する傾向がある。

新しい技術を試したり、学習目的でサービスを構築したり、自身のシステムを保護したりする場合には、SafeLine WAFを自前でホストすることが、費用を予測可能(実質ゼロ)に保ちながら、企業レベルのセキュリティ保護を得るための最適な方法であるとアドバイスしている。最後に、Cloudflareのような有料サブスクリプションを支払う前に、まずはSafeLineを試してみることを強く推奨している。最悪でも10分程度の時間を失うだけで、最善の場合、年間1,000ドル以上もの費用を節約できる可能性があるからだ。システムエンジニアを目指す初心者にとって、コストを抑えつつセキュリティを確保する知見は、今後非常に役立つだろう。SafeLineのGitHubリポジトリ、公式ドキュメント、Discordコミュニティも紹介されており、手軽に試せる環境が整っていることも示されている。

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