【ITニュース解説】The journey to complete the docker+kubernetes pair

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「The journey to complete the docker+kubernetes pair」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Docker経験者がコンテナオーケストレーションツールKubernetesの学習を開始。チュートリアルでnginxのデプロイに挑戦し、ポート設定で苦戦するもAIツールの助けで解決。kubectlコマンドなど実践的なスキルを学びながら試行錯誤する過程を共有した。(119文字)

ITニュース解説

現代のソフトウェア開発において、コンテナ技術はアプリケーションの実行環境を構築・管理するための中心的な役割を担っている。その代表格が「Docker」である。Dockerは、アプリケーションとその動作に必要なライブラリや設定などを「コンテナ」と呼ばれる独立した環境にパッケージ化する技術だ。これにより、開発環境で動いていたアプリケーションが本番環境では動かないといった問題を解消し、どこでも同じようにアプリケーションを実行できるポータビリティを実現する。システムエンジニアを目指す上で、Dockerの理解は基礎的なスキルの一つとなっている。しかし、開発規模が大きくなり、管理するコンテナの数が数十、数百と増えてくると、それらを個別に手動で管理するのは非常に困難になる。例えば、複数のコンテナ間で負荷を分散させたり、障害が発生したコンテナを自動的に再起動させたり、アプリケーションのバージョンアップをサービスを停止せずに行ったりといった運用作業は、複雑さを極める。

この大規模なコンテナ環境の管理・運用の課題を解決するために登場したのが「Kubernetes」である。Kubernetesは、多数のコンテナを効率的に管理・自動化するための「コンテナオーケストレーションツール」と呼ばれるソフトウェアだ。Dockerがコンテナという「部品」を作るための技術だとすれば、Kubernetesはその部品を組み合わせて、大規模で安定した「システム」を構築・運用するための司令塔の役割を果たす。具体的には、複数のサーバーマシンを一つの大きなリソースプールとして束ね(これをクラスタと呼ぶ)、どのサーバーでどのコンテナをいくつ実行するかを自動的に決定・配置するスケジューリング機能、コンテナのヘルスチェックを行い、異常があれば自動で再起動する自己修復機能、トラフィックの増減に応じてコンテナの数を自動で増減させるスケーリング機能などを提供する。このように、DockerとKubernetesはそれぞれの役割が異なり、両者を組み合わせることで、現代的で堅牢なアプリケーション基盤を構築できるため、セットで語られることが多い。

Dockerに慣れたエンジニアが次にKubernetesの学習を始めることは自然なステップアップであるが、その道のりは決して平坦ではない。元になった記事の筆者も、Dockerを日常的に使っている経験者でありながら、Kubernetesを「新しいモンスター」と表現しているように、全く新しい概念や操作方法を学ぶ必要がある。多くの初学者がそうであるように、筆者はまず、自身のPC上で手軽にKubernetes環境を構築できる「minikube」を導入して学習を開始した。minikubeは、本格的なマルチサーバー構成のクラスタを模したシングルノードのKubernetes環境を簡単に作れるため、学習や開発用途で広く利用されている。筆者はこの環境で、Webサーバーとして一般的なNginxのコンテナをKubernetes上に展開(デプロイ)することを試みた。しかし、最初の壁に直面する。デプロイ自体は成功したものの、外部からそのNginxにアクセスするためのポート設定がうまくいかなかったのだ。これはKubernetes学習者にとって典型的なつまずきポイントである。Docker単体であれば比較的シンプルなポートマッピングで外部公開が可能だが、Kubernetesでは「Service」という抽象的なネットワークリソースを定義し、コンテナ群(Podと呼ばれる単位)へのアクセス経路を管理する必要がある。この新しい概念の理解と、それに伴う設定ファイルの記述が、初学者にとって一つのハードルとなる。

この経験は、Kubernetesの習得には、Dockerの知識に加えて、Pod、Service、DeploymentといったKubernetes独自の概念を体系的に学ぶ必要があることを示している。そして、これらのリソースを操作するために不可欠なのが「kubectl」というコマンドラインツールである。筆者もこの一連の試行錯誤の中で、いくつかのkubectlコマンドを学んだと記している。kubectlは、Kubernetesクラスタの状態を確認したり、アプリケーションをデプロイしたり、ログを確認したりと、Kubernetesを扱うエンジニアが日常的に使用する基本的なツールだ。公式ドキュメントを参照しながら学習を進めるのが一般的だが、筆者のようにドキュメントだけでは解決が難しい場面に遭遇することも少なくない。そこで筆者は、GitHub CopilotのようなAIツールを活用した。現代の学習環境では、公式ドキュメントと並行して、AIアシスタントに質問したり、コードの生成を依頼したりすることで、問題解決のヒントを得て効率的に学習を進めることが可能になっている。

基本的な操作を試した筆者は、次に「自分で作成したDockerコンテナをデプロイする」という、より実践的な目標を立てている。これは、既存の完成されたコンテナイメージ(Nginxなど)を利用する段階から、自作のアプリケーションをコンテナ化し、それをKubernetes上で動かすという、スキルアップのための重要なステップだ。このプロセスでは、アプリケーションのコードからDockerイメージをビルドするための設定ファイル(Dockerfile)を作成し、そのイメージをKubernetesで動かすための設定ファイル(マニフェストファイル、一般的にYAML形式で記述)を作成する必要がある。この一連の作業を通じて、コンテナ技術を使ったアプリケーション開発から運用までの一連の流れを深く理解することができる。この記事が示すように、Kubernetesの学習は、小さな失敗と成功を繰り返しながら、実際に手を動かして概念とコマンドを一つずつ身につけていく地道なプロセスである。minikubeのような環境で気軽に試しながら、公式ドキュメントやAIツールを駆使して知識を補完していくことが、この強力な技術を習得するための確実な道筋と言えるだろう。

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