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アーカイブファイル(アーカイブファイル)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

アーカイブファイル(アーカイブファイル)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

アーカイブファイル (アーカイブファイル)

英語表記

archive file (アーカイブファイル)

用語解説

アーカイブファイルとは、複数のファイルやディレクトリ(フォルダ)を、それらの構造を保ったまま一つのファイルにまとめたものである。データの保管や転送を効率的に行うことを主な目的として利用される。この技術により、関連する多数のファイルを一括で扱えるようになり、管理が非常に容易になる。例えば、電子メールで複数のファイルを送信する際に、ZIPファイルとして添付することが多いが、このZIPファイルもアーカイブファイルの一種である。

アーカイブファイルの最大の利点は、ファイル群の一元管理を可能にすることである。システム開発プロジェクトでは、ソースコード、設計書、画像データ、設定ファイルなど、多種多様なファイルが生成される。これらを個別に管理するのは煩雑であり、ファイルの一部を紛失したり、バージョン管理に失敗したりするリスクが伴う。しかし、関連するファイルやディレクトリ一式を一つのアーカイブファイルにまとめることで、単一のエンティティとして扱うことが可能になる。これにより、バックアップの取得、バージョン管理システムへの登録、他者への提供といった作業が、シンプルかつ確実に行えるようになる。アーカイブファイルは内部に元のディレクトリ階層構造を保持しているため、展開(元の状態に戻すこと)すれば、ファイル構成を完全に復元できる。

データ転送の効率化も、アーカイブが利用される重要な理由の一つである。インターネットなどのネットワークを介して多数の小さなファイルを一つずつ送信する場合、それぞれのファイルごとに通信の接続確立や切断といった制御処理が発生する。この制御処理はオーバーヘッドとなり、データ本体の転送以外の時間とリソースを消費するため、全体の転送速度が低下する原因となる。一方、ファイルを一つにまとめてアーカイブ化してから送信すれば、通信の接続・切断処理は一度で済み、このオーバーヘッドを大幅に削減できる。結果として、個別に送信する場合と比較して、全体の転送時間を短縮できる。

また、アーカイブファイルはデータの長期保管やシステムのバックアップにも不可欠な技術である。特にUNIXやLinuxといったオペレーティングシステム環境では、ファイルの所有者、グループ、パーミッション(読み取り・書き込み・実行の権限)、最終更新日時といった、ファイルそのもののデータ以外の付随情報(メタデータ)がシステムの正常な動作に重要な役割を果たす。TAR形式などのアーカイブツールは、これらのメタデータを完全に保持したままファイルをまとめることができる。この特性により、システムのフルバックアップを作成し、障害発生時に正確な状態でシステムを復元したり、サーバーを新しいハードウェアに移行したりすることが可能となる。

多くのアーカイブファイル形式は、データ圧縮の機能も同時に提供する。アーカイブ(まとめる処理)と圧縮(データサイズを小さくする処理)は厳密には異なる概念だが、実用上はセットで扱われることが多い。データを圧縮することでファイルサイズが小さくなり、ストレージのディスク容量を節約できるほか、データ転送に必要な時間をさらに短縮できるというメリットがある。例えば、ZIP形式はアーカイブと圧縮を同時に行う代表的な形式である。一方で、TAR形式のようにアーカイブ機能のみを提供し、gzipやbzip2といった別の圧縮ツールと組み合わせて使用する形式もある。この場合、ファイルの拡張子は「.tar.gz」や「.tar.bz2」のようになる。これは、UNIXの「一つのツールは一つのことをうまくやる」という設計思想を反映したもので、柔軟な組み合わせが可能となる。

代表的なアーカイブファイル形式にはいくつかの種類が存在し、用途に応じて使い分けられる。最も広く普及しているのがZIP形式(.zip)である。WindowsやmacOSなど多くのオペレーティングシステムで標準的にサポートされており、特別なソフトウェアを導入しなくても作成・展開が可能である。パスワードによる暗号化機能も備えており、手軽さと汎用性の高さから広く利用されている。UNIX/Linux環境ではTAR形式(.tar)が古くから標準として使われている。前述の通り、ファイルシステムのメタデータを忠実に保持する能力に長けているため、ソフトウェアのソースコード配布やシステムのバックアップ用途で広く採用されている。他にも、より高い圧縮率を特徴とするRAR形式(.rar)や7z形式(.7z)などがある。これらは特に大容量のデータを扱う際に効果を発揮する。

アーカイブファイルの操作は、OSの標準機能や専用のソフトウェア、あるいはコマンドラインツールを用いて行う。システムエンジニアは、サーバー環境での作業が多いため、ziptarといったコマンドを使いこなし、スクリプトに組み込んでバックアップ処理を自動化するといったスキルが求められる。例えば、Webサーバーの日々のアクセスログを深夜に自動でアーカイブ・圧縮して別のストレージに保管する、といった運用は典型的な使用例である。

このように、アーカイブファイルは単にファイルを束ねるだけの技術ではなく、データ管理の効率化、転送速度の向上、確実なバックアップとリストアを実現するための基盤技術である。システム開発、運用、保守のあらゆる場面で活用されており、その仕組みと適切な利用方法を理解することは、システムエンジニアにとって不可欠な基礎知識と言える。

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