【ITニュース解説】AI Lingo, Decoded: 20 Buzzwords You Need to Know
2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「AI Lingo, Decoded: 20 Buzzwords You Need to Know」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AI分野で飛び交う専門用語「LLM」「RAG」などに戸惑う初心者向けの記事。AIの基礎から活用まで役立つ主要20用語を、具体的な例を交え分かりやすく解説する。AI技術の理解を深め、今後の学習や仕事に役立てられる。
ITニュース解説
AIに関する専門用語が日々飛び交い、技術の進化の速さに戸惑いを感じる人も少なくないだろう。しかし、これらの用語を理解することは、AIが私たちの働き方や学習、技術利用をどのように変えていくかを把握する上で非常に重要だ。以下に、AIの世界で特に頻繁に耳にする20の重要用語を、システムエンジニアを目指す初心者にも分かりやすく解説する。
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API(Application Programming Interface) APIは、異なるソフトウェアプログラム同士が互いに通信し、機能やデータをやり取りするための取り決めや仕組みである。例えば、ウェブサイトでChatGPTを利用する場合、そのウェブサイトはOpenAIが提供するAPIを呼び出し、ユーザーの質問を送信し、ChatGPTからの応答を受け取っている。APIは、ソフトウェア間の連携を可能にする仲介役のような存在だ。
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LLM(Large Language Model) LLMは、大量の人間言語データを学習することで、人間のような自然な文章を理解し、生成する能力を持つ非常に高度なコンピュータプログラムだ。インターネット上の膨大なテキスト情報を学習しているため、メール作成や質問応答など多様な言語タスクに対応できる。ChatGPTやClaude、GoogleのGeminiなどがLLMの一例であり、「Large」は学習データの規模が大きいことを意味する。
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Hallucination(ハルシネーション) AIにおけるハルシネーションとは、AIが事実に基づかない、誤った情報をあたかも真実であるかのように自信を持って提示する現象を指す。AIが生成した情報が信頼できるものか、常に検証する必要がある。
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Multimodal(マルチモーダル) マルチモーダルとは、AIがテキストだけでなく、画像、音声、動画など、複数の異なる種類のコンテンツを処理できる能力を指す。例えば、GPT-4は画像を入力として受け取り、その画像について質問に答えることができるため、マルチモーダルなAIと言える。
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Open Source vs Closed Source(オープンソース vs クローズドソース)
- オープンソースのAIモデルは、その内部のコードやデータ、仕組みが一般に公開されており、誰でも自由に利用、修正、配布、改善できる。MetaのLlamaやStability AIのモデルがこれに該当する。
- クローズドソースのAIモデルは、その内部構造や具体的な開発手法が非公開で、開発元の企業が管理する。OpenAI(ChatGPT)やAnthropic(Claude)のモデルが該当し、一般的には製品としての完成度が高いが、透明性は低い。
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Token(トークン) トークンは、AIが言語を処理する際に、文章をより小さな単位に分解したものだ。単語、単語の一部、または句読点などがトークンとして扱われる。例えば、「Hello world!」というフレーズは、「Hello」、「 world」、「!」の3つのトークンに分解される。AIサービスの利用料金は、使用されるトークンの数に基づいて計算されることが多く、トークン数が増えればコストも上がる。
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Context Window(コンテキストウィンドウ) コンテキストウィンドウとは、AIが一度に「記憶」し、処理できる過去の会話やテキストの量のことだ。AIとの会話が長時間に及ぶと、以前の話題を忘れてしまうことがあるが、これはコンテキストウィンドウの限界に達したためである。最近のAIモデルは、このコンテキストウィンドウが非常に大きくなり、大量のテキストを一度に処理できる。
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Pretrained Models(事前学習済みモデル) 事前学習済みモデルとは、すでに膨大な量のテキストデータや画像データなどで広範囲に学習を終えているAIモデルのことだ。これにより、モデルは一般的な知識や能力を身につけている。ChatGPTやClaudeを使う際、私たちはすでに世界に関する一般的な事柄を学習した事前学習済みモデルを利用していることになる。
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Inference(推論) 推論とは、AIが学習済みの知識やパターンを利用して、入力された情報に対して応答を生成したり、予測を行ったりする過程のことだ。例えば、ChatGPTに質問を投げかけると、AIは学習した内容に基づいて最適な応答を生成するが、この一連の処理がリアルタイムでの推論にあたる。
