Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

WWAN(ダブリューダブリューエーエヌ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

WWAN(ダブリューダブリューエーエヌ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ワイヤレス広域ネットワーク (ワイアレスコウイキネットワーク)

英語表記

WWAN (ダブリューダブリューエーエヌ)

用語解説

WWAN(Wireless Wide Area Network:無線広域ネットワーク)とは、携帯電話キャリアが提供する広範囲な無線通信網を利用して、モバイルデバイスがインターネットや企業のプライベートネットワークに接続するための技術全般を指す。これは、一般的にスマートフォンやタブレット、モバイルデータ通信に対応したノートパソコンなどが、基地局を通じて遠隔地と通信するための基盤であり、ユーザーが場所を問わずにネットワークに接続することを可能にする。WWANは、Wi-Fiなどの無線LAN(WLAN)が提供する数メートルから数十メートル程度の限られた範囲のネットワークとは異なり、文字通り「広域」なエリアをカバーすることが最大の特徴である。これにより、移動中でも、あるいは地理的に広範囲にわたる場所からでも、切れ目のない通信を実現する。LTE(4G)や5Gといった移動体通信技術がWWANの代表的な形態であり、その普及によって、現代社会におけるモバイルコンピューティングやIoT(Internet of Things)の発展を支える不可欠なインフラとなっている。システムエンジニアを目指す上で、このような広域無線通信の仕組みと活用方法を理解することは、将来のシステム設計やネットワーク構築において非常に重要となる。

WWANは、主に以下の要素によって構成され、機能する。まず、ユーザーが利用する「端末」には、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、さらにはM2M(Machine-to-Machine)通信やIoTデバイスなどが含まれる。これらの端末には、WWANに対応した「通信モジュール」が内蔵されており、SIM(Subscriber Identity Module)カードを挿入することで、特定の移動体通信事業者(キャリア)のネットワークに接続できるようになる。次に、キャリアが設置する「基地局」が、端末からの無線信号を受信・送信する役割を担う。この基地局が広範囲に配置されることで、サービスエリアが形成される。そして、基地局が集約された先に存在する「コアネットワーク」が、インターネットや電話網、他の移動体通信事業者網などと接続し、データ通信や音声通信を処理する。

WWANの最大のメリットは、その「広範囲な接続性」と「モビリティ」にある。Wi-Fiルーターがある場所に限定されることなく、都市部から郊外、場合によっては移動中の乗り物の中でも、途切れることなくネットワークに接続できるため、場所を選ばない働き方(モバイルワーク)や、移動しながら情報を収集・発信する活動を強力にサポートする。また、キャリアの提供するネットワークを利用するため、ある程度の「セキュリティ」が確保されており、公衆Wi-Fiスポットに比べて通信の安全性が高いとされている点も利点である。利便性においては、設定の簡易さも挙げられ、SIMカードを挿入し、必要に応じて簡単な設定を行うだけで、すぐに利用を開始できる。

一方で、デメリットも存在する。最も顕著なのは「通信費用」であり、データ利用量に応じて月額料金が発生する。また、通信速度や安定性は、基地局からの距離、建物や地形による遮蔽、接続ユーザー数など、周囲の環境に大きく左右される。地下や山間部、大規模な商業施設内などでは電波が届きにくい場合もあり、通信が不安定になったり、速度が低下したりすることがある。さらに、無線通信であるため、有線LANに比べて「バッテリー消費」が大きい傾向があり、端末の駆動時間に影響を与える。通信キャリアのサービスエリア外では利用できないため、「キャリアへの依存」も考慮すべき点である。

WWANを支える主要な技術は、時代とともに進化してきた。かつては2G、3Gといった技術が主流であったが、現在は「LTE(Long Term Evolution)」、いわゆる4Gが広く普及している。LTEは、高速なデータ通信と低遅延を実現し、スマートフォンの普及と高品質な動画視聴、オンラインゲームなどを可能にした。そして、次世代の技術として「5G」が急速に展開されている。5Gは、LTEをはるかに上回る「超高速」なデータ通信、「超低遅延」、そして「多数同時接続」という三つの特徴を持ち、自動運転、遠隔医療、スマートファクトリーといった、これまでの技術では実現が困難だった新たなサービスやアプリケーションの実現を期待されている。また、IoT分野に特化した「LPWAN(Low Power Wide Area Network)」のような低電力で広範囲をカバーする技術(例: LoRaWAN、NB-IoT)もWWANの一種として注目されており、電力消費を抑えながら長期間にわたるデータ収集を可能にする。

WWANの利用シーンは多岐にわたる。ビジネスにおいては、出張先でのノートパソコンからの資料閲覧やメール送受信、営業担当者の顧客先での情報アクセスなどに不可欠である。災害時やネットワーク障害時の「バックアップ回線」としても利用され、有線ネットワークが寸断された場合でも通信手段を確保できる。また、「コネクテッドカー」においては、車両の位置情報や走行データをリアルタイムで送信し、交通情報やエンターテイメントサービスを提供するためにWWANが活用される。スマートメーターや監視カメラ、環境センサーといったIoTデバイスの多くも、WWANを通じてデータを収集・送信している。

WLAN(Wi-Fi)と比較すると、WWANは「広域性」と「モビリティ」に優れる一方、WLANは「高速性」と「コスト効率」において有利な場合が多い。家庭やオフィス内ではWi-Fiを使い、外出先ではWWANを利用するといった形で、両者は相互補完的な関係にある。システムエンジニアとしてネットワーク設計を行う際には、それぞれの特性を理解し、用途に応じて最適な接続方法を選択することが求められる。

将来に向けて、WWANは5Gのさらなる普及と進化、そして6Gといった次世代技術の開発によって、さらにその能力を向上させるだろう。IoTデバイスの爆発的な増加に伴い、より多様なデバイスがWWANに接続し、膨大なデータを生成・消費するようになる。エッジコンピューティングとの連携も進み、デバイスに近い場所でデータ処理を行うことで、遅延のさらなる削減や、ネットワーク負荷の分散が実現されると期待されている。WWANは、単なるインターネット接続手段に留まらず、社会全体のデジタルトランスフォーメーションを推進する中核技術として、その重要性を増していく。

関連コンテンツ

関連IT用語

関連ITニュース