SOAP(ソープ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
SOAP(ソープ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
ソープ (ソープ)
英語表記
SOAP (ソープ)
用語解説
SOAPは「Simple Object Access Protocol」の略で、異なるコンピュータ上のアプリケーション間で情報を交換するためのXMLベースのメッセージングプロトコルである。主にWebサービスにおいて、プラットフォームやプログラミング言語が異なるシステム間でデータの送受信や機能呼び出しを行うための標準的な手段として利用されてきた。ネットワークを介してリモートのサービスと通信する際のメッセージ形式と通信ルールを定めている。
SOAPが必要とされる背景には、企業システム内での多様な環境の存在がある。例えば、Javaで開発されたアプリケーションと.NETで開発されたアプリケーション、あるいは異なるオペレーティングシステム上で動作するシステムが互いに連携し、データをやり取りする必要がある場合、共通の通信方法がなければ開発は困難になる。SOAPはこのような異なるシステム間での相互運用性を実現するために設計された。HTTPやSMTPなどの既存のインターネットプロトコル上で動作し、XML形式のメッセージを用いて構造化された情報をやり取りする。
SOAPメッセージは、XML文書として構成され、特定の構造を持っている。この構造は大きく分けて「エンベロープ」「ヘッダー」「ボディ」「フォルト」の4つの要素からなる。まず「エンベロープ」はSOAPメッセージ全体のルート要素であり、メッセージの開始と終了を定義する。SOAPメッセージとして認識されるためには必ずこのエンベロープが含まれている必要がある。「ヘッダー」はオプションの要素で、認証情報、トランザクションID、セッション情報など、アプリケーション固有のメタデータを含めることができる。これにより、メインのメッセージ内容とは別に、通信に関する補助的な情報を伝達することが可能となる。「ボディ」はSOAPメッセージの主要な部分であり、クライアントが呼び出すサービス操作の名前やそのパラメータ、あるいはサービスからの応答データなどが格納される。実際のデータや機能呼び出しの要求がここに記述される。「フォルト」は、サービス処理中にエラーが発生した場合にボディの代わりに含まれる要素で、エラーコードやエラーメッセージといった情報を提供する。
SOAPの動作原理は以下の通りである。クライアントアプリケーションは、呼び出したいWebサービスの操作名やそれに必要なパラメータをSOAPボディに記述し、SOAPエンベロープで包んだXMLメッセージを作成する。このSOAPメッセージは、通常HTTPリクエストのボディ部分に格納され、Webサーバーへ送信される。サーバー側でこのリクエストを受け取ったWebサービスは、SOAPメッセージを解析し、ボディに記述された操作を実行する。処理が完了すると、その結果をSOAPボディに記述し、同様にSOAPエンベロープで包んだXMLメッセージとしてクライアントに返信する。エラーが発生した場合は、フォルト要素を含むSOAPメッセージを返す。
SOAPサービスを利用する上で不可欠な要素がWSDL(Web Services Description Language)である。WSDLは、特定のSOAPサービスがどのような操作を提供しているか、どのようなメッセージ形式を受け付け、どのようなメッセージ形式を返すかといったインターフェース情報をXML形式で記述したものである。クライアントアプリケーションは、このWSDL文書を読み込むことで、対象のWebサービスが提供する機能を事前に知り、SOAPメッセージを正しく生成してサービスを呼び出すことができる。WSDLは、プログラミング言語におけるAPIドキュメントやインターフェース定義ファイルのような役割を果たすと言える。
SOAPの利点としては、その堅牢性と拡張性が挙げられる。XMLスキーマによってメッセージ構造が厳密に定義されるため、異なるシステム間でも高い相互運用性が保証される。また、HTTP以外にも様々な通信プロトコル上で動作可能であるため、柔軟なネットワーク環境に対応できる。さらに、WS-Security、WS-ReliableMessaging、WS-AtomicTransactionといった、セキュリティ、信頼性、トランザクション管理に関する様々な「WS-*標準」が策定されており、エンタープライズレベルの複雑で高度な要件にも対応できる拡張性を持っている。これにより、金融システムや大規模な基幹システムなど、高い信頼性やセキュリティが求められる環境での利用に適している。
一方で、SOAPにはいくつかの課題も存在する。XMLベースであるため、メッセージの構造が複雑になりがちであり、データ量も大きくなる傾向がある。これにより、ネットワーク帯域の消費量が増えたり、メッセージの解析や生成に時間がかかったりするなどのパフォーマンス上のオーバーヘッドが生じやすい。特に、シンプルなデータ交換を行いたい場合には、メッセージの冗長性がデメリットとなることがある。また、WSDLやXMLスキーマ、各種WS-*標準など、学習すべき概念や技術が多く、開発の学習コストや複雑さが増す傾向がある。これらの理由から、シンプルなWeb APIを構築する際には、RESTful APIが選択されることが増えているが、SOAPは依然として複雑なエンタープライズシステムの連携において重要な役割を果たしている。