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【ITニュース解説】Best-Practice Setup VM on Proxmox

2025年09月15日に「Dev.to」が公開したITニュース「Best-Practice Setup VM on Proxmox」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Proxmoxで仮想マシン(VM)の性能を最適化するベストプラクティスを解説。SASディスクのライトキャッシュ有効化、VirtIO-SCSIコントローラでのIOスレッドやDiscardの利用、CPUタイプをHostに設定、多CPU環境でのNUMA活用など、高パフォーマンスを実現するための具体的な設定方法とメリットを紹介している。

出典: Best-Practice Setup VM on Proxmox | Dev.to公開日:

ITニュース解説

Proxmox上で仮想マシン(VM)を構築する際、ただ動かすだけでなく、最高のパフォーマンスと安定性を引き出すための最適な設定が存在する。システムエンジニアを目指すなら、これらのベストプラクティスを理解し、実践できることは非常に重要だ。ここでは、Proxmoxの公式フォーラムの専門家たちの知見に基づいた、VMの推奨設定について初心者にもわかりやすく解説する。

まず、ストレージに関する重要な設定から見ていこう。サーバー用途で使われる高性能なSAS(Serial Attached SCSI)ハードディスクやSSDを使用している場合、ライトキャッシュ(Write Cache Enable、WCE)を有効にすると良い。SASは、一般的なPCで使われるSATA(Serial ATA)と比較して、サーバー環境向けに設計されており、より高速で信頼性が高く、同時にデータの送受信ができる全二重通信に対応しているのが特徴だ。このSASディスクに対して「sdparm -s WCE=1 -S /dev/sdX」というコマンドを実行することで、ディスクのライトキャッシュが有効になる。ライトキャッシュとは、データがディスクに永久的に書き込まれる前に一時的に保存される領域のことだ。このキャッシュを利用することで、書き込み処理がまとめて行われるようになり、結果としてディスクのI/O(Input/Output、データの読み書き)性能が向上し、アプリケーションの応答速度が上がるメリットがある。しかし、この設定には注意点もある。もしサーバーが予期せぬ停電に見舞われた場合、キャッシュにデータが残った状態で電源が落ちると、そのデータがディスクに書き込まれることなく失われる可能性がある。これを防ぐためには、RAIDコントローラにバッテリーバックアップユニット(BBU)を搭載したり、サーバー全体を無停電電源装置(UPS)で保護したりすることが不可欠となる。

次に、VMのディスクキャッシュ設定についてだ。Proxmoxのクラスタ環境でVMを運用している場合、VMのディスクキャッシュは「None」に設定することが推奨される。これは、クラスタ環境では複数のサーバーが連携して動作するため、VMレベルのキャッシュがデータの整合性を損なうリスクがあるためだ。一方、単独のサーバーでVMを運用しているスタンドアロン環境では、「Writeback」キャッシュを選択することで、I/O性能の向上が期待できる。

VMのディスクコントローラにも最適な選択がある。VirtIO-Single SCSIコントローラを使い、IO ThreadとDiscardオプションを有効にすることが推奨されている。VirtIO-SCSIは、仮想環境向けに開発された高速なI/Oドライバで、一般的なIDEやSATAのエミュレーションよりもはるかに優れたパフォーマンスを発揮する。複数のVMディスクを1つのVirtIO-SCSIコントローラに集約することで、QEMU(ProxmoxでVMを動かすためのソフトウェア)のオーバーヘッドが減り、より効率的なディスクアクセスが可能になる。特に、データベースサーバーのように多くのディスクを扱うVMにとっては大きな利点となる。「IO Thread」オプションを有効にすると、VMの各ディスクに対して専用のI/O処理スレッドが割り当てられる。これにより、複数のディスクへのアクセスが並行して処理されるようになり、I/Oのボトルネックが解消される。ホストサーバーのCPUコア数が多い環境や、高負荷なデータベース、ProxmoxとCephを組み合わせたストレージ環境で特に効果を実感できるだろう。「Discardオプション」(TRIM/UNMAPとも呼ばれる)を有効にすると、VMがファイルを削除した際に、その空になったブロックの情報がストレージシステム(Ceph、ZFS、SSDなど)に通知される。この通知によって、ストレージは不要になった領域を解放し、再利用できるようになる。これにより、ストレージの利用効率が向上するだけでなく、SSD(Solid State Drive)の内部的なゴミ収集処理がより効果的に行われるため、SSDの性能低下を防ぎ、長寿命化にも寄与する。

