【ITニュース解説】Confluence Data Classification Without Guard
2026年10月03日に「Dev.to」が公開したITニュース「Confluence Data Classification Without Guard」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Confluenceのデータ分類は通常Atlassian Guard Premium契約が必要だが、Sentinel VaultアプリはGuardなしでデータ分類を実現する。独自のレベル設定、JSM Assets連携、変更履歴記録が可能だ。ただし、アクセス制御の強制力はないため、用途に応じた使い分けが重要だ。
ITニュース解説
Confluence(コンフルエンス)は、チームがドキュメントを作成し、情報を共有するためのWebベースの共同作業ツールだ。会議の議事録、プロジェクト計画、製品仕様など、さまざまな情報を一元的に管理できる。企業では、多くの機密情報がConfluence上で扱われるため、これらの情報がどれくらいの重要性や機密性を持つのかを明確にすることが求められる場合が多い。これを「データ分類」と呼ぶ。
データ分類は、例えば「社外秘」「部外秘」「公開情報」といったラベルを情報に付与することで、その情報の取り扱いに関する認識を統一し、誤った共有や情報漏洩のリスクを低減するための重要なプロセスだ。また、企業のコンプライアンスや監査に対応するためにも、情報が適切に分類され、その変更履歴が管理されていることが求められることがある。
Confluenceの親会社であるAtlassian(アトラシアン)は、自社の製品群(Confluence, Jiraなど)に高度なセキュリティと管理機能を提供する有料サービスとして、Atlassian Guard Premium(アトラシアン・ガード・プレミアム)を提供している。このGuard Premiumには、Confluenceのデータ分類機能が含まれている。この機能を使えば、組織全体で最大10段階の分類レベルを設定し、各ページやスペースに適用できる。例えば、組織管理者がConfluenceの管理画面から分類レベルを定義し、それをコンテンツに適用するといったことが可能だ。
しかし、Confluenceでこのデータ分類機能を利用するには、Atlassian Guard Premiumへの加入が必須となる。多くのユーザー、例えばAdamやJohnといったConfluenceの管理者は、Confluenceのドキュメントでデータ分類に関する記事を見つけ、設定を試みたが、Guard Premiumを契約していなかったため、その設定項目自体が見つからないという問題に直面した。Atlassianの公式見解でも、データ分類機能はGuard Premium専用の機能であることが明言されている。つまり、Confluence StandardやPremiumプランを利用しているだけでは、この標準のデータ分類機能は利用できないのだ。Guard Premiumは、ユーザー数に応じて月額料金が発生するサービスであり、追加費用なしでは利用できないという制約がある。
ここで登場するのが、Sentinel Vault(センチネル・ヴォールト)というConfluence Cloud向けのアプリだ。このアプリは、Atlassian Guard Premiumを契約していないConfluenceユーザーでもデータ分類機能を利用できるようにするために開発された。Sentinel Vaultは、Guard Premiumが提供する分類機能の「ギャップ」を埋める役割を果たす。
Sentinel Vaultアプリの基本的な仕組みはこうだ。アプリが起動するたびに、Confluenceが公開している分類レベルを問い合わせる。もしConfluence側から分類レベルが提供されれば(つまりGuard Premiumが有効な場合)、Sentinel Vaultはそのレベルを読み取り専用で表示し、それを利用する。もしConfluence側から分類レベルが提供されなければ(つまりGuard Premiumが有効でない場合)、Sentinel Vaultはアプリ独自の分類レベルを使用する。ユーザーはモードを選ぶ必要はなく、どのプランを契約しているかをアプリに伝える必要もない。もし組織が後からGuard Premiumを導入し、標準の分類レベルを公開した場合でも、Sentinel Vaultは自動的にそれらのレベルに切り替わってくれる。
Sentinel Vault独自の分類レベルは、「Public(公開)」「Internal(社内)」「Confidential(機密)」「Restricted(制限)」の4段階から始まる。これらのレベル名は自由に変更でき、色もカスタマイズ可能だ。最大8段階まで増やすこともできる。これらの分類レベルはアプリによって管理され、Confluenceの各ページのコンテンツプロパティとして保存される。
分類機能を利用するには、サイト管理者がConfluenceの管理画面にあるSentinel Vaultの設定を開き、分類タブで機能を有効にする必要がある。最初は無効になっているため、手動でオンに切り替える。
