Arcserve(アークサーブ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
Arcserve(アークサーブ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
アークサーブ (アークサーブ)
英語表記
Arcserve (アークサーブ)
用語解説
Arcserveは、企業の重要なデータとシステムを保護するための包括的なデータ保護および事業継続性ソリューション群である。特に、バックアップ、リカバリ、レプリケーション、高可用性(HA)、ディザスタリカバリ(DR)といった機能を提供し、データ損失のリスクを最小限に抑え、システム障害時でも迅速な事業継続を可能にすることを使命とする。現代のIT環境は物理サーバー、仮想サーバー、クラウドサービスなど多岐にわたり、それぞれが異なる特性を持つが、Arcserveはこれらの複雑な環境全体を一元的に保護する能力を持つ。データは企業の最も重要な資産の一つであり、その損失は事業停止、信頼性の失墜、法的責任といった甚大な影響を及ぼす可能性があるため、Arcserveのようなデータ保護ソリューションの導入は、安定したIT運用と事業継続計画において不可欠である。
詳細として、Arcserveが提供する主要な機能と製品について説明する。データ保護の必要性は、ランサムウェア攻撃、ハードウェア障害、ヒューマンエラー、自然災害など、あらゆる種類の脅威が存在する現代において極めて高い。これらの脅威によりデータが失われた場合、企業は復旧に多大な時間とコストを要し、最悪の場合、事業の継続が不可能となる。Arcserveは、このような事態に備え、堅牢なデータ保護メカニズムを提供する。
Arcserveの製品群の中心となるのは、統合型データ保護ソリューションである「Arcserve Unified Data Protection (UDP)」である。UDPは、物理サーバー、仮想サーバー(VMware vSphere, Microsoft Hyper-Vなど)、クラウド環境(AWS, Azureなど)に存在するデータやアプリケーション、システムイメージをまとめて保護する。その主要な機能は多岐にわたる。まず、バックアップ機能では、指定されたデータやシステム全体を定期的に取得し、ディスクストレージ、テープストレージ、クラウドストレージなど、さまざまな保存先に安全に格納する。これはフルバックアップ、増分バックアップ、差分バックアップといった複数の方式をサポートし、効率的なデータ取得とストレージ利用を実現する。特に仮想環境においては、仮想マシンにエージェントをインストールすることなくバックアップを行う「エージェントレスバックアップ」が可能であり、運用負荷を軽減する。また、バックアップデータの重複排除と圧縮機能により、ストレージ容量の消費を大幅に削減できる点も特徴である。
リカバリ機能は、バックアップされたデータから必要な情報を復元するプロセスである。Arcserve UDPは、ファイル単位、フォルダ単位、アプリケーション(Exchange Server, SQL Serverなど)の特定のオブジェクト単位での粒度の細かいリストアをサポートする。さらに、システム全体が破損した場合でも、バックアップイメージから新しいハードウェアや仮想マシンへオペレーティングシステムを含めて迅速に復元する「ベアメタルリカバリ(BMR)」機能を提供する。特筆すべきは、「インスタントVM」や「インスタントBMR」機能であり、バックアップデータを直接仮想マシンとして起動させたり、ベアメタルリカバリプロセスをバックアップストレージから直接実行したりすることで、システムのダウンタイムを劇的に短縮できる。これにより、災害発生時や大規模な障害発生時でも、RTO(目標復旧時間)を最小限に抑え、事業継続性を高めることが可能となる。
レプリケーション機能は、特定のシステムやデータのコピーをリアルタイムまたはニアリアルタイムで別の場所に作成し、同期させる機能である。これにより、プライマリシステムに障害が発生した場合でも、最新のデータを持つレプリケーション先のシステムに切り替えることで、RPO(目標復旧時点)を極限まで短縮し、データ損失をほぼゼロに抑えることができる。高可用性(HA)機能は、このレプリケーションと連携し、プライマリシステムに障害が発生した際に、スタンバイシステムへの自動的な切り替え(フェイルオーバー)を自動的に実行する。これにより、ユーザーやアプリケーションはシステム停止をほとんど意識することなく、業務を継続できる。これらの機能は、事業継続計画(BCP)やディザスタリカバリ計画(DRP)において中核となる。
UDP以外にも、Arcserveは特定のニーズに対応する製品を提供する。「Arcserve Backup」は、長年にわたる実績を持つ従来のバックアップソリューションであり、特に大規模で複雑なテープベースのバックアップ環境でその能力を発揮する。多様なOS、データベース、アプリケーション、ストレージデバイスをサポートし、企業のデータライフサイクル管理における要件を満たす。また、「Arcserve Replication and High Availability」は、UDPのレプリケーション・HA機能をさらに特化させた製品であり、特定のミッションクリティカルなアプリケーションやデータに対して、超高速のリカバリと高可用性を実現する。さらに、SaaS(Software as a Service)の利用が広がる中で、Microsoft 365やSalesforceなどのクラウドサービスのデータを保護するための「Arcserve SaaS Backup」も提供している。これにより、SaaSベンダー側の障害やユーザーによる意図しないデータ削除からもデータを守ることが可能となる。
Arcserve製品群を導入することで、企業はデータ損失のリスクを大幅に軽減し、システム障害や災害時でも迅速な復旧と事業継続を達成できる。また、データ保護戦略を一元的に管理できるため、運用コストの削減やコンプライアンス要件への対応も容易になる。物理、仮想、クラウドといったハイブリッドなIT環境全体をカバーし、あらゆる規模の企業に対応する柔軟性と拡張性を持つことが、Arcserveが多くの企業に選ばれる理由である。