Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】How can a Shared Responsibility Model be applied for Code Security purposes?

2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「How can a Shared Responsibility Model be applied for Code Security purposes?」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

クラウドでのコードセキュリティは「責任共有モデル」に基づき、責任が分かれる。クラウドサービス提供者はインフラなど基盤のセキュリティを担い、顧客は自身のコード、OSS、アクセス管理などのセキュリティを担当する。SASTやSCAといったツールの利用も顧客の責任範囲だ。

ITニュース解説

クラウド環境でシステムを開発する現代において、セキュリティは最も重要な要素の一つだ。システムエンジニアを目指す上で、このセキュリティの考え方、特に「責任共有モデル」(Shared Responsibility Model)は避けて通れない基本的な知識となる。このモデルは、クラウドサービスプロバイダー(CSP)と、そのサービスを利用する顧客の間で、セキュリティに関する責任をどのように分担するかを明確に定義したものだ。ニュース記事が示すように、これはあなたがこれから作成するコードのセキュリティ、つまりアプリケーションの安全性にも直接的に適用される。

責任共有モデルの根本的な考え方は、「クラウドのセキュリティ」(Security of the Cloud)はCSPが責任を負い、「クラウド内でのセキュリティ」(Security in the Cloud)は顧客が責任を負うという点にある。この二つの「セキュリティ」の違いを理解することが、モデルを正しく適用し、効果的なセキュリティ対策を講じるための第一歩となる。

まず、CSPが担う「クラウドのセキュリティ」について詳しく見ていこう。これは、あなたのコードが動作するための「土台」となる部分のセキュリティを指す。具体的には、物理的なサーバーや、データを保存するストレージ装置、それらを接続するネットワーク機器といったハードウェアそのものの安全性だ。さらに、これらの物理リソースを抽象化し、複数のユーザーが利用できるようにする仮想化レイヤー(仮想マシンやコンテナが動作する基盤)もCSPの責任範囲に含まれる。例えば、AWS Lambdaのようなサーバーレス実行環境などのマネージドサービスを利用する場合、基盤となるオペレーティングシステム(OS)や、その実行環境自体が安全に維持されていることは、CSPが保証する部分だ。つまり、データセンターの物理的な警備から、サーバーの故障対策、ネットワークの健全性の維持、そして仮想化基盤の脆弱性への対応まで、あなたが直接意識することなく、クラウドの「下層」が安全に保たれているのはCSPの責任によるものなのだ。あなたは、この強固な土台が提供されていることを前提として、その上に自身のアプリケーションを構築することになる。

一方で、顧客であるあなたが責任を負うのが「クラウド内でのセキュリティ」だ。これは、あなたが開発し、クラウドにデプロイするアプリケーションコードそのもの、そしてそのアプリケーションがクラウド上でどのように振る舞うかに関するすべてのセキュリティを指す。ニュース記事が強調するように、この顧客の責任範囲は非常に広範だ。

具体的には、自身のアプリケーションコードにセキュリティ上の脆弱性がないかを常に確認し、修正する責任がある。例えば、入力値の検証が不十分で不正なデータが挿入される「SQLインジェクション」や、ユーザーのブラウザ上で悪意のあるスクリプトが実行される「クロスサイトスクリプティング(XSS)」といった脆弱性は、コードの記述の仕方に起因するため、顧客が自ら対策する必要がある。これらの脆弱性は、システムへの不正な侵入経路となる可能性があり、データ漏洩やシステム乗っ取りにつながるため、開発段階から厳重なチェックと対策が求められる。

次に、アクセス制御の管理も顧客の重要な責任だ。あなたのアプリケーションに誰がアクセスできるのか、また、アプリケーション内部で各コンポーネントがどのような権限で他のリソースにアクセスできるのかを適切に設定する必要がある。例えば、データベースへのアクセス権限を最小限に抑えたり、管理者アカウントのパスワードを強力なものに設定したり、多要素認証を導入したりすることは、不正アクセスを防ぐ上で不可欠な対策だ。

さらに、機密データや秘密情報(シークレット)の管理も顧客の責任範囲に含まれる。APIキー、データベースの認証情報、パスワードなどは、もし漏洩すればシステム全体が危険にさらされる非常に重要な情報である。これらをコード内に直接書き込むのではなく、安全な方法で管理し、必要な時にのみアクセスできるようにする仕組みを構築する必要がある。クラウドプロバイダーが提供するシークレット管理サービスなどを利用することも多いが、その設定と運用は顧客が責任を持つ。

また、現代のソフトウェア開発では、オープンソースコンポーネントやサードパーティ製のライブラリ、外部APIを積極的に利用することが一般的だ。これらは開発効率を大幅に向上させる一方で、セキュリティリスクも伴う。これらの外部コンポーネント自体に脆弱性が潜んでいる可能性があり、その脆弱性が悪用されると、あなたのアプリケーション全体が危険にさらされる。そのため、使用しているオープンソースのバージョンを常に最新に保ち、既知の脆弱性がないかを定期的にチェックし、必要に応じてアップデートや代替手段の検討を行うことは、顧客である開発者の責任なのだ。

この「クラウド内でのセキュリティ」を効率的に実現するためのツールも、顧客が積極的に導入・運用すべきものとされている。ニュース記事で触れられている「SAST」(Static Application Security Testing)は、コードを実行せずに静的に解析し、潜在的な脆弱性を検出するツールだ。これは開発の初期段階からコードの安全性を高めるために活用される。また、「SCA」(Software Composition Analysis)は、使用しているオープンソースコンポーネントやライブラリに既知の脆弱性がないかを自動で分析するツールだ。これらは顧客のコード資産を保護するために不可欠なツールであり、その導入と、分析結果に基づく対応は完全に顧客の責任範囲に属する。

このように、責任共有モデルを理解することで、システムエンジニアとしてどこまで自身のセキュリティ責任があるのか、そしてどこからがクラウドプロバイダーが提供してくれるセキュリティなのかを明確に区別できる。これにより、あなたは無駄なく、かつ漏れなくセキュリティ対策を計画し、実行することが可能になる。CSPが提供する強固な基盤の上に、顧客自身の責任でアプリケーションのセキュリティを築き上げることで、より堅牢で信頼性の高いシステムを構築できるのだ。このモデルを正しく理解し、自身の責任範囲におけるセキュリティ対策に注力することは、システム開発を成功させる上で非常に重要であり、システムエンジニアとして求められる基本的なスキルの一つであると言える。

関連コンテンツ

関連IT用語