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ティアリング(ティアリング)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

ティアリング(ティアリング)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ティアリング (ティアリング)

英語表記

tearing (ティアリング)

用語解説

ティアリングとは、ディスプレイに表示される画像が、水平方向の線によって上下でずれて見える視覚的な異常現象である。これは、グラフィックス処理装置(GPU)が画像を生成する速度と、ディスプレイが画像を更新する速度の間に同期が取れていない場合に発生する。特に、動画やゲームといった動きの速いコンテンツを表示する際に顕著に現れ、画面の途中で画像が引き裂かれたように見えることから、この名称がつけられた。システムエンジニアを目指す上で、グラフィック表示に関わるアプリケーションやシステムの設計・開発において、このティアリング現象とその対策は重要な知識である。

ティアリングが発生するメカニズムをより詳しく見ていこう。一般的なディスプレイは、一定の時間間隔で画面全体を上から下へ走査し、表示を更新する。この更新頻度はリフレッシュレートと呼ばれ、通常は60Hz(ヘルツ)や144Hzといった値で表される。一方、GPUはアプリケーションからの命令に基づいて、表示すべき画像を生成し続ける。このGPUが画像を生成する速度はフレームレートと呼ばれる。GPUは生成した画像をフレームバッファと呼ばれるメモリ領域に書き込み、ディスプレイはこのフレームバッファからデータを読み取って画面に表示する。ティアリングは、ディスプレイが画面を更新している途中で、GPUがフレームバッファに次の新しいフレームの描画を始めてしまったときに発生する。例えば、ディスプレイが画面の上半分を表示し終え、下半分を表示しようとしている最中に、GPUが新しい完全なフレームをフレームバッファに書き込んでしまった場合、ディスプレイは画面の上半分に古いフレームの情報を、下半分には新しいフレームの情報を表示することになる。結果として、上下で異なるフレームのデータが表示され、その境目に水平のずれ、つまりティアリングが発生する。この現象は、GPUのフレームレートがディスプレイのリフレッシュレートよりも高い場合や、逆に低い場合でも発生する可能性がある。重要なのは、ディスプレイの走査とGPUのフレームバッファへの書き込みが同期していない点である。

ティアリングがもたらす影響は主に視覚的な不快感である。ゲームにおいては、キャラクターや背景が不自然に歪んだり、動きが途切れたりすることで、没入感が損なわれるだけでなく、状況判断の妨げになることもある。動画再生においても同様に、映像が一時的に不連続になることで視覚的な不快感を与え、コンテンツの品質を低下させる。

このティアリング現象を解決するための主要な技術がいくつか存在する。最も基本的な対策の一つに、垂直同期(V-SyncまたはVertical Synchronization)がある。V-Syncは、GPUが新しいフレームの描画を開始するタイミングを、ディスプレイの垂直帰線期間(画面の描画が完了し、次の描画サイクルが始まるまでのごく短い時間)に合わせることで、ティアリングを防ぐ。これにより、ディスプレイが画面全体を古いフレームで表示し終えるまで、GPUは新しいフレームの書き込みを待機する。この方法はティアリングを効果的に抑制するが、GPUのフレームレートがディスプレイのリフレッシュレートよりも高い場合に、GPUが待機する時間が発生するため、描画されたフレームが画面に表示されるまでの遅延、いわゆる入力遅延(インプットラグ)が増加するという副作用がある。また、GPUのフレームレートがリフレッシュレートを下回ると、カクつき(スタッタリング)が発生する可能性もある。

近年では、このV-Syncの欠点を補うために、ディスプレイ側のリフレッシュレートをGPUのフレームレートに動的に合わせる技術が登場している。代表的なものに、NVIDIA社の「G-Sync」とAMD社の「FreeSync」がある。これらの技術は、ディスプレイに専用のコントローラを搭載したり、オープンスタンダードなプロトコルを利用したりすることで、ディスプレイのリフレッシュレートをGPUからの信号に合わせてリアルタイムで変動させる。これにより、GPUがフレームの描画を完了した時点でディスプレイもそのフレームの表示準備ができるため、ティアリングの発生を防ぎつつ、V-Syncで問題となった入力遅延やスタッタリングを大幅に軽減できる。

システムエンジニアとして、グラフィックを多用するアプリケーションや、高精細な映像表示が求められるシステムを開発する際には、これらの同期技術がどのように機能し、どのようなメリット・デメリットを持つかを理解しておくことは非常に重要である。特に、ユーザー体験がグラフィック性能に大きく左右される分野、例えばリアルタイムシミュレーション、ゲーム、プロフェッショナルな映像編集ソフトウェアの開発などでは、ティアリングのないスムーズな表示を実現することが必須要件となる場合が多い。ティアリングは、単なる視覚的な不具合に留まらず、表示システムの性能とユーザー体験に直結する重要な問題である。これを適切に理解し、対策を講じることは、現代のコンピューティング環境における高品質なグラフィック表示を実現するために不可欠な知識である。

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