Sentinel Vaultバージョン6.0.0からは、新しい機能として、Jira Service Management Assets(JSMアセット)から分類レベルをインポートする機能が追加された。JSM Assetsは、組織内の様々な資産情報(IT機器、ソフトウェア、従業員、情報分類ポリシーなど)を管理するための機能だ。もし組織が既にJSM Assetsで情報分類ポリシーを管理しているのであれば、その情報をSentinel Vaultに手動で入力し直す手間を省き、Assetsから直接分類レベルを取り込むことができる。このインポート機能は、サイト管理者のみが利用可能で、Sentinel Vaultが独自の分類スキームを使用している場合に表示される。JSM Assetsで分類レベルが変更された場合でも、自動同期はされないため、必要に応じて再度インポートボタンを押すことで更新される。この機能を利用するには、Sentinel VaultアプリがConfluenceだけでなく、Jira(JSM Assetsが動作する場所)にもインストールされている必要がある。
Sentinel Vaultでは、各スペースに対してデフォルトの分類レベルを設定することも可能だ。これは、手動で分類されていないページが、そのスペースのデフォルト分類レベルを自動的に引き継ぐようにするためのものだ。これにより、多くのページに個別に分類を設定する手間が省ける。スペースのデフォルト分類レベルは、サイト管理者だけでなく、設定によってはスペース管理者も設定できる。
分類が有効になると、Confluenceの各ページには、ページタイトル下のチップとページ上部のバナーの2箇所にその分類レベルが表示される。ページ編集権限を持つユーザーは、このチップをクリックして、ページの分類レベルを変更できる。バージョン6.4.0からは、分類レベルの変更方法がさらに細かく管理されるようになった。例えば、より機密性の低いレベルから「より機密性の高いレベルへ引き上げる」場合は、選択後すぐに保存される。しかし、「より機密性の低いレベルへ引き下げる」、あるいは「分類を解除する」場合は、その理由の入力を求められる。この理由はページの活動履歴として記録され、誰が、いつ、なぜ分類を変更したのかを明確に把握できるため、監査対応において非常に有用だ。スペース管理者は、この変更履歴をCSV形式でエクスポートすることも可能だ。
データ分類は情報の重要度を示すものだが、Sentinel Vaultにはファイルを実際に保護する「封印(Sealing)」機能も用意されている。ページの「…」メニューから「Seal attachments…」を選ぶことで、添付ファイルを封印できる。封印されたファイルは、もし誰かが上書きしても、元の封印されたバージョンに復元される。また、誤って削除されても元の状態に戻せる。さらに、Sentinel Vault Sealed Sectionマクロを使えば、ページの一部を封印することも可能だ。
セキュリティをさらに高めるために、封印に関する重要な操作(封印、解除、変更など)には、認証アプリを用いた二要素認証(2FA)を要求する設定も利用できる。これにより、操作の正当性をさらに確実にすることができる。
ここで、Sentinel VaultとAtlassian Guard Premiumのデータ分類機能の決定的な違いを明確にしておく必要がある。Sentinel Vaultの提供する分類は、あくまで「ラベルと記録」だ。それはユーザーに対して情報の重要度を視覚的に示し、分類の変更履歴を残すためのツールである。Sentinel Vaultの分類レベルが付与されていても、それ自体がページの閲覧、エクスポート、コピーといったユーザー操作を直接的に阻止するものではない。一方、Guard Premiumの分類機能はこれとは異なり、Atlassianの公式説明にもあるように、管理者がデータ分類レベルに基づいて「ユーザーの操作を制御するポリシー」を設定できる。つまり、Guard Premiumは分類レベルに応じて、特定のユーザーが機密性の高い情報をエクスポートできないようにするといった「強制力」を持つことができるのだ。
したがって、もし監査要件が「すべてのページに分類ラベルが付けられ、その変更履歴が記録されていること」を求めているのであれば、Sentinel Vaultで十分対応可能だ。しかし、「分類レベルに基づいてアクセスや操作を物理的に制限・強制すること」を求めているのであれば、Atlassian Guard Premiumが必要となる。
Sentinel Vaultの最新リリースであるバージョン6.6.0では、アプリの設定、封印状態、分類情報がアンインストール後もバックアップ、復元、エクスポート、インポートで維持されるようになった。これは、アプリを再インストールしたり、Confluenceサイトの移行を行う際に、設定が失われる心配がないため、運用上の大きなメリットとなる。
まとめると、もしあなたがAtlassian Guard Premiumを契約していないConfluenceユーザーで、社内からの要求でページのデータ分類やその変更履歴の記録が必要になっているのであれば、Sentinel Vaultは費用対効果の高い解決策となるだろう。しかし、情報漏洩を防ぐための強制的なアクセス制御やポリシー適用が必要な場合は、Guard Premiumの導入を検討する必要がある。