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USB 1.0/1.1(ユーエスビーイチテンゼロ イチイチ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

USB 1.0/1.1(ユーエスビーイチテンゼロ イチイチ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ユーエスビーいちてんぜろ/いちてんいち (ユーエスビーイチテンゼロイチテンイチ)

英語表記

USB 1.0/1.1 (ユーエスビーイチテンゼロイチテンイチ)

用語解説

USB 1.0/1.1は、今日のコンピュータ周辺機器接続のデファクトスタンダードであるUSB(Universal Serial Bus)の初代および改良版の規格である。コンピュータと周辺機器を接続するためのインターフェースが乱立し、それぞれが異なる特性、接続方法、設定の複雑さを持っていた時代に、それらの問題を解決するために開発された画期的な技術であった。

1990年代半ば、パーソナルコンピュータ(PC)の普及が進むにつれて、マウス、キーボード、プリンター、スキャナー、モデムなど、様々な周辺機器が登場した。しかし、これらの機器をPCに接続するためには、シリアルポート、パラレルポート、PS/2ポート、SCSIなどの複数の異なるインターフェースが存在し、ユーザーは機器ごとに適切なポートを選び、時にはIRQ(割り込み要求)やDMA(ダイレクトメモリアクセス)の設定を手動で行う必要があった。これは初心者にとって非常に敷居が高く、PCの利用を妨げる一因となっていた。また、それぞれのポートは転送速度や機能にも限界があり、特に高速なデータ転送が必要な機器や、多数の機器を同時に接続する場合には不便が顕著であった。こうした背景から、より汎用性が高く、使いやすく、拡張性のある新しいインターフェースの必要性が高まっていた。

このような課題を解決するために、Intel、Microsoft、IBM、Compaq、DEC、NEC、Nortelといった主要なIT企業が協力し、1996年1月にUSB 1.0規格が策定された。そして、その後に発見されたバグを修正し、安定性を向上させたUSB 1.1規格が1998年9月に発表され、これが実質的に最初の広く普及したUSB規格となった。USB 1.0と1.1の基本的な機能や転送速度に大きな違いはなく、USB 1.1はUSB 1.0の完成版と位置づけられる。

USB 1.0/1.1の最大の目的は、「ユニバーサル」という名の通り、様々な種類の周辺機器を単一の標準インターフェースで接続できるようにすることであった。そのために、いくつかの革新的な特徴が導入された。

まず、「プラグアンドプレイ(PnP)」機能である。これは、ユーザーがUSB機器をPCに接続するだけで、自動的にOSが機器を認識し、必要なデバイスドライバをインストールして設定を完了させるという機能である。これにより、従来の複雑な手動設定が不要となり、ユーザーはすぐに機器を使い始めることができるようになった。

次に、「ホットプラグ」機能である。これは、PCの電源を入れたままの状態で、USB機器の接続や切断が可能であるという機能である。従来のインターフェースでは、機器の接続・切断時にはPCの電源を切る必要があったり、再起動が必要な場合もあったため、ホットプラグはユーザーの利便性を大きく向上させた。

さらに、USBはデータ転送だけでなく、一部の周辺機器に対してはUSBケーブルを介して電源を供給する「バスパワー」機能も備えていた。これにより、小型のマウスやキーボード、USBメモリなど、消費電力の少ない機器では別途電源アダプターを用意する必要がなくなり、配線がシンプルになった。

USBは「ツリー型トポロジー」と呼ばれる接続形態を採用している。これは、ホストコントローラ(PC側)を根元として、USBハブを介して最大127台の機器をデイジーチェーン接続できるというものである。ただし、物理的な接続距離には制限があり、ケーブル長は最大5メートル、ハブを介した接続では5段までの延長が可能であった。

データ転送速度に関して、USB 1.0/1.1には2つのモードがあった。一つは「Low Speed」で1.5 Mbps(メガビットパーセカンド)、もう一つは「Full Speed」で12 Mbpsである。Low Speedは主にキーボードやマウスといった低速な入力デバイス向けであり、Full Speedはプリンター、スキャナー、モデム、デジタルカメラなど、より多くのデータを扱う機器向けに設計された。これらの速度は今日の基準から見れば低速だが、当時のシリアルポート(約115kbps)やパラレルポート(約2Mbps)と比較すると格段に高速であり、多くの周辺機器の要求を満たすには十分であった。

USB 1.0/1.1では、用途に応じて4種類のデータ転送モードが定義されていた。 「制御転送(Control Transfer)」は、USBデバイスの設定や状態確認、コマンドの送信など、少量の重要な情報を送受信するために用いられる。 「バルク転送(Bulk Transfer)」は、大量のデータを確実かつ効率的に転送するために使用され、主にプリンターやスキャナー、USBメモリなどで用いられた。データの一貫性が保証されるため、エラーが発生した場合は再送される。 「アイソクロナス転送(Isochronous Transfer)」は、リアルタイム性が必要なオーディオやビデオのストリーミングなどに使用される。この転送モードはデータの一貫性よりもタイムリーな配信を優先するため、エラー訂正や再送は行われない。データ損失を許容する代わりに、一定の転送レートを保証する。 「インタラプト転送(Interrupt Transfer)」は、キーボードやマウスのような、少量だが定期的に発生するイベントデータをポーリングによって転送するために使用される。ホストコントローラがデバイスの状態を定期的に問い合わせ、変更があればデータを取得する。

コネクタの形状も標準化された。PC側に接続する「タイプA」コネクタと、周辺機器側に接続する「タイプB」コネクタが主に用いられ、ケーブルの差し間違いを防ぎ、接続の分かりやすさを向上させた。

USB 1.1は、特にMicrosoftのWindows 98オペレーティングシステムと深く連携して急速に普及した。Windows 98はUSBをネイティブでサポートした最初の主要なOSであり、これにより多くのPCメーカーがUSBポートを標準搭載するようになり、周辺機器メーカーもUSB対応製品を次々と投入した。結果として、USB 1.1はPCのインターフェースを一変させ、ユーザーは複雑な設定に悩むことなく、様々な周辺機器を手軽に利用できるようになった。

USB 1.0/1.1は、その後のUSB 2.0(480 Mbps)、USB 3.x(5 Gbps以上)、USB 4(20 Gbps以上)といった高速規格の基礎を築いた。現在ではより高速なUSB規格が主流となっているが、USB 1.0/1.1が確立したプラグアンドプレイ、ホットプラグ、バスパワー、ツリー型トポロジーといった基本的な概念は、今日のUSB規格にも受け継がれており、現代のPC利用環境を形成する上で不可欠な存在であった。システムエンジニアを目指す者にとって、USB 1.0/1.1は単なる古い規格ではなく、コンピュータと周辺機器の接続の歴史において、いかにユーザーフレンドリーな設計が重要であるかを示す重要なマイルストーンとして理解しておくべきである。

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