MP4(エムピーフォー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

MP4(エムピーフォー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

エムピーフォー (エムピーフォー)

英語表記

MP4 (エムピーフォー)

用語解説

MP4は、デジタル動画や音声を格納するための標準的なファイル形式であり、正式名称はMPEG-4 Part 14である。これはISO/IEC 14496-14として国際的に標準化されているコンテナフォーマットを指す。MP4は、動画データや音声データのほか、字幕、静止画、メタデータ(タイトル、作成者、作成日など)といった多様な種類のデータを一つのファイルに効率的に多重化して格納できる特徴を持つ。その高い汎用性と効率性から、インターネット上での動画配信、スマートフォンやPCなどの各種デバイスでの再生、デジタルカメラやビデオカメラでの記録など、幅広い用途で利用され、事実上の世界標準形式として広く普及している。

MP4は「コンテナフォーマット」として機能する。これは、様々な種類のデータを格納する「箱」のような役割を果たすものであり、実際に動画や音声を圧縮する「コーデック」(エンコーダー・デコーダー)とは区別される概念である。例えば、MP4ファイルの中には、動画データがH.264(MPEG-4 AVC)やH.265(HEVC)といった動画コーデックで圧縮され、音声データがAACやAC-3といった音声コーデックで圧縮されて格納されていることが多い。これらの圧縮されたデータは、ファイル内で多重化(muxing)され、一つのMP4ファイルとしてまとめられる。この仕組みにより、異なるコーデックでエンコードされた動画と音声を同期させて再生することが可能になる。

MP4の基盤となっているのは、Apple社が開発したQuickTimeファイルフォーマット(QTFF)である。これを元に、MPEG(Moving Picture Experts Group)が標準化したものがMPEG-4 Part 14であり、これが一般的にMP4と呼ばれるファイル形式の正体である。MPEGは、動画や音声の圧縮・符号化に関する国際標準を策定する専門家グループであり、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4など複数の標準が存在する。MP4はMPEG-4標準群の一部として、その多種多様な圧縮技術やマルチメディアオブジェクトを効率的に格納するための枠組みを提供する役割を担う。

MP4の主要な特徴と利点は多岐にわたる。まず、高い圧縮効率と品質のバランスが挙げられる。内部にH.264やAACといった効率的なコーデックを格納できるため、ファイルサイズを小さく保ちながらも高画質・高音質を実現できる。これは、限られたストレージ容量やネットワーク帯域で高品質なメディアを扱う上で非常に重要である。次に、その圧倒的な汎用性と互換性がある。Windows、macOS、LinuxといったデスクトップOS、iOSやAndroidといったモバイルOS、さらにはほとんどのメディアプレーヤー、Webブラウザ、スマートテレビ、デジタル家電などで、特別なプラグインなしに再生できる。これは、MP4がオープンな国際標準として広く採用され、多くのメーカーや開発者がその仕様に対応していることに起因する。

また、インターネット上でのストリーミング配信にも非常に適している。MP4ファイルの内部構造は「アトム」または「ボックス」と呼ばれる階層的なデータブロックで構成されており、ファイル全体のメタデータ(動画の長さ、解像度、使用されているコーデック情報など)を格納する「moov」アトムがファイル先頭に近い位置に配置されている場合、ファイル全体をダウンロードしなくても再生を開始できるプログレッシブダウンロードが可能となる。これにより、ユーザーは動画の読み込みを待つことなく、すぐに視聴を開始できるため、YouTubeやNetflixなどのWebベースの動画配信サービスにおいて重要な要素となっている。さらに、MPEG-DASHやHTTP Live Streaming(HLS)といったアダプティブストリーミング技術と組み合わせて、ネットワーク帯域の状況に応じて最適な品質の動画を動的に配信する基盤としても利用される。

ファイル構造の面では、MP4ファイルは「ftyp」(ファイルタイプボックス)、「moov」(ムービーボックス)、「mdat」(メディアデータボックス)などの主要なアトムで構成される。ftypアトムはファイルの種類と互換性情報を定義し、moovアトムは動画や音声のトラック情報、タイムスケール、メディアの構成に関する重要なメタデータを保持する。mdatアトムには実際の動画や音声の圧縮データ(ペイロード)が格納されている。この明確な構造により、データの管理とアクセスが効率的に行える。

ただし、MP4ファイルであるからといって、常に全てのプレーヤーで問題なく再生できるわけではないという点も理解しておく必要がある。これは、MP4があくまでコンテナであり、内部の動画や音声のコーデックは様々だからである。例えば、非常に新しいコーデックや、特定のデバイスでしかサポートされていないマイナーなコーデックが使われている場合、そのコーデックを複合するデコーダーがインストールされていない環境では再生できないことがある。また、MP4の拡張子は「.mp4」が一般的だが、音声ファイルのみの場合は「.m4a」、AppleのiTunes Storeで購入したDRM(デジタル著作権管理)付き動画の場合は「.m4v」、DRM付き音声の場合は「.m4p」といった派生拡張子も存在する。これらも基本的にはMP4の基盤技術を使用している。システムエンジニアを目指す者にとって、MP4のコンテナとしての特性や、内部のコーデックとの関係、ストリーミング配信における役割などを理解することは、動画配信サービスやマルチメディアアプリケーションの開発、あるいはトラブルシューティングにおいて不可欠な知識となる。

以上、MP4に関する解説である。


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