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Parameter(パラメータ) パラメータは、AIモデルの「脳の構造」を構成する非常に多数の微細な調整点や設定のことだ。ニューロン間の接続強度に例えられることもあり、AIの振る舞いや学習内容を決定する。例えば、「GPT-4は1.8兆個のパラメータを持つ」とは、訓練中に調整された設定値が1.8兆個あるという意味になる。パラメータ数が多いほどAIの能力は高まる傾向にあるが、それに伴い計算処理に必要な資源も増大する。
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Prompt Engineering(プロンプトエンジニアリング) プロンプトエンジニアリングとは、AIから最大限に効果的な結果を引き出すために、AIへの指示(プロンプト)を工夫して作成する技術のことだ。単に「メールを書いて」と指示するのではなく、「プロジェクト延期について顧客へ謝罪と信頼感を伝えるビジネスメールを150字で作成して」のように、具体的かつ明確な指示を与えることで、AIの応答の質を高めることができる。
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Fine Tuning(ファインチューニング) ファインチューニングは、すでに一般的な知識を学習している事前学習済みAIモデルを、特定の分野やタスクに特化した追加データを用いて再学習させるプロセスである。これにより、モデルはその特定のタスクにおいて専門的な知識や能力を発揮できるようになる。例えば、医療レポートで言語モデルをファインチューニングすることで、医師の業務を支援する特化型AIを開発できる。
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Embeddings(エンベディング) エンベディングとは、言語や概念をコンピュータが計算可能な数値のベクトル表現に変換する技術だ。それぞれの単語や概念に、多次元空間上の「座標」を与えるようなものだ。意味的に近い単語や概念は、この数値空間内で互いに近い位置に配置される。これにより、AIは「子犬」が「犬」に近く、「数学」からは遠いといった単語間の関係性を理解できる。
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Vector Database(ベクトルデータベース) ベクトルデータベースは、エンベディングによって数値化されたベクトルデータを効率的に格納し、検索するために特化したデータベースである。特定の情報に「似ている」情報を高速に探し出すのに優れている。例えば、「猫について教えて」という質問に対し、ベクトルデータベースは「猫」のベクトル座標に近いすべての情報を瞬時に見つけ出すことができる。
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RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成) RAGは、AIが質問に答える際に、自身の学習データのみに頼るのではなく、外部のデータベースや文書から関連情報を検索し、その情報を基に回答を生成する手法だ。これにより、AIはより正確で最新の情報を参照できるため、ハルシネーション(誤情報生成)のリスクを減らし、回答の信頼性を高めることができる。
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AI Agents(AIエージェント) AIエージェントは、単にチャットするだけでなく、特定の目標を達成するために自律的に行動できる仮想のパーソナルアシスタントのようなAIシステムだ。メールの作成、会議のスケジュール設定、オンラインでの注文など、複数のステップを要するタスクを実行し、現実世界でのさまざまなアプリケーションやサービスを通じて機能する。
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Agentic AI(エージェンティックAI) エージェンティックAIとは、AIシステムが人間の絶え間ない指示なしに、自ら判断し、行動を計画し、実行できる能力を指す。これは、複雑なタスクを小さなステップに分解し、計画通りに進まない場合に学習して修正しながら、最終目標に向かって自律的に進むことができるシステムだ。
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MCP(Model Context Protocol) MCPは、異なるAIツールやシステムがスムーズに相互作用するための共通の通信規約または「翻訳プロトコル」の一種である。これにより、AIモデル間でデータや情報を統一された方法で送受信できるようになり、複数のAIシステムが連携して動作する際の互換性と効率性が向上する。
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Reinforcement Learning(強化学習) 強化学習は、AIが試行錯誤を通じて学習する方法である。AIは何らかの行動をとり、その結果として「報酬」または「罰」を受け取る。良い結果につながる行動には報酬を与え、悪い結果につながる行動には報酬を与えないことで、AIは時間とともに最適な行動パターンを自ら見つけ出して学習していく。ChatGPTが自然な会話を生成できるように訓練されたのも、この強化学習の応用によるものだ。
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Reasoning Models(推論モデル) 推論モデルは、複雑な問題を段階的に、論理的に思考し、解決策を導き出すことに特化したAIシステムだ。単に回答を提示するだけでなく、その思考プロセスを分解して説明できる能力を持つ。OpenAIのo1モデルのように、質問に対して時間をかけて「考える」ことで、プログラミングや科学的クエリなどの難しいタスクでより正確な結果を生み出すことができる。
これらの用語を理解することは、AIの専門家になるための第一歩ではないが、急速に進化するAI技術を理解し、私たちの生活にAIがより深く関わるようになる中で、その変化に遅れずについていくために非常に役立つ。これらの専門用語の背景には、単に人間の理解を深め、より効果的に支援できるツールとしてのAIシステムの開発という、共通の目標が存在する。