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【ITニュース解説】Setting Up Django: Your Financial Tracker Starts Here

2025年09月12日に「Dev.to」が公開したITニュース「Setting Up Django: Your Financial Tracker Starts Here」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Djangoで金融トラッカーを開発するための基礎を解説。Python仮想環境の作成、Djangoのインストール、そして新規プロジェクトの立ち上げまで、具体的な手順を追って説明する。これで開発の準備は完了だ。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す上で、Webアプリケーション開発の基盤となるフレームワーク「Django(ジャンゴ)」のセットアップは、最初の重要なステップとなる。これから作成する金融トラッカーのようなWebアプリケーションを開発するための土台をどのように築くか、その手順と、それぞれの工程が持つ意味について詳しく解説する。

まず、Pythonのプロジェクトを進める上で不可欠なのが「仮想環境」の作成である。Webアプリケーション開発では、特定のライブラリやツールをインストールして利用するが、これらをコンピュータのシステム全体にインストールすると、他のプロジェクトやPythonそのものの動作に影響を与えてしまう可能性がある。例えば、あるプロジェクトではライブラリAのバージョン1が必要だが、別のプロジェクトではバージョン2が必要になるという状況が起こりうる。このような「依存関係の衝突」を防ぎ、プロジェクトごとに必要なライブラリだけを独立して管理するための仕組みが仮想環境である。仮想環境は、プロジェクト専用の閉じたPython実行環境を作り出し、その中に必要なライブラリだけをインストールすることを可能にする。これにより、システム全体のPython環境を汚すことなく、安心して開発を進められる。

仮想環境を作成するには、プロジェクトのルートとなるフォルダ内でコマンドプロンプトやターミナルを開き、「python -m venv venv」と入力する。このコマンドは、Pythonの標準モジュールであるvenvを使って、「venv」という名前の仮想環境を現在のディレクトリ内に作成するという意味を持つ。作成された仮想環境を利用可能にするためには、「source venv/bin/activate」というコマンドを実行する必要がある。もしWindows環境であれば、「venv\Scripts\activate」となる。この「アクティベート」という操作により、以降のコマンドは全てこの仮想環境内で実行されるようになり、システム全体のPython環境とは完全に切り離された状態で作業が行われる。

仮想環境がアクティブになったら、次にDjango本体をインストールする。DjangoはPythonで書かれた強力なWebアプリケーションフレームワークであり、データベース連携、ユーザー認証、URLルーティングなど、Webアプリケーション開発に必要不可欠な多くの機能を提供している。これにより、開発者は煩雑な設定作業に時間を取られることなく、アプリケーションの核心部分のロジック開発に集中できる。「pip install django」というコマンドを実行することで、アクティブな仮想環境内にDjangoがインストールされる。pipはPythonのパッケージ管理ツールであり、世界中の開発者が作成した便利なライブラリを手軽にインストールできる。仮想環境内にDjangoをインストールすることで、このプロジェクトでのみDjangoが利用可能となり、他のプロジェクトに影響を与えることはない。

Djangoのインストールが完了したら、いよいよDjangoプロジェクトを立ち上げる。Djangoアプリケーションは、一つまたは複数の「プロジェクト」の中に複数の「アプリケーション」を配置する構造を持つ。プロジェクトはウェブサイト全体の構成を管理する役割を担い、アプリケーションは特定の機能(例えば、ブログ機能やユーザー管理機能)を提供するモジュールのようなものと考えると良い。今回は、金融トラッカー全体の土台となるプロジェクトを作成する。

プロジェクトを作成するには、「django-admin startproject config .」というコマンドを使用する。django-adminはDjangoが提供するコマンドラインユーティリティであり、プロジェクトの作成やデータベースの操作など、様々な管理タスクを実行するために用いられる。startprojectはその名の通り新しいプロジェクトを作成するためのコマンドだ。続くconfigは、作成されるプロジェクトの名前を指定しており、この名前がプロジェクトの主要な設定ファイルを格納するディレクトリ名となる。最後の「.(ドット)」は特に重要で、これは「現在のディレクトリにプロジェクトのファイルを展開する」という意味を持つ。もしドットを付けずにdjango-admin startproject configと実行した場合、configという名前のディレクトリがさらに一つ作成され、その中にプロジェクトファイルが配置されることになる。今回は、仮想環境をセットアップしたプロジェクトのルートディレクトリに直接プロジェクトのファイルを配置したいので、ドットを指定する。

このコマンドを実行すると、現在のディレクトリには以下のようなファイルとディレクトリが生成される。

  • manage.py
  • config/ ディレクトリ
    • __init__.py
    • settings.py
    • urls.py
    • asgi.py
    • wsgi.py

これらのファイルとディレクトリは、Djangoプロジェクトの構成要素であり、それぞれが重要な役割を担っている。

manage.pyは、Djangoプロジェクトを操作するための中心的なコマンドラインユーティリティである。例えば、開発サーバーの起動、データベースのマイグレーション(スキーマ変更の適用)、新しいアプリケーションの作成など、ほとんどのDjangoコマンドはpython manage.py [コマンド名]の形式で実行される。これは、プロジェクト固有の設定を読み込み、それに基づいてDjangoの機能を提供するための入り口となる。

config/ディレクトリは、先ほど指定したプロジェクト名であり、この中にプロジェクト全体の振る舞いを決定するコアな設定ファイル群が格納されている。

  • __init__.pyは、Pythonがこのディレクトリをパッケージとして認識するためのファイルであり、通常は中身を編集する必要はない。
  • settings.pyは、プロジェクトの全ての構成設定を記述する最も重要なファイルである。データベースの接続情報、インストールされているアプリケーションのリスト、セキュリティキー、静的ファイルのパスなど、プロジェクト全体に関わるあらゆる設定がこのファイルに集約される。Webアプリケーションの動作をカスタマイズする際には、まずこのファイルを編集することになる。
  • urls.pyは、ウェブサイトへのアクセス要求が来たときに、どのプログラムがそれに対応すべきかを定める「URLルーティング」を管理するファイルである。例えば、「/tracker/」というURLにアクセスがあったら、金融トラッカーアプリケーションの特定のビュー関数を呼び出す、といった設定をここで行う。Webアプリケーションのナビゲーション構造を定義する役割を担う。
  • asgi.pywsgi.pyは、それぞれ非同期および同期のWebサーバーゲートウェイインターフェースに関連するファイルである。これらは、一般的なWebサーバー(ApacheやNginxなど)がDjangoアプリケーションとどのように通信するかを定義するための設定ファイルであり、現時点では深く理解する必要はないが、WebサーバーとDjangoアプリケーションを連携させるために必要となるものだと認識しておけばよい。

これまでの手順で、金融トラッカー開発の第一歩となるDjangoプロジェクトの基本構成が整った。仮想環境の準備からDjangoのインストール、そしてプロジェクトファイルの生成まで、各ステップがアプリケーション開発の安定性と効率性を保証する上でいかに重要であるかを理解できたはずだ。次は、実際に金融トラッカーの核となるアプリケーションをこのプロジェクトの中に作成していくことになる。

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