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NBD(エヌビーディー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

NBD(エヌビーディー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ネットワークブロックデバイス (ネットワークブロックデバイス)

英語表記

Next Business Day (ネクスト・ビジネスト・デイ)

用語解説

NBDとは、Network Block Deviceの略であり、ネットワーク越しにブロックデバイスを提供する技術である。これは、あたかもローカルに直接接続されたハードディスクであるかのように、ネットワーク経由でストレージを利用できるようにする仕組みを指す。システムエンジニアを目指す上では、仮想化環境や分散システム、あるいはストレージの集中管理において重要な役割を果たす技術として理解しておくと良いだろう。

NBDの基本的な考え方は、サーバーとクライアントという二つの役割によって実現される。NBDサーバーは、物理的なディスク、パーティション、あるいは単なるファイルといったストレージリソースをネットワーク越しに提供する側である。一方、NBDクライアントは、そのサーバーからネットワーク経由で提供されたストレージを、自身のシステム上で通常のブロックデバイスとして認識し、利用する側を指す。この仕組みにより、クライアントはサーバー側のストレージに対して、あたかもローカルディスクにアクセスするかのように、ファイルシステムの作成やデータの読み書きといった操作を実行できるようになる。

詳細に説明する。ブロックデバイスとは、データを特定の固定サイズ(ブロック)単位で直接読み書きするデバイスのことである。ハードディスクドライブやSSD、USBメモリなどが典型的なブロックデバイスに該当する。ファイルシステムは、このブロックデバイスの上に構築され、ファイルやディレクトリといった概念を提供することで人間にとって扱いやすい形でデータを管理する。NBDは、このブロックデバイスの抽象化されたインターフェースをネットワーク越しに提供するため、クライアントはサーバーから提供された「ネットワーク上のブロックデバイス」に対して、通常のディスクと同じようにパーティションを作成したり、ext4やNTFSといったファイルシステムをフォーマットしたりできる。

NBDの通信には標準的なTCP/IPプロトコルが使用される。クライアントがブロックデバイスに対して読み書きの要求を発行すると、その要求はネットワーク経由でNBDサーバーに送られる。サーバーは要求を受け取ると、自身の持つ物理ストレージに対して実際の読み書き操作を行い、その結果を再びネットワーク経由でクライアントに返す。この一連のやり取りを通じて、クライアントはネットワークの向こう側にあるストレージを透過的に利用できるのである。

NBDを利用する最大の利点の一つは、ストレージの集約と共有が容易になる点にある。データセンターにおいて、多くのサーバーや仮想マシンがそれぞれ独立したストレージを持つのではなく、一部のサーバーに高性能なストレージを集約し、それをNBD経由で各クライアントに提供することで、ストレージの効率的な利用と管理の一元化が図れる。例えば、仮想マシンのディスクイメージをNBDサーバー上の単一のファイルとして管理し、複数の仮想化ホストからそのファイルにアクセスさせることで、仮想マシンのライブマイグレーションを容易にするなどの応用が可能となる。

また、NBDはディスクレス環境の構築にも有用である。物理的なディスクを持たないクライアントPCに対して、NBDサーバーからOSの起動イメージやデータ領域を提供することで、コスト削減や管理の簡素化、セキュリティの向上に貢献できる。例えば、教育機関やコールセンターのような環境で、多数のPCを一元的に管理し、OSのアップデートやアプリケーションの展開を容易に行うことが可能となる。クライアント側には最小限のブートローダーのみを搭載し、残りのOSはネットワーク越しにNBDサーバーから読み込む形となる。

NBDの利用を検討する際には、いくつかの注意点も存在する。最も重要なのは、その性能がネットワークの帯域幅や遅延に大きく依存する点である。特に、頻繁なデータの読み書きが発生するような高負荷な環境では、ネットワークのボトルネックが全体のパフォーマンスに直結するため、ギガビットイーサネットや10ギガビットイーサネットのような高速ネットワーク環境が推奨される。また、NBDサーバーが単一障害点となるリスクも考慮する必要がある。サーバーがダウンすると、それに依存するすべてのクライアントがストレージにアクセスできなくなり、システムの停止を招く可能性があるため、HA(高可用性)クラスタリングや冗長化の仕組みと組み合わせることが望ましい。セキュリティ面では、ネットワーク越しにデータがやり取りされるため、適切な認証メカニズムやデータ暗号化の導入も検討すべきである。

NBDと類似する技術として、ファイルレベルで共有するNFS(Network File System)やSMB(Server Message Block)があるが、NBDはファイルシステムそのものではなく、その下層にあるブロックデバイスを提供するという点で大きく異なる。また、iSCSI(Internet Small Computer System Interface)もネットワーク経由でブロックストレージを提供する技術であるが、iSCSIがSCSIプロトコルをIPネットワーク上でカプセル化するのに対し、NBDはより軽量でシンプルな独自のプロトコルを使用するという特徴がある。これらの違いを理解することで、それぞれの技術がどのようなシナリオに適しているかを見極めることができるだろう。NBDは、比較的シンプルな設定でブロックストレージの共有を実現したい場合に特に有効な選択肢となり得る。

総じて、NBDは、ネットワーク経由でブロックデバイスを提供することで、ストレージの柔軟な配置、共有、および管理を可能にする強力なツールである。システム設計やインフラ構築において、ストレージリソースの効率的な活用が求められる場面で、その真価を発揮する技術と言えるだろう。

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