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SNMPトラップ(エスエヌエムピー トラップ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

SNMPトラップ(エスエヌエムピー トラップ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

SNMPトラップ (エスエヌエムピー トラップ)

英語表記

SNMP Trap (エスエヌエムピー トラップ)

用語解説

SNMPトラップは、ネットワーク機器やサーバーなどの管理対象デバイス(SNMPエージェント)が、自身に発生した特定のイベントや状態変化を、中央の監視システム(SNMPマネージャー)へ自発的に通知するメッセージである。これは、ITシステム運用において、障害や異常を早期検知し、迅速な対応を可能にする重要な機能だ。

概要として、SNMPトラップはSimple Network Management Protocol(SNMP)の一部として定義されている。SNMPはデバイス情報を収集・制御する標準プロトコルであり、通常はマネージャーがエージェントへ定期的に問い合わせる「ポーリング」方式で監視が行われる。しかし、ポーリングでは、問い合わせ間隔の間に発生した緊急性の高いイベントを即座に把握できない可能性がある。SNMPトラップは、この時間差による課題を解決するために導入された。デバイス側で異常事態(例えば、ネットワークインターフェースのダウンやサーバーのディスク容量不足など)を検知すると、エージェントが能動的にマネージャーへ通知を送信する。これにより、マネージャーはリアルタイムに近い形で問題発生を把握し、管理者への警告や自動処理の実行といった迅速な対応が可能となる。このプッシュ型通知は、受動的監視では見落とされがちなクリティカルな事象を即座に検知し、運用効率と信頼性向上に大きく貢献する。

詳細を説明する。SNMPトラップは、SNMPエージェントとSNMPマネージャーの連携で動作する。SNMPエージェントは、ルーターやサーバーなどの監視対象デバイスに搭載され、デバイスの状態を監視する。エージェントは、あらかじめ設定された閾値の超過や特定イベント(システム起動、リンク状態変化、認証失敗など)が発生すると、SNMPトラップメッセージを生成する。メッセージには、発生元IPアドレス、イベントの種類を示す識別子(汎用トラップ番号やエンタープライズ固有トラップ番号)、発生からの時間、そしてイベントに関する詳細情報(OIDと値の組)が含まれる。

生成されたトラップメッセージは、通常、UDPポート162番を利用して、設定済みのSNMPマネージャーへ送信される。マネージャーはこれを受信・解析し、ログ記録、監視画面への表示、管理者へのメール/SMS通知、あるいは特定のスクリプト実行といったアクションを実行し、管理者に異常を知らせる。

SNMPトラップのメッセージ形式はSNMPのバージョンにより異なる。SNMPv1トラップは基本形式で、SNMPv2cではより拡張されたSNMPv2-Trap-PDUが導入された。SNMPv3では、SNMPv2-Trap-PDU構造を維持しつつ、認証や暗号化といったセキュリティ機能が追加され、より安全な通信が可能となっている。

SNMPトラップは、ポーリングによる定期監視と組み合わせることで、網羅性と即時性を兼ね備えた効率的な監視体制を構築できる。ポーリングは全体の状態把握に適し、トラップは緊急イベントの即時通知に優れる。ただし、トラップはUDPプロトコルを使用するため、ネットワーク状況によってはメッセージが失われる可能性がある。信頼性の課題から、SNMPv2c/v3ではマネージャー応答要求型のSNMP Informも存在するが、SNMPトラップはそのシンプルさ、低オーバーヘッド、即時性から、多くのITインフラで重要な監視手段として活用されている。

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