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KVMケーブル(ケーブイエムケーブル)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

KVMケーブル(ケーブイエムケーブル)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

KVMケーブル (ケーブイエムケーブル)

英語表記

KVM cable (ケーブイエムケーブル)

用語解説

KVMケーブルとは、複数のコンピュータを一つのキーボード、ビデオ(モニター)、マウスで操作するために使用されるKVMスイッチとコンピュータ間を接続する特殊なケーブルである。KVMは「Keyboard(キーボード)」「Video(映像)」「Mouse(マウス)」の頭文字を取った略称であり、KVMケーブルはその名の通り、これらの信号を同時に伝送するように設計されている。システムエンジニアにとって、データセンターのサーバーラック、開発環境、テストラボなどで多数のサーバーやPCを効率的に管理する上で不可欠なツールであり、KVMケーブルはその中心的な役割を担う部品である。

このケーブルの主な目的は、複数台のコンピュータにそれぞれ専用のキーボード、モニター、マウスを用意する手間とコスト、そして物理的なスペースを削減することにある。例えば、10台のサーバーを管理する場合、通常であれば10セットのキーボード、モニター、マウスが必要になるが、KVMスイッチとKVMケーブルを用いることで、たった1セットの周辺機器でそれら全てのサーバーを切り替えて操作できる。これにより、配線が劇的に簡素化され、作業環境がすっきりし、保守作業の効率も大幅に向上する。KVMケーブルは、コンピュータの各ポート(キーボード、マウス用のUSBポート、モニター用のVGA/DVI/HDMI/DisplayPortなど)からKVMスイッチの対応するポートまで、これらの信号をまとめて伝送する役割を果たす。

KVMケーブルの詳細について掘り下げていく。KVMケーブルには、大きく分けて二つの種類がある。一つは、キーボード、マウス、ビデオといった各信号ごとに独立した複数のケーブルをまとめたもの、もう一つは、それら全ての信号を一本のケーブルで伝送できるように設計された多機能一体型ケーブルである。最近では、後者の一体型ケーブルが主流であり、配線の簡素化と取り扱いの容易さから多くの環境で採用されている。

KVMケーブルがサポートするインターフェースは多岐にわたる。キーボードとマウスの接続には、主にUSBが使用される。かつてはPS/2インターフェースも一般的だったが、現在はUSBが標準的である。KVMケーブルのコンピュータ側には、キーボードとマウス用のUSB Type-Aコネクタが接続され、KVMスイッチ側にはUSB Type-Bなどの対応するコネクタが接続されることが多い。ビデオ信号については、アナログ接続のVGA (Video Graphics Array) から始まり、デジタル接続のDVI (Digital Visual Interface)、HDMI (High-Definition Multimedia Interface)、そしてより高解像度・多機能なDisplayPortなど、様々な規格に対応したケーブルが存在する。KVMケーブルを選定する際には、接続するコンピュータのグラフィック出力ポートと、KVMスイッチのビデオ入力ポートがこれらのどの規格に対応しているかを確認することが重要である。また、一部のKVMケーブルは音声信号(オーディオ)も同時に伝送できるようになっており、コンピュータのスピーカー出力とマイク入力をKVMスイッチ経由で共有することも可能である。

一体型KVMケーブルの場合、コンピュータ側では例えばUSB Type-Aコネクタ、VGAコネクタ、3.5mmオーディオジャックがそれぞれ独立して分岐し、これらが一本の太いケーブルとしてKVMスイッチ側へと統合される。KVMスイッチ側では、通常、専用のKVMポート(RJ45や独自のマルチピンコネクタなど)にこの一本のケーブルが接続される設計となっている。この方式により、コンピュータとKVMスイッチ間の配線が非常にシンプルになり、多数のサーバーをラックマウントするような環境で特に大きなメリットを発揮する。

KVMケーブルの選定においては、いくつかの重要な考慮点がある。第一に、接続するコンピュータとKVMスイッチがサポートするインターフェースの互換性である。例えば、古いサーバーがVGA出力のみで、新しいKVMスイッチがHDMI入力を推奨している場合、適切なケーブルや変換アダプタが必要になる。第二に、ケーブルの長さである。KVMケーブルは信号を伝送するため、長さが長くなるほど信号の劣化が発生しやすくなる。特に高解像度のビデオ信号やUSB信号では、品質の良いケーブルを選択しないと画面が乱れたり、キーボードやマウスの反応が悪くなったりする可能性がある。データセンターなどでの長距離接続には、信号の増幅器(ブースター)が内蔵されたケーブルや、光ファイバーを利用したKVMエクステンダーと組み合わせて使用されることもある。

第三に、サポートする解像度とリフレッシュレートである。最新の高解像度モニターやグラフィックカードを使用する場合、KVMケーブルがその解像度(例: 4K UHD)やリフレッシュレート(例: 60Hz以上)に対応しているかを確認する必要がある。安価なケーブルでは、高い解像度やリフレッシュレートで安定した映像を出力できないことがあるため注意が必要である。USBのバージョン(USB 2.0、USB 3.0など)も考慮すべき点で、高速なUSBデバイスをKVM経由で利用する場合には、対応するUSBバージョンが重要となる。

KVMケーブルは、単なる配線部品ではなく、システム管理の効率化と運用コスト削減に貢献する重要なインフラ要素である。システムエンジニアが多数のサーバーや開発環境を扱う際には、このKVMケーブルの特性と選定基準を理解しておくことが、スムーズなシステム構築と運用に直結する。

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