【ITニュース解説】Beyond MERN & MEAN: What’s the Next Big Full-Stack Trend?
2025年09月18日に「Dev.to」が公開したITニュース「Beyond MERN & MEAN: What’s the Next Big Full-Stack Trend?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
MERN/MEANに続く次世代のフルスタック開発トレンドは、Jamstack、サーバレス、Next.js等の統合フレームワーク、TypeScriptの標準化、AI活用が進む。基本を学び、モダンフレームワークやTypeScript、AIツールを習得するのが今後のロードマップとなる。
ITニュース解説
数年前まで、システムエンジニアを目指す開発者にとって、「どの技術スタックを学ぶべきか」という問いへの答えは非常に明確だった。それはMERN(MongoDB、Express、React、Node.js)かMEAN(MongoDB、Express、Angular、Node.js)という組み合わせだった。これらのスタックは、MongoDBというデータベース、Expressというサーバーサイドフレームワーク、ReactやAngularというフロントエンドライブラリ/フレームワーク、そしてNode.jsというサーバーサイドJavaScript実行環境という、すべてがJavaScriptを中心に構築されたエコシステムを提供し、ウェブ開発を非常にシンプルにしてきた。これにより、開発者は一つの言語であるJavaScriptを使いこなすことで、フロントエンドからバックエンドまでを一貫して開発できるという大きな利点があった。
しかし、ウェブの世界は常に進化を続けており、MERNやMEANが確立された時代から、開発の常識は大きく変化している。現代の開発者は、もはやMERNやMEANの次に何が来るのか、ウェブ開発の未来を形作る次の大きなトレンドは何なのかという問いを投げかけている。この問いに答えるべく、現在注目されている新しい開発トレンドがいくつかある。
まず、「Jamstack(ジャムスタック)」という考え方がある。これは厳密には新しい技術ではなく、現代のアプリケーション構築のあり方を再定義するものだ。Jamstackは、ウェブサイトやアプリケーションのフロントエンド(ユーザーインターフェース)とバックエンド(サーバー側の処理)を密接に結びつけるのではなく、それぞれを独立させることを推奨する。具体的には、動的な機能はJavaScriptで実装し、様々なサービスとの連携にはAPI(Application Programming Interface)を利用し、コンテンツ自体は事前に構築されたHTMLなどのMarkup(マークアップ)で提供するという仕組みだ。この分離により、非常に高速なウェブサイトが実現でき、拡張性(スケーラビリティ)が高まり、デプロイ(公開)も簡単になるという利点がある。NetlifyやVercelといったプラットフォームが、このJamstackの普及を大きく後押ししている。
次に、「サーバーレス(Serverless)」コンピューティングと「エッジファンクション(Edge Functions)」の台頭が挙げられる。かつては、小さなアプリケーションを動かすためにも、開発者がサーバーを管理する必要があった。しかし、サーバーレスの登場により、開発者はサーバーの運用や管理について心配する必要がなくなった。アプリケーションのコードを動かすために必要なリソースは、必要な時に自動的に提供され、開発者は実際にコードが実行された時間に対してのみ費用を支払うという仕組みだ。AWS Lambda、Cloudflare Workers、Vercel Edge Functionsといったプラットフォームがこれを可能にしている。これにより、重厚なバックエンドシステムを、軽量で、かつ世界中に分散配置された小さな機能(ファンクション)の集合体に置き換えることが可能になり、インフラ管理の負担を大幅に削減しながら、高速で信頼性の高いサービスを提供できる方向へと業界は進んでいる。
また、「フルスタックフレームワーク」の進化も見逃せないトレンドだ。これらのフレームワークは、開発者に最初から最後まで(エンドツーエンドで)対応できる統合されたソリューションを一つのエコシステムの中で提供することを目指している。これにより、開発者は複数の異なるライブラリやツールを組み合わせる手間から解放され、バックエンド、フロントエンド、さらにはデプロイメントまでを一貫して扱うことができるようになる。代表的なものとしては、Next.jsがある。これは元々フロントエンドのReactフレームワークとして知られていたが、今ではAPIルートのハンドリング、認証機能、サーバーサイドレンダリングといったバックエンド寄りの機能も包括的に提供する。その他にも、ウェブの基本原則とパフォーマンスに焦点を当てたRemix、GraphQLとPrisma上に構築されスタートアップ企業向けに設計されたRedwoodJS、Ruby on RailsにインスパイアされたフルスタックReactフレームワークであるBlitz.jsなどが注目を集めている。
プログラミング言語の側面では、「TypeScript(タイプスクリプト)」が新しい標準となりつつある。2025年現在、TypeScriptを使わずに大規模なアプリケーション開発を行うことは、もはや時代遅れと見なされかねない状況だ。なぜなら、TypeScriptは「型付け」という機能を提供し、これによりコードの記述段階で多くのバグを発見しやすくなるため、堅牢で大規模なアプリケーションの開発において非常に有効だからだ。コードの予測可能性が高まり、開発者にとっての体験も向上する。Next.jsやNestJSといった現代の主要なフレームワークも、TypeScriptを最初から完全にサポートしており、もはや「あれば便利」というレベルではなく、「なくてはならない」標準的な技術になりつつある。
さらに、「AIを活用した開発」がフルスタック開発に新たな時代をもたらしている。GitHub CopilotやCursorのようなAIコパイロット(副操縦士)ツールや生成AIツールの登場により、開発プロセスはより速く、よりスマートになっている。これらのAIツールは、コードの自動補完や生成はもちろんのこと、時にはフルスタックアプリケーションのアーキテクチャ(設計思想)に関する決定すらも提案できるようになってきている。将来のウェブ開発は、どの技術スタックを学ぶかだけでなく、AIとどのように協業して、より良いアプリケーションを構築していくかという視点も重要になるだろう。
このような変化の激しい状況で、システムエンジニアを目指す初心者や中級のスキルを持つ開発者が次に何を学ぶべきか迷うこともあるだろう。ロードマップとしては、まずHTML、CSS、JavaScriptといったウェブの基本的な技術を徹底的にマスターすることが重要だ。その上で、Next.jsやRemixのような現代的なフルスタックフレームワークの一つを深く学び、習熟することをおすすめする。そして、サーバーレスの概念とAPIの利用方法に慣れること。さらに、TypeScriptをできるだけ早い段階から採用し、その利点を享受すること。最後に、GitHub CopilotのようなAIツールを積極的に試し、開発プロセスにどのように組み込めるかを模索することも大切だ。
MERNやMEANといったかつての主流スタックが本当に時代遅れになるのか、それとも新しい時代に合わせて適応し生き残っていくのかは、今後も議論されるテーマとなるだろう。しかし、ウェブ開発の最前線が常に進化していることは間違いなく、新しいトレンドを理解し、自身のスキルセットに取り入れていくことが、これからのシステムエンジニアにとって不可欠となる。