【ITニュース解説】Handling large file uploads

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「Handling large file uploads」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

大きなファイルのアップロードはサーバーエラーの原因になる。この問題を解決するため、JavaScriptでファイルを小さな塊に分割する「チャンキング」という手法がある。分割した各ファイルを順番にサーバーへ送信することで、安定した大容量ファイルのアップロードが実現できる。

出典: Handling large file uploads | Dev.to公開日:

ITニュース解説

Webアプリケーション開発において、ユーザーが画像や動画などのファイルをアップロードする機能は頻繁に実装される。しかし、通常のフォームを使った方法で動画ファイルのようなサイズの大きなデータを送信しようとすると、サーバーが一度に受け取れるデータ量の制限を超えてしまい、「413 Content Too Large」といったエラーが発生することがある。また、長時間のアップロード中にネットワーク接続が途切れると、それまでの送信が無駄になり、最初からやり直さなければならないという問題もある。これらの課題を解決するための堅牢な手法として、ファイルを小さな塊に分割して送信する「チャンキング」という技術が用いられる。

この手法の基本的な考え方は、クライアントサイド、つまりユーザーのブラウザ上で、巨大なファイルを送信可能なサイズの小さなデータ(チャンク)に分割し、それらを個別に、かつ順番にサーバーへ送信するというものである。これにより、一度のリクエストで送信されるデータ量が小さくなるため、サーバーの制限に抵触するリスクを大幅に低減できる。

具体的な実装は、まずJavaScriptを用いて、ユーザーがHTMLのファイル入力フォームで選択したファイル情報を取得することから始まる。ファイルが選択されると、そのファイルはFileオブジェクトとして扱えるようになる。このオブジェクトには、ファイル名、最終更新日時、サイズ、そしてファイルデータ本体といった重要な情報が含まれている。開発者は、このFileオブジェクトのsizeプロパティを参照してファイルサイズを確認し、事前に設定した閾値(例えば2MBなど)を超えるかどうかを判断する。サイズが小さいファイルは従来通り一括で送信し、大きなファイルのみをチャンキングの対象とすることで、処理を最適化する。

ファイルサイズが閾値を超えていた場合、チャンキング処理を実行する。ファイルの分割には、Fileオブジェクトが持つsliceメソッドが利用される。このメソッドは、元のファイルのデータから指定した開始位置と終了位置の範囲を切り出し、新しいデータ片を生成する機能を持つ。例えば、8MBをチャンクサイズと定めた場合、ファイルの先頭から8MB分を切り出し、次に8MB地点から16MB地点までを切り出す、という操作をファイルの終端に達するまで繰り返す。こうして生成された各データ片は、元のファイル名やデータ形式(MIMEタイプ)を保持した新しいFileオブジェクトとして作成され、配列に格納される。このとき最も重要なのは、各チャンクが元のファイルのどの部分にあたるのかを示す順序情報を正確に管理することである。サーバー側でこれらのチャンクを結合して元のファイルを復元する際、順序が一つでも狂うとファイルが破損してしまうため、インデックス番号などを各チャンクに付与しておく必要がある。

ファイルの分割が完了したら、サーバーへのアップロード処理に移る。ここでも、小さいファイルと大きいファイルで通信の戦略が異なる。小さいファイルは、ユーザー名などの他のフォーム情報と共にFormDataオブジェクトに格納され、fetch APIを用いた一度のPOSTリクエストでサーバーに送信される。

一方、チャンキングされた大きいファイルのアップロードは、より段階的な通信手順を踏む。最初に、アップロードの開始をサーバーに通知するためのリクエストを送る。このリクエストには、元のファイル名、総チャンク数といった、これから行われる一連のアップロードに関するメタ情報を含める。サーバーはこれを受け取り、ファイル受信の準備を開始する。次に、分割したチャンクをループ処理で一つずつ送信していく。各チャンクを送信するリクエストには、データ本体だけでなく、どのファイルの何番目のチャンクであるかを示す識別子(ファイル名やインデックス番号)を必ず含める。サーバーは、受信したチャンクをこの識別子を基に一時保存し、正しい順序で組み立てられるように管理する。そして、全てのチャンクを送り終えた後、最後にアップロード完了を通知するリクエストをサーバーに送信する。この完了通知を受け取ったサーバーは、保存していた全てのチャンクを正しい順序で結合し、一つの完全なファイルとして復元する処理をトリガーする。この一連の手順により、サーバーの制約や通信の不安定さに影響されにくい、安定した大容量ファイルのアップロード機能が実現できる。

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