VMのCPU設定もパフォーマンスに大きく影響する。「VM CPU Type」を「Host」に設定することが推奨される。ProxmoxでVMを作成する際、デフォルトでは「kvm64」という汎用的なCPUタイプが選択されることが多い。これはどんなCPUでも安全に動作する設定だが、ホストサーバーのCPUが持つ高性能な命令セットの一部がVMでは利用できなくなる場合がある。「Host」を選択すると、VMはホストサーバーの物理CPUが持つネイティブな命令セットを直接利用できるようになり、特に複雑な計算やデータ圧縮、科学技術計算など、CPU性能に敏感なアプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上する。ただし、この設定には注意が必要だ。VMが特定のCPU命令セットに依存するようになるため、異なるCPU世代のホストProxmoxサーバーへVMを移行しようとすると、互換性の問題でVMが起動できなくなる可能性がある。そのため、この設定はProxmoxクラスタ内のすべてのサーバーが同じCPU世代(または互換性のあるCPU)で構成されている場合にのみ適用するべきベストプラクティスとなる。

さらに、サーバーが2つ以上の物理CPUソケットを搭載している場合、VMのCPU設定で「NUMA(Non-Uniform Memory Access)」を有効にすることが推奨される。NUMAは、複数のCPUが搭載されたサーバーにおけるメモリへのアクセス方式に関する概念だ。このようなサーバーでは、各CPUがそれぞれ専用のメモリコントローラを持ち、物理メモリがCPUグループごとに分割されている。VMがNUMAを認識して動作することで、ハイパーバイザー(Proxmox/QEMU)がVMに割り当てる仮想CPU(vCPU)とメモリを、物理的なNUMAノードに合わせて最適な配置を行うことができる。これにより、VMが必要なメモリにアクセスする際の遅延が最小限に抑えられ、特に多くのvCPUや大容量のメモリを使用するデータベースや高I/Oアプリケーションのパフォーマンスがより安定し、応答速度が向上する。もしサーバーが1つの物理CPUソケットしか持たない場合は、NUMAの概念が存在しないため、この設定を有効にする必要はない。しかし、2つ以上のCPUソケットを持つサーバーでは、NUMAを有効にすることは非常に重要だ。その際、VMに割り当てるvCPUの数は、1つのNUMAノードあたりの物理コア数を超えないように注意すると良い。

その他の設定として、VMのネットワーク設定では「VirtIO Multiqueue」をvCPUの数に設定することが推奨される。これにより、ネットワークI/Oの処理が複数のCPUコアに分散され、ネットワークのスループットが向上する。また、VMのゲストOSには「Qemu-Guest-Agent」ソフトウェアをインストールしておくべきだ。これはProxmoxホストとVM間で様々な情報をやり取りしたり、シャットダウンやスナップショットなどの操作をより安全に行うために必須となる。LinuxゲストOSのI/Oスケジューラは「none」または「noop」に設定すると、ストレージI/OがProxmoxホスト側で最適化されるため、VM側でのスケジューリングを無効にするのが効果的だ。ProxmoxとCephを組み合わせて分散ストレージを構築している場合は、Ceph RBDプールで「krbd」オプションを使用することで、安定性とパフォーマンスの向上が期待できる。

これらの推奨設定は、Proxmox上で稼働するVMの性能を最大限に引き出し、安定した運用を実現するために非常に有効だ。システムエンジニアとして、これらの設定の意図と効果を理解し、適切な場面で適用することで、より堅牢で高性能なシステムを構築できるようになるだろう。

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