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FDDI(エフディーディーアイ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

FDDI(エフディーディーアイ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ファイバー分散データインターフェース (ファイバーブンサンデータインターフェース)

英語表記

FDDI (エフディーディーアイ)

用語解説

FDDIはFiber Distributed Data Interfaceの略称であり、光ファイバを利用した高速なデータ通信ネットワークの標準規格の一つである。主に1980年代後半から1990年代にかけて、当時主流であったイーサネット(Ethernet)やトークンリング(Token Ring)の速度限界を超え、より高速なバックボーンネットワークやキャンパスネットワークの構築を目的として開発された。アメリカ国家規格協会(ANSI)によって標準化され、その転送速度は100Mbpsであった。

FDDIが登場した背景には、コンピュータの性能向上とグラフィックス、CAD/CAM、大容量データベースといったアプリケーションの普及があった。これらのアプリケーションは、従来の10Mbpsイーサネットや4/16Mbpsトークンリングでは処理しきれないほどの大量のデータをネットワーク上でやり取りする必要があった。そのため、より高速かつ信頼性の高いネットワーク技術が強く求められていた。FDDIはこのような要求に応える形で、光ファイバの持つ長距離伝送能力とノイズ耐性、そして高い信頼性を兼ね備えた技術として注目された。

FDDIの最も特徴的なアーキテクチャは、その「デュアルリング構造」にある。これは、プライマリリングとセカンダリリングという2つの物理的に独立したリングから構成される。通常時、データはプライマリリング上を流れるが、セカンダリリングはバックアップとして待機している。これにより、ケーブルの断線やノードの故障といった単一障害が発生した場合でも、残りの健全なリング部分を利用してネットワークの接続性を維持できる。この自己修復機能は「リングラップ(Ring Wrap)」または「自己修復(Self-healing)」と呼ばれ、FDDIの耐障害性を飛躍的に高める重要なメカニズムであった。具体的には、障害が発生した箇所でプライマリリングとセカンダリリングが結合され、残りの健全な部分で新たな単一リングを形成し、通信を継続する。

データ伝送方式には「トークンパッシング方式」が採用されている。これは、ネットワーク上を循環する「トークン」と呼ばれる特殊なデータフレームを保持しているステーション(ノード)のみがデータ送信の権利を持つ方式である。この方式は、イーサネットのCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)のようにデータ衝突が発生することがなく、ネットワークの負荷が高まっても安定したパフォーマンスを予測しやすいという利点があった。FDDIは、このトークンパッシング方式を用いて、同期通信と非同期通信の両方をサポートしていた。同期通信は音声や動画といったリアルタイム性を要求されるデータに適しており、非同期通信は通常のデータ転送に用いられた。

FDDIは光ファイバを伝送媒体として利用するため、ノイズの影響を受けにくく、長距離伝送が可能であった。リング全体の最大伝送距離は100kmに達し、ノード間の最大距離も2kmと長く、広大なキャンパスや複数の建物を跨ぐネットワークの構築に適していた。また、最大500台のノードを接続できる能力も持っていた。FDDIリングに接続するステーションには、「クラスAステーション(Dual Attached Station, DAS)」と「クラスBステーション(Single Attached Station, SAS)」の2種類があった。クラスAステーションは2つのリングの両方に直接接続され、高い冗長性と耐障害性を必要とするサーバやルータなどで利用された。一方、クラスBステーションはプライマリリングにのみ接続され、通常は「コンセントレータ(集中装置)」を介してFDDIリングに接続された。コンセントレータは複数のクラスBステーションを集約し、FDDIリングへと接続するためのデバイスであり、これによりスター型のトポロジーを持つサブネットワークをFDDIリング上に構築することも可能であった。

FDDIは当時の最先端技術として、高性能と高信頼性を提供したが、その導入コストは高額であった。光ファイバケーブル自体の費用に加え、FDDI対応のネットワークインターフェースカード(NIC)やハブ、ルータなどの機器も高価だったため、一般企業が気軽に導入できるものではなかった。

1990年代後半に入ると、イーサネット技術の急速な進化がFDDIの普及を阻んだ。特に、既存の銅線ケーブルインフラを流用できるFast Ethernet(100Mbps)が登場し、FDDIと同等の速度をはるかに低いコストで実現した。さらに、ギガビットイーサネット(Gigabit Ethernet, 1Gbps)が普及すると、FDDIの速度的な優位性は完全に失われた。これらの技術は、FDDIが持っていた耐障害性や長距離伝送能力の一部を代替しつつ、圧倒的なコストパフォーマンスで市場を席巻した。結果として、FDDIは高速バックボーンネットワークとしての役割をATM(Asynchronous Transfer Mode)やGigabit Ethernetに譲り、徐々にその姿を消していった。しかし、FDDIが確立した光ファイバによる高速、高信頼性ネットワークの概念や、デュアルリングによる耐障害性の実装は、その後のネットワーク技術の発展に大きな影響を与えた。

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