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【ITニュース解説】Auto-Generate API Gateway Terraform from OpenAPI Specs

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「Auto-Generate API Gateway Terraform from OpenAPI Specs」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

API設計書(OpenAPI)からAWS API GatewayのTerraformコードを自動生成するツールが登場。設計書にインフラ情報を追記するだけで、手作業での二重管理が不要になる。これにより、迅速で一貫性のあるAPIインフラ構築を実現する。

ITニュース解説

Webサービスやアプリケーション開発において、APIは中心的な役割を担っている。APIとは、異なるソフトウェア同士が情報をやり取りするための約束事や窓口のことであり、このAPIを外部に安全かつ効率的に公開するために、Amazon Web Services (AWS) が提供する「API Gateway」のようなサービスが広く利用されている。通常、APIを開発する際には、まずそのAPIがどのような機能を持つのか、どのようなデータを受け取り、どのようなデータを返すのかを定義した「OpenAPI仕様書」と呼ばれる設計図を作成する。そして、その設計図に基づいて、API Gatewayの設定を手作業で行うか、もしくは「Terraform」のようなインフラをコードで管理するツールを使って構築するのが一般的であった。

しかし、この従来の方法には課題が存在する。それは、OpenAPI仕様書に記述したAPIのパスやメソッドといった情報を、Terraformの設定コードにもう一度書き写す必要があるという点だ。例えば、仕様書に「/paymentsというパスに対してPOSTメソッドでリクエストを受け付ける」と定義した場合、Terraformでも同様に「/paymentsへのPOSTリクエストを受け付けるルートを作成する」というコードを記述しなければならない。これは実質的に同じ情報を二つの異なる場所で管理することを意味し、非効率であるだけでなく、仕様書を更新した際にTerraform側の修正を忘れるといったヒューマンエラーの原因にもなり得る。APIのエンドポイントが増えるたびに、この退屈で間違いやすい作業を繰り返す必要があった。

この問題を解決するため、APIの設計図であるOpenAPI仕様書そのものを、インフラを定義するための唯一の情報源(Single Source of Truth)として扱おうというアプローチが登場した。今回紹介するツール「Striche Gateway」は、この考え方を具現化したもので、OpenAPI仕様書からAWS API Gatewayを構築するためのTerraformコードを自動的に生成する機能を提供する。これにより、開発者はTerraformコードを手で書く必要がなくなり、APIの仕様定義に集中できるようになる。

この仕組みの核となるのは、OpenAPI仕様書の「ベンダー拡張」という機能を活用する点にある。OpenAPI仕様書では、x-から始まる独自のフィールドを追加して、標準仕様にはない情報を埋め込むことが許されている。このツールでは、この仕組みを利用してインフラに関する設定情報を仕様書内に直接記述する。例えば、APIのエンドポイント定義の中にx-serviceというフィールドを追加して、そのリクエストを処理するバックエンドサービスを指定したり、x-rate-limitというフィールドで、1分間あたりのリクエスト数制限といった性能に関する設定を定義したりする。

ツールは、このようにインフラ設定が追記されたOpenAPI仕様書を読み込むと、まずAPIの構造(パス、メソッドなど)と、x-で始まる独自のインフラ設定情報を解析する。次に、その解析結果をあらかじめ用意されたTerraformコードのテンプレートに流し込むことで、API Gatewayのリソース定義、各エンドポイントへのルーティング設定、レート制限の設定などを含む、完全なTerraformコード一式を自動で生成する。生成されたコードは、人間が手で書いたものと遜色ない、標準的で読みやすい構成になっている。開発者は、生成されたコードに対してterraform applyというコマンドを実行するだけで、仕様書通りのAPI GatewayがAWS上に自動的に構築される。

このアプローチがもたらすメリットは大きい。まず、Terraformコードの記述にかかっていた時間が劇的に削減され、開発の生産性が向上する。また、ツールが生成するコードは一貫したパターンに基づいているため、手作業で起こりがちな設定ミスや、プロジェクトごとの設定のばらつきを防ぎ、インフラの品質を均一に保つことができる。最も重要なのは、APIの仕様とインフラ構成がOpenAPI仕様書という単一のドキュメントに集約される点だ。APIに新しい機能を追加したり、設定を変更したりする場合も、仕様書を修正してツールを再実行するだけで、インフラが自動的に追従して更新されるため、メンテナンス性が大幅に向上し、ドキュメントと実際のインフラが乖離する問題も解消される。

さらに、このツールは複数のマイクロサービスのAPIを単一のAPI Gatewayで統合管理する「ユニファイドゲートウェイ」パターンの実現も容易にする。認証サービス、決済サービス、注文サービスといった、それぞれ独立して開発された複数のサービスのOpenAPI仕様書をまとめてツールに渡すことで、利用者から見ると一つのAPIエンドポイントでありながら、リクエストのパスに応じて適切なバックエンドサービスに自動で振り分ける、賢いAPI Gatewayを簡単に構築できる。

このように、OpenAPI仕様書を単なるドキュメントからインフラを定義する設計図へと昇格させる考え方は、APIの設計とインフラの構築という二つのプロセスをシームレスに繋ぎ、開発プロセス全体の自動化と効率化を促進する。これは、インフラ管理をより宣言的に、そして手作業をより少なくするという、現代のソフトウェア開発が目指す方向性を示す重要な一歩と言えるだろう。

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