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【ITニュース解説】Designing a Global Azure Network Infrastructure: A Hands-On Guide to the AZ-700

2025年09月19日に「Dev.to」が公開したITニュース「Designing a Global Azure Network Infrastructure: A Hands-On Guide to the AZ-700」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Azureでグローバルな仮想ネットワークを設計・実装する実践ガイド。架空企業Contoso社の事例を通じ、スケーラブルで安全なAzureネットワークの構築手順と、AZ-700資格の基礎スキルを学べる。地域分散やセキュリティを考慮したVNet設計の重要性を理解できる。

ITニュース解説

クラウド上で大規模な企業ネットワークをどのように構築するか、その設計と実装の基本をContoso社という架空の企業の事例を通じて解説する。この内容は、Microsoft Azureでのネットワークソリューション設計と実装スキルを証明するAZ-700認定資格にも直結する重要な知識である。

企業がクラウドに移行し、ビジネスをグローバルに展開する際、ネットワークの基盤は非常に重要になる。パフォーマンス、セキュリティ、そして将来の成長に対応できる柔軟な設計が求められる。Contoso社は、オンプレミスからAzureへの移行を進めており、全世界に分散した事業拠点に対応できる、スケーラブルで安全なネットワークインフラの構築を目指している。

Azureでネットワークを設計する際、まず理解すべきは「仮想ネットワーク(VNet)」の概念である。VNetは、クラウド上に自分専用の隔離されたネットワーク空間を作り出すもので、その中に仮想マシンやデータベースなどのリソースを配置する。さらにVNetを「サブネット」と呼ばれる小さな区画に分割することで、特定の用途やセキュリティレベルに応じたネットワーク環境を構築できる。

Contoso社のグローバルネットワークは、主に三つのVNetで構成されている。一つ目は、アメリカ東部リージョンに設置された「CoreServicesVnet」だ。これはContoso社のITインフラの中心となるネットワークで、顧客向けのWebサービス、機密性の高いデータベース、そしてActive DirectoryやDNSサーバーといった他のネットワークが依存する共有サービスがここに集約される。将来的にオンプレミスのデータセンターと安全に接続するためのVPNゲートウェイも、このVNet内に設置される計画だ。多くのIPアドレスを確保するため、大規模な「/16」というアドレス空間が割り当てられている。

二つ目は、西ヨーロッパリージョンに置かれた「ManufacturingVnet」である。これはContoso社の製造工場に近接するよう設計されており、工場内の膨大なIoTセンサーから送られてくるデータを処理することを主な目的としている。温度監視や生産ラインの効率管理など、大量のデータに対応できるよう、ここでも「/16」のアドレス空間が使われ、複数のサブネットに分割することで、効率的なトラフィック管理とセキュリティの分離を可能にする。

三つ目は、東南アジアリージョンに構築された「ResearchVnet」だ。これはContoso社の研究開発チームをサポートするためのネットワークで、少数の仮想マシンが安定した安全な環境でテストや開発を行うことを想定している。現在の必要性から見ると「/16」のアドレス空間は大きいと感じるかもしれないが、将来的な拡張性や一貫性を考慮したベストプラクティスに基づいている。

これらのVNet設計において最も重要なルールは、IPアドレス空間が互いに重複しないようにすることである。Contoso社の既存のオンプレミスネットワークが使用する「10.10.0.0/16」と、Azure上の三つのVNetがそれぞれ使用する「10.20.0.0/16」「10.30.0.0/16」「10.40.0.0/16」は、すべて異なるアドレス空間を持つ。この綿密な計画があるからこそ、将来的にVNetピアリングやゲートウェイを通じてこれら全てのネットワークをシームレスに接続し、ルーティングの競合を起こさずにグローバルなハイブリッドネットワークを構築できるのだ。

実際の構築作業は、まず「リソースグループ」と呼ばれる論理的なコンテナを作成するところから始まる。これは、プロジェクトに関連する全てのリソース(VNet、仮想マシンなど)を一つにまとめる「フォルダ」のようなもので、管理、コスト追跡、そしてプロジェクト終了時のクリーンアップを容易にする。Contoso社では、「ContosoResourceGroup」という名前のリソースグループが作成され、すべてのネットワークコンポーネントがこの中に配置される。

次に、「CoreServicesVnet」とそのサブネットの作成に進む。このVNetは、複数のサブネットに細かく分割される点が特徴だ。 一つは「GatewaySubnet」という特別な名前のサブネットで、これはVPNやExpressRouteゲートウェイを配置するためにAzureが予約しているものだ。将来的にオンプレミスとの接続に必要となるため、最低推奨サイズである「/27」のアドレス空間を確保する。 もう一つは「SharedServicesSubnet」で、「10.20.10.0/24」のアドレス空間を持ち、ドメインコントローラーやDNSサーバーといった共有インフラストラクチャを格納する。ここには厳格なネットワークセキュリティグループ(NSG)が適用される。 「DatabaseSubnet」は「10.20.20.0/24」のアドレス空間でデータベースサーバー専用とし、Webサービスからの通信のみを許可するなど、最も制限の厳しいNSGが設定される。 「PublicWebServiceSubnet」は「10.20.30.0/24」のアドレス空間で、インターネットに公開されるWebサーバーを配置する。HTTP/HTTPSトラフィックを許可するNSGが適用される。 これらのサブネットには、管理やトラブルシューティングを容易にするために「.10.x」「.20.x」「.30.x」といった論理的なIPナンバリングスキームが採用されている。

「ManufacturingVnet」では、IoTセンサーからのデータに対応するため、複数の「SensorSubnet」が用意される。例えば、「SensorSubnet1 (10.30.20.0/24)」「SensorSubnet2 (10.30.21.0/24)」といった具合だ。これにより、センサーネットワークを細かく制御し、問題が発生した場合でも影響範囲を限定できる。一方、「ResearchVnet」は小規模で安定したチーム向けのため、「ResearchSystemSubnet (10.40.0.0/24)」という単一のサブネットで十分であり、シンプルでコスト効率の良い設計となっている。

全てのVNetとサブネットが作成されたら、最も重要なステップは「検証」である。Azureポータル上で、すべてのVNetが意図したリージョンに作成されているか、各VNet内に設計通りのサブネットが存在し、IPアドレス範囲が正確に設定されているかを注意深く確認する。ここでの入力ミスは、後々の大きな問題に発展する可能性があるため、決して怠ってはならない。

このプロジェクトを通じて得られる重要な学びは、単にボタンをクリックしてリソースを作成するだけではない。リソースグループからVNet、そしてサブネットへと、多層的な視点でネットワークを設計することの重要性を理解する。サブネットをセキュリティ境界として捉え、中に配置されるリソースの要件に合わせて設計すること、そして将来の成長を見越して十分なIPアドレス空間を確保することの大切さも学ぶ。Azureを活用すれば、このように一貫性があり、安全なネットワークを世界中に展開し、アプリケーションをユーザーにより近い場所に配置することが容易になる。

今回構築したネットワークアーキテクチャは、VNetピアリングによるVNet間接続、ファイアウォールの配置、ロードバランサーの設定、そして真のハイブリッドネットワークを実現するための土台となる。この基礎を習得することが、Azureネットワークのエキスパートへの第一歩となるだろう。

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