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NATゲートウェイ(ナットゲートウェイ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

NATゲートウェイ(ナットゲートウェイ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

NATゲートウェイ (ナットゲートウェイ)

英語表記

NAT gateway (ナットゲートウェイ)

用語解説

NATゲートウェイとは、クラウド環境におけるネットワークアドレス変換(NAT)サービスを提供する機能である。主に、仮想プライベートクラウド(VPC)内のプライベートサブネットに配置されたサーバーやインスタンスが、インターネットや他のVPC外部のサービスに安全にアクセスできるようにするために使用される。このサービスは、マネージドサービスとして提供されることが多く、ユーザーは基盤となるインフラの管理を意識することなく、NAT機能を利用できる。

概要として、NATゲートウェイの主要な目的は、プライベートIPアドレスを持つインスタンスが外部のネットワークと通信する際に、その送信元IPアドレスをグローバルIPアドレスに変換し、外部からの直接的なアクセスはブロックすることにある。これにより、プライベートサブネット内のリソースのセキュリティを保ちつつ、必要な外部通信を可能にする。例えば、データベースサーバーやアプリケーションサーバーが、OSのアップデートパッチをダウンロードしたり、外部のAPIサービスに接続したりする場合にこの機能が不可欠となる。

詳細に入ると、まずネットワークアドレス変換(NAT)の基本的な概念を理解する必要がある。インターネット上で通信を行うためには、グローバルIPアドレスという世界中で一意なアドレスが必要となる。しかし、VPC内のプライベートサブネットに配置されたインスタンスは、外部から直接アクセスできないプライベートIPアドレスを持っている。これらのインスタンスがインターネットに接続しようとすると、送信元のプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換する必要がある。この変換がNATであり、NATゲートウェイはこの変換処理を一元的に管理するサービスである。

NATゲートウェイの具体的な機能と動作原理は以下の通りである。まず、NATゲートウェイは通常、パブリックサブネットにデプロイされる。そして、一つまたは複数のElastic IPアドレス(EIP)がNATゲートウェイに割り当てられる。このEIPが、プライベートサブネット内のインスタンスがインターネットと通信する際に利用する、送信元のグローバルIPアドレスとなる。プライベートサブネット内のインスタンスがインターネット宛ての通信を試みると、そのトラフィックはVPCのルーティングテーブルによってNATゲートウェイへルーティングされる。NATゲートウェイはその通信パケットの送信元IPアドレスを、自身に割り当てられているEIPに書き換え(SNAT: Source Network Address Translation)、インターネットへ転送する。インターネットからの応答パケットがNATゲートウェイに届くと、NATゲートウェイは以前の変換履歴を参照し、宛先IPアドレスを元のプライベートIPアドレスに再度変換して、プライベートサブネット内の該当インスタンスへルーティングし直す。このプロセスにより、プライベートIPアドレスを持つインスタンスはインターネットと通信できる。

NATゲートウェイの大きな利点は、その運用上のシンプルさと高い可用性、スケーラビリティである。マネージドサービスであるため、ユーザーはNATゲートウェイのOSパッチ適用、冗長化、キャパシティ管理といった運用作業から解放される。クラウドプロバイダーがこれらの運用を自動的に行い、高い可用性とスケーラビリティを保証する。これにより、トラフィック量の変動に対しても自動的に対応し、安定したサービス提供が可能となる。また、NATゲートウェイは外部からのインバウンド接続を許可しないというセキュリティ上の特性を持つ。これは、外部からプライベートサブネット内のインスタンスへ直接アクセスされることを防ぐため、セキュリティ層を強化する役割も果たす。

ルーティングテーブルの設定はNATゲートウェイを機能させる上で重要である。プライベートサブネットに関連付けられたルーティングテーブルにおいて、インターネット宛ての全てのトラフィック(通常は「0.0.0.0/0」)のターゲットをNATゲートウェイに設定する必要がある。これにより、プライベートサブネットからのインターネット向けトラフィックが確実にNATゲートウェイを経由するようになる。

高可用性を考慮する場合、単一のアベイラビリティゾーン内にデプロイされたNATゲートウェイは、そのゾーン内の障害時には利用できなくなる可能性がある。そのため、複数のアベイラビリティゾーンにまたがるシステムを構築する際には、各アベイラビリティゾーンにNATゲートウェイをデプロイし、それぞれのプライベートサブネットから、同じアベイラビリティゾーン内のNATゲートウェイへトラフィックがルーティングされるように設定することが推奨される。これは、異なるアベイラビリティゾーン間の通信には追加のコストが発生するため、通信経路を最適化する意味合いもある。

以前は、EC2インスタンス上にNAT機能を実装する「NATインスタンス」も存在したが、NATゲートウェイはNATインスタンスが抱えていた運用負荷、単一障害点、スケーラビリティの限界といった課題を解決するために登場した。NATゲートウェイは、これらの問題点を解消し、より堅牢で運用しやすいインターネットアクセス手段を提供するため、現在のクラウド環境におけるプライベートネットワークからの外部通信の標準的なソリューションとなっている